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田舎者弓使い、聖弓を狙う ――村一番の弓使いの英雄譚――  作者: ふぁいぶ


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第25話 冒険者ギルド、ざわつく

今回後書きにこの世界のワード補足があります。

そちらもお読みいただけると嬉しいです。


 ここは王都ライディバッハにある冒険者ギルド。

 冒険者ギルドは全世界に広がっており、王都にあるギルドはラーガスタ支部本部となっている。

 ラーガスタ王国一賑わっている冒険者ギルドで、依頼量も膨大だし報酬も難易度も他のギルドより遥かに上なものが揃っている。

 今日も成り上がりを夢見て活動している冒険者達が依頼に群がり、我先に依頼用紙を受付に持っていく。

 依頼用紙を取るのは早い者勝ちなので、当然ながら喧嘩も日常茶飯事である。


「てめぇ、それは俺の依頼だぞ!」


「知るか、早い者勝ちだろうが!」


「俺が先に触ってたんだ、さっさと寄越せ!」


「何ふざけた事言ってんだ!? 用紙を持ってるのは俺だろうがよ!!」


「こらぁ! 喧嘩しないでくださぁぁぁいっ!!」


 今、ちょうど依頼が貼り出された時間の為、冒険者の数もとんでもない。

 殴り合いをしてしまうと依頼を受け付けてもらえない為、口喧嘩でとどまっているのだが、稀に殴り合いに発展する事もあるからギルドの受付はこの時間は気が気ではない。


 そんな冒険者ギルドに踏み込んだ男がいた。

 背中に大きなリュックと立派な弓を携え、受付に向かって歩いていく。


「……ほぅ」


 とある若い女性冒険者が、その男に見惚れてつい溜息が漏れる。

 他の女性冒険者も彼に見惚れて、視線が釘付けになった。

 それもそうだろう、光沢があり柔らかそうな栗色の髪、顔立ちは整っていて印象に残る燃えるような赤い目、引き締まった体躯で手足も長い。

 そんな男が、美男子とは程遠い男臭い連中しかいない冒険者ギルドに入ってきたのだ、先程までの騒ぎが嘘のように静まり返る。

 王都内でもなかなかお目にかかれない程の美男子に、全員が注目する。

 男が歩く音だけが響き、受付をしていた女性も彼に視線が釘付けである。

 受付のカウンターは三か所あり、その三か所とも女性が担当している。

 三人とも、


(私の所に来い、私の所に来い!!)


 と、強く念じる。

 そして、男は三か所の内の真ん中にいる、やや幼さが残るが胸が大きい女性のカウンターを選んだ。


(やっぱり胸なの、胸なのね!!)


 選ばれた女性は営業スマイルをしつつ、内心では大喜び。

 他の受付女性は血が滲みそうな位強く拳を作り、その女性の胸を恨めしそうに睨む。


「ぼ、冒険者ギルドへようこそ! 本日はどのようなご用件でしょうか?」


 男のイケメン度合いに、ふにゃふにゃした声が出そうになるが流石プロ、しっかりと受付嬢としての仕事をこなしていた。


 そして男の口から言葉が発せられた。


「オラ、冒険者さなりてぇだよ。登録よろすく!」


 容姿とは全く似つかわしくない田舎者丸出しの訛りに、全員がずっこけそうになった。

 男性冒険者達も最初「けっ、イケメンだからって調子に乗んじゃねぇぞ」と思っていたが、訛りを聞いた瞬間、謎の親近感を覚えた。


(ああ、イケメンでも欠点はあるんだな)


 と。

 受付嬢は一度咳払いをして気を取り直し、真面目に業務に戻る。


「かしこまりました。それでは約二時間()程の講習を受けて頂く事になりますが、よろしいでしょうか?」


「……問題ね」


 正直男は二時間()と言われても、時間の概念が全くわからないので、適当に相槌を打った。


「では、こちらの用紙にお名前を記入していただきます。失礼ですが、文字は書けますでしょうか?」


「……いんや。恥ずかしい話だけんど、故郷は田舎でな、文字とかそういうの教えてもらってねぇ」


「あはは、大丈夫ですよ! 田舎でなくても字が書けない方はいらっしゃいます。これからゆっくり覚えていきましょう!」


「んだな、ありがと。優しいんだな」


 男は受付嬢に微笑みかけると、受付嬢の心臓がトクンと高鳴る。

 田舎産の男で、ここまでの美男子は激レア中の激レアである。

 この微笑みだけで、その場にいた多くの女性のハートをしっかり撃ち抜いた。

 本人は狙った訳でなく、無自覚に女性を惚れさせてしまう技術を習得しているのだ。タチが悪い事に。


「で、では……お名前を、お伺いしても?」


 何故か食い気味で男の名前を伺ってくる受付嬢に若干引き気味になりながらも、男はしっかりと答えた。


「オラはリュートだよ。特技は弓だ、よろすく」


「リュートさん……素敵なお名前ですね♡」


「お、ぉぅ? ありがと?」


 リュートは、何故だかわからないがこの受付嬢に危機感を覚えた。

 何か、村の女性達によく似ているような気がする、と。

 リュートにとって、村の女性達から恐怖を感じる程迫られているので、彼女達に似ている受付嬢にも、反射的に心の壁を作ってしまっていた。


「それでは、講習の会場にご案内しますので、私の後にしっかり付いてきてくださいね♡」


「わ、わかっただ」


 受付嬢の後ろに付いていくリュートだが、この受付嬢、やけにお尻を振りながら歩いている。


(……どっか身体悪いんだか? やけにケツ振ってるけんども)


 いいや、リュートへアピールしているのである。

 だが残念、リュート本人には全く効いていないアピールだ。

 

 とりあえず、不気味に思いながらも受付嬢の後ろを付いていったのだった。


〇リュートの女難

 リュートは生まれながら、非常に優れた容姿を持っている。

 その為、村の若い女性達はほぼ全員、リュートと結婚する為に花嫁修業に励んでいた。

 時に苛烈なアピールをしたり、既成事実を作ろうと寝込みを襲われそうになるのだが、狩りで研ぎ澄まされた感覚のおかげで、無事に危機を回避出来ている。

 さらに友達だと思っていた男からも「今夜、俺の家に来ないか」と、やけにねっとりした声色で誘われた事もあり、何故か全身に鳥肌が立って、命ではない別の危険を感じ取って誘いを断ったりしている。

 そういった出来事が多いせいか、リュート自身色恋沙汰から一線を引いている。

 基本的に自分の目標である聖弓(せいきゅう)を得る事が最優先事項の為、色恋は邪魔に感じている節もある。

 だが、行く先々で無意識に女性を惚れさせている為、今後も女難は続いていく……。


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よければそちらもお読みください!

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