提案
マークの思いもよらない提案があった。
「スキルは俺たちが、教えてあげられるし、最短で最強の勇者を目指すのはどうだろう」
「幸いにも、1回目の転職は済ませている。ただ現状、基礎能力は悪いが最低まで落ちているから、このまま中途半端にレベルを上げて足掻くより、一緒に転職を繰り返していかないか。」
「ここまで転職を繰り返し、どうしたら基礎能力が上がるかも理解出来たし、スキルも俺たちから覚えることが、嫌じゃ無ければ全てを教えてあげてもいい。」
すごく親身に話しをしてくれ、魅力的だったが、どうしていいか迷っていると、
シェリーがフォローしてくれた。
「取り敢えずここからは、私ももう出たいと思ってるから、脱出してから考えない?」
「山賊達も寝てるみたいだし、この牢屋も単純な鍵しか無いみたいだからね」
僕はシェリーの提案に頷き、牢屋を抜ける事にした。
牢屋の鍵開けは、マークが盗賊のスキルで開けるらしい。
何処からか出した道具で準備を始め、鍵穴に差し込む所で手を止めた。
何かトラブル?
心配になっていると、マークがこっちを見て手招きをしてる。
「鍵開けやってみな。」
「!!」
いきなりの事で何を言っているね。
僕には出来ないし、やった事もないよ。
マークが、道具を手に
「スキルを全て教えてもいいって言っただろ。今1つ目を教えてあげるよ。」
「いいんじゃない。時間が掛かって山賊達が起きてきたら、私がまた寝かせてあげる。」
シェリーが笑顔で、拳を見せてきた。
やばい。あの笑顔がシャレにならない。
僕は覚悟を決めて、マークから道具を受け取った。
マークの教え方は、上手かった。
コツや注意点、特徴、他の鍵についても教えてくれた。
ただ、基礎能力も最低な僕には難しかった。
「そこ。」
「もう少し。」
「惜しい。」
開かない、、、
どれくらいトライしただろうか。
1時間以上は頑張ったが、まだ開かない。
この鍵は、1番簡単な部類になるらしい。
更に休憩を挟み、1時間弱トライしたが開かない。流石にマークも痺れを切らしたみたいだ。
「ちょっと貸してみな」
僕から、道具を受け取り鍵穴に差し込む。
開いた!
「な、コツがわかれば簡単に開くだろう。」
やっと出られる。
ほっとして、立ち上がり出ようとすると、
「ガチャ」
「ん?」
マークが、
マークが、鍵を閉めた。
マークが、笑顔で道具を差し出してくる。
「さぁ、続きをやろう。」
泣きそうになりながら、道具を受け取る。
今度は、手を添えてまで一緒にやってくれ、
「ガチャ」
開いた。
更に「ガチャ」
??
ただ、また笑顔で鍵を閉められた。
1人で開けなければ意味がないらしい。
この2人の笑顔、やばいかも、、、




