王宮での依頼
昨日は夜遅くまで話しをしてしまった。
ユイの事が心配だったか、シェリーと気が合ったみたいで2人女子会を開いていた。
ここに連れて来て、寂しい思いをさせてしまうんじゃないか心配だったが、少し安心した。
翌朝は、ハルのジャンプから始まった。シェリーが起こしてきてと、頼まれたらしく、寝ている僕のお腹にハルちゃんジャンプが錯列したのだ。
一瞬で起きる事が、出来たが無防備にはヤバかった。
ハルに手を掴まれリビングに行くと、他のメンバーはもう揃っていた。ユイもハルに起こしてもらったみたいだが、ユイは、ほっぺにキスされて起こされたらしい。
ハルは、どんな生活しているんだ。
シェリーの朝ご飯も、凄く美味しかった。昨日あれだけ遅かったのに、尊敬してしまう。
食事中に、ダンジョンの事をマークに聞こうと思って話したら、詳しくは仕事場についてからと、止められてしまった。
食事後直ぐに王宮に行くのかと思ったら、暫くしてから来て欲しいと言われた。
どうやって行くか分からなかったが、シェリーが、案内してくれる事になった。
その為、朝ご飯の後はハルと暫く遊ぶ事にした。ハルは、朝から元気一杯で木刀を振り回していた。ここまでくると遊びでは無くて、稽古に近いんじゃないか。
ユイは、シェリーと片付けを一緒にしてくれていた。片付けをしながら2人の楽しそうな声が聞こえてくる。内容は聞き取れないが、何を話しているのだろう。
片付けが終わった後は、ハルの稽古を面白がって見ていた。
ただ、ハルに
「そこだ。」
「おしい。もう少し。」
とか、掛け声をかけていた。
ハルが疲れたタイミングで、遊びは終了した。僕もシェリー達と飲み物を飲み休憩をとった。
その後、シェリーはハルを連れて僕達を王宮の入り口まで連れて行ってくれた。
ハルは、ユイの手を取り案内してくれていた。
ハルってまだ2歳だよな?
王宮の入り口からは、兵士が案内を代わってくれた。ここでシェリー達とは、暫くお別れだった。
僕とユイは、兵士に案内され、マークの居る部屋まで通された。部屋も豪華だか、この部屋に来るまでの廊下も、凄く見惚れてしまっていた。案内が無ければ、迷子確定だった。
通された部屋は、マーク以外に王様まで居た。
僕は、王様を見た事が無かったので、おっさんが居るとしか、思ってなかった。マークが紹介してくれ、慌てて挨拶をした。
王様の名前は、カイ。50歳を超えた王だった。
マークはカイ王に、僕とユイの事を事前に話しをしておく為、先に来ていたようだ。
カイ王は、僕とユイをしばらく見ていたが、信じられないという顔に変わった。
何を思ったのか、カイ王が丁寧に挨拶をしてくれた。その上で僕とユイに
「王室で、マークと一緒に働いてくれないか。」
と、いきなり言い出した。
僕達はいきなり過ぎてびっくりしていた。
すると、マークが補足説明をしてくれた。
「カイ王は、王族の専用スキルで他人のレベルだけではなく、能力値やスキルも把握することが出来るようだ。事前に話しはしておいたが、実際にるい達を見て確認したようだよ。」
それで、さっき驚いた表情をしていたことを理解した。
僕は、まだ世界を回りたいので、ここで定住することは柔らかくお断りをした。ユイも僕の意見に賛成してくれた。
それでも、カイ王は他の街に所属してしまわないか心配みたいで、説得が続いた。
僕は、マーク達一家がこの街に居る間は、悪いようにはしない事を約束し、しぶしぶ了解してもらった。その上マーク達にはこれまで以上に手厚く接すると言い出した。
マークが今の職位に就いたのも、カイ王のお陰みたいだ。初め職に就いたときは王との面談が無かったため、別の職位に就いたが王を含めた会合の際にマークの能力に驚き直ぐに側近に格上げしたようだった。
この調子だと、マークが悪だくみをすれば、直ぐにこの街を乗っ取れるのではないだろうか。まあ、マークはそんな事考えもしないと思うが。
一通り雑談が済んだところで、本題のダンジョンの話しが始まった。カイ王も同席して確認をすることになっていた。それと合わせて、他の部下たちも数人入ってきた。
まずは、内容を知らない僕とユイに概要説明をしてくれた。
ダンジョンは、ユイと訪れた場所の事だった。
最近ダンジョンの近くでモンスターの出現が増えており、更に今まで出現しなかったモンスターが発見されている。そのモンスターは強く、怪我人が続出してしまっている。冒険者や街の衛兵が対応して、現状は何とかなっている。
最近はダンジョン内を訪れた冒険者も居なく、ダンジョン内に何か変化が無いか、調査を行う為の打ち合わせが設けられたとの事だった。
ダンジョンの近くでモンスターが強くなっている為、ダンジョン内ではどうなっているか分からない。そこで、最強のマークが指揮して、ここに集まった部下たちを引き連れて行く予定みたいだ。
ここに来たばかりだったので、説明を聞き調査の内容をある程度聞くまでは大人しくしていた僕たちは、数日前までそのダンジョンに行っていた事を伝えた。
マークもカイ王も驚きと興味津々の反応だった。昨日もダンジョンの話しは出来なかったので、マークも知らない内容だった。
僕達は、ダンジョン攻略は出来なかったが、ほぼ最深部まで行って帰ってきたことを伝えると、
「2人でそこまで行けるなら、俺らだったら余裕で攻略して来れるんじゃないか。」
戦士らしき部下が話しを遮ってきた。
「馬鹿者。この2人で攻略出来なかった所に、お前たちだけで挑むのは無謀過ぎる。」
カイ王が部下を宥めた。
僕達がダンジョンで遭遇したモンスターの特徴や戦闘内容を説明を行ったが、部下達からは余り信用されていない。今日初めて会ったのだから仕方ないと思う。そこで収納から、モンスターの素材を見せてあげた。この収納は、アーチャー職等が消耗品である矢の保管に用いる小さな魔法収納になっている。シェリーに教えて貰ったが内容量が小さすぎて、食料をユイと手分けして持っている。それと銀路を確保するため、素材を少しだけ入れてある。大きいものが入らないし、無尽蔵に入ることは無いので、食料調達が定期的に必要になっている。
素材を見せ、ある程度納得してくれた人もいたが、先ほどの戦士は、まだ納得がいかず手合わせして欲しいと言い出した。
ダンジョン内の説明が途中になったが、部下達の気持ちが一致していないと話し合いにもならないため、カイ王に許可を頂き訓練場で手合わせをすることにした。
訓練場に行く際も、僕とユイは王宮内をキョロキョロ見渡し田舎者丸出し状態だった。余計に馬鹿にされたかもしれない。
訓練場について、先ほどの戦士がやるみたいで準備を始めた。相手はどちらでもいいと言ってくれたので僕がやろうと思っていたが、ユイが私がやりたいと、さっさと前に出てしまった。
心配だ。
早速手合わせが始まり、ユイが魔法を唱えるのか思ったが、ナイフを片手に切りかかっていった。僕も驚いたが、戦士はもっと驚いており挙句には怒り出した。
「魔法使いのくせに、舐めるな。」
そりゃそうなるわな。
戦士は剣を持ち直し、ユイの攻撃を受け流そうとしたが、ナイフを使う魔法使いに力負けした。いくら戦士の職業能力で補正されていようと、転職を繰り返しレベルも高いユイには、基礎能力と合わせた総合値で負けていた。
ユイは、怪我をさせないようにナイフの柄を体に当てていた。最終的には鎧の上から蹴り飛ばして距離をとった。その上で距離の開いた中間地点辺りに凝縮したファイヤを放ち、火柱を立てて手合わせは終わりとなった。
戦士を含め、部下達は茫然としていた。無論カイ王も放心状態だった。
戦士が僕とユイに謝罪してきたので、戻ってダンジョンの話しの続きをしようと促した。
僕は部屋に戻る前に、ユイが魔法で開けた地面を魔法である程度整地してから戻ることにした。ただ、他の人はユイと一緒に戻ってしまったので、王宮内で迷子になってしまった。途中でメイドらしき人を見つけて案内してもらった。
部屋に戻ると、部下達からユイが尊敬の眼差しで質問攻めにあっていた。少し落ち着いてから、ダンジョンの話し合いが再開することが出来た。
ダンジョン内のモンスターの内容を再度説明し、最深部にもっと強いモンスターが居るかもしれないことも伝えた。
先ほどの手合わせで、意気消沈するかと思ったが、ダンジョン調査に一緒に来て欲しいと頼まれてしまった。
元々、再挑戦しようと思っていたので、付いて行く事に了解した。
僕達も買い出しをしないと食料等の蓄えも無いので、明日は1日猶予を貰い、出発は明後日になった。
部下達が部屋を出ていき、最初のメンバーだけになった。カイ王は、ダンジョンの事宜しくお願いすると改めて依頼をされてしまった。
その上、王族に伝わる収納魔法を教えてくれるという。今の内容量よりも格段に大きいものらしい。普段は、王族の旅などに使うものらしく、一般的には教えていないみたいだ。確かに王族の旅の場合、荷物が凄く多そうだ。
僕達に少しでも恩を売ろうとしているのだと思ったが、僕達は、喜んで提案を受け入れ早速教えて貰うことにした。
これで、食料問題や倒したモンスターの素材ももっと持って帰る事が出来る。
ユイも、明日の買い物がもっと楽しみになったようだ。
相変わらずの不定期投稿ですがよろしくお願いします。
また、評価して頂けると幸いです。




