ユイの決断
半年ぶりに村に戻ってきた。
ほのぼのした村で、前に来た時と変わっておらず、村も畑も今は平和そうだった。
僕は、村を見ながらユイの家に向かった。
家に着くと、元気そうな2人が迎えてくれた。久しぶりに会え、元気そうで何よりだった。
今日は、ユイの家で夕飯と宿泊をまたお願いすることになった。
夕食の準備をユイがしてくれている間に、この半年の様子をお父さんが教えてくれた。
ユイは、僕と別れた後お父さんと話し合いをしたようだ。
ただ、初めは冒険に行くとしか言わなく、話し合いにならなかった。
お父さんとしては、ちゃんと話しをして、最終的には冒険に出るとしても、本気度を知りたかったそうだ。
そこで、お父さんはユイに提案をしたとの事だった。
提案内容は、
1.冒険に行く、行かないの話しは半年間しないこと。
2.畑仕事の基礎スキルを覚え、一緒に仕事をすること。
3.村で、怪我人が出たときは、ユイが直してあげること。
この3つの内容を伝え、それ以外は今まで通り生活をして、るいが来る日を待つことになった。
そして、提案内容を守ってくれたら、るいが来た時にどうするか一緒に話しを聞くことになっているそうだ。
なので、お父さんもユイがどうするか、まだ聞いてないとの事だった。
冒険に行くことになったら、それでもいいか尋ねたら、
「この半年、本当に冒険の事は一切口にせず、家の事や畑の事を一生懸命やってくれた。冒険に行くことになると心配も増えるし、このまま村に居て欲しいとは思うが、ここまでやってくれたユイの決断に従うよ。」
と、心配そうだったがお父さんは、ユイが冒険に出ることをもう覚悟しているようだった。
ユイが準備してくれた、夕飯はとても美味しかった。食べている間は、村の近況報告等を聞きながら楽しく過ごした。
美味しかった食事が終わり、飲み物を飲みながら改めて話し合いが行われた。
最初に、ユイに村に戻って来てくれた事にお礼を言われた。もう村に来てくれないと心配していたようだ。
その後、ユイの今後について話しをする前に、今の僕の事を先に伝えることにした。
前回ここに来た時は、冒険者であることを伝えていたが、職業やその他何も伝えていなかった。
ましてや、今再転職をしてレベルが下がっていることを伝えておかなくてはいけないと思った。
まずは、僕の職業は勇者であること。前回この村に来た時は、レベルが80であった事。そして今転職をして10レベルになっていることを伝えた。
ユイもお父さんも、なぜ転職したのか分からない様で質問攻めにあってしまった。
通常転職することは、能力値的に不利になるので余程の事が無い限り実施しないが、目的があって転職を繰り返していることを、今までの経緯と合わせて、説明を行った。
その上で、今のレベルが10ではあるが、能力値が異常に高いことを説明を行った。
ついでに、今回の転職が最後になることも併せて伝えた。
2人とも、理解したのかしていないのか分からない表情を繰り返していた。
確かに僕も、他の人に初めて説明を行ったが、僕の経歴はおかしすぎる、マークとシェリーが、ずっと面倒を見てくれたから成り立っているだけだと思う。
普通なら初めの職業でレベルを上げ、きちんとスキルや技能を身に着け、新しい職業に転職する。その際は、初めての職業になるので、知らない事も多く、能力も落ちる。そこでまた、努力することで新しいスキルや技能を身に着け成長をするのだと思う。
僕の場合は、能力が落ちて落ちて最低限の所から、マーク達に助けられたのだと思う。
他の人からは、邪道だと言われそうだが逆に助けがなかったら今頃どうなっていたのだろう。
僕も少し考えてしまったので、3人で黙り込んでしまった。
僕は、今後レベルを上げながら、世界を旅することを伝え、この村にはしばらく戻ってこれないことを伝えた。
少し僕の状況が理解できた2人だったが、暫く2人とも黙ったままだった。
少しして、お父さんが
「ユイ、一緒に旅をしたいなら行っておいで。」
「いいの?」
「半年の間、きちんと約束を守ったからね。好きにしていいよ。」
ユイの顔が明るくなり、大喜びになった。
「お父さんありがとう。」
って、僕の話し聞いてた?
「るい、宜しくお願いします。」
「って、いいの僕なんかと旅をして?」
「ユイをお願いします。」
って、お父さんに言われたら断れないよな。
一緒に旅をするってことは、通常のレベル上げだと最終的に強いモンスターの場所には行けなくなるので、僕と同じ道を辿ってもらう事になるけどいいか確認した。
「最強の魔導士になりたい。」
目が怖い。
お父さんにも許可をもらい。2人で冒険に出ることを決めた。
けど、ユイは人助けの為に僧侶になったんじゃなかった?
不定期ながら投稿を続けていきたいと思います。
また、評価して頂けたら幸いです。




