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田舎者弓使い、聖弓を狙う ――村一番の弓使いの英雄譚――  作者: ふぁいぶ


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第132話 眠る前に……


「すげぇ、力が溢れてくる」


「ああ、わかる。より強くなったのがわかる」


「私も強くなれてます、うん、わかります!」


 ラファエル、ゴーシュ、トリッシュの職業が進化した。

 その事によって、視力、魔力以外の能力がAに固定された。

 三人の今の心境を、無形シリーズは高く評価して進化しても良いと判断したのだ。

 

「確実に貴方がたは強くなりました。ですがご注意を。貴方がたが選んだ職業は退化がある。つまり、慢心により進む道を見誤ると致命的に弱くなります。一生職業……いえ、自身と向き合わなくてはいけません。それだけはお忘れなきよう」


 カズキが浮かれ気味な《黄金の道》全員に注意をした。

 そしてはっとした三人は気を引き締め直す。


「そうだったぜ。オレ達が選んだ職業は、そういうやつだった。あぶねぇ、また前みたいな事になりかねなかった」


「……俺もだ。気を付けないとな」


「私も、より一層気を付けます!」


 三人が気を引き締めた事を確認すると、カズキは満足そうに頷く。

 きっとこの三人なら、職業を退化させるような事はしないだろうと確信が持てた。

 

「職業進化、大いにめでたい! これは攻略した時に皆で飲もうとしたが、気が変わった! 最近手に入った極上のワイン二本だ! 皆で飲もう!」


 突然、ハリーが立ち上がり声を張り上げる。

 そして自分のバックパックからワインを二本取り出す。


「おいおい、戦闘中に割れたらどうするつもりだったんだ?」


 ガンツが呆れてハリーに問う。


「このバックパックは中に振動を一切与えないという能力がある魔道具でな、割れる心配はない!」


「それ、絶対に高い奴だろ……。まぁ、今は酒が飲める事に感謝しよう」


 こうして、中ボスの部屋の前で火を焚き、それを皆で囲んで肉を食べながらワインの味に舌鼓をうった。

 皆で騒ぎ、時には歌い、肩を組んで語らい。

 ダンジョン内で宴会をやってしまっていた。

《黄金の道》も非常に楽しそうで、皆から仲間と認められて一緒になって騒いでいた。

 ラファエルは思う。


(嗚呼、石等級まで降格してよかった。初心を思い出し、仲間の大切さを知り、こうやって皆と騒ぐ楽しさを思い出せた。オレは二度と、同じ轍は踏まねぇ!)


 これから先、とんでもない困難が待ち受けているかもしれない。

 だが、最後まで絶対にやり遂げる。

 やり遂げた先に、自分達が進む道があると確信しているから。


 皆不安な顔は一切ない。

 全員が職業を得た今、この皆となら絶対に切り抜けられる、そう信じているから。

 宴会は、メンバー全員の信頼を更に深めていった。








 宴会も終わり、各自のテントで睡眠を取ろうとした時だった。


「りゅ、リュート!」


「リュートさん!」


 リュートも自分のテントに入ろうとした時、背後から声を掛けられた。

 振り返ってみると、そこにはエリーとカズネがいた。

 だがいつもと少し様子が違って、そわそわしている様子だ。


「どした、二人共?」


「えっとさ、リュート。もしダンジョン攻略したら、その後私達に時間、くれないかな?」


「時間? 全然いいだよ。何かやりてぇ事でもあんのか?」


「……うんと、まぁ。リュートに大事な話が、あるんだ」


「……です」


 酒を飲んだからなのだろうか、彼女達の頬は紅くなっている。

 

「おめぇ達二人だったら、いつでも時間を作るだよ。なら、さっさとここを攻略すっか」


「うん!」


「はい!」


 どんな話があるのかは全く想像できないリュートだが、エリーとカズネには全幅の信頼を寄せている。

 それにもしかしたら何か相談事があるのかもしれない。

 仲間に頼られるというのも、嬉しいものであった。


 が、リュートの予想は全くの見当外れ。

 エリーとカズネは、ダンジョンの攻略が完了したら、リュートに対して告白をしようとしていたのだ。

 実は宴会の時に二人はこそっと話し合ったのだが、このままだとリュートの中で『大事な仲間』のままで仲を深めてしまうのではという恐れがあった。

 ならば先に告白をして好意を伝え、少しずつ異性として意識をしてもらおうという考えに至ったのだった。

 話を聞いた限り、リュートは一度も告白をされていないらしい。

 無理矢理既成事実を作って、彼を自分のものにしようという考えを持つ女性ばかりだったのだそうだ。

 ……恋愛より性欲が勝ってしまったのだろうか。

 だから、今の内にしっかりと好意がある旨を伝えれば、「あっ、今までの女性と違う。好いてくれている」と思ってくれるのではないだろうか?

 二人は話し合いの結果、一緒に告白をして同じスタートラインに立とう、そこからお互いにアプローチを掛けてリュートに選んでもらおう、そのような協定を結んだのだ。

 その中で、絶対に襲わない事、リュートが嫌がる事はしない、というルールもしっかりと決めたのは言うまでもない。


「じゃあ明日も頑張ろうね、リュート!」


「私も頑張ります。沢山頼ってください、リュートさん」


「ああ、頑張ろう。そんで、頼りにしてるだよ」


 リュートは柔らかい笑みを浮かべ、そう言い残してテントに入っていった。

 凄まじい破壊力がある彼の笑みの直撃を食らった二人は、その場に崩れ落ちた。


「「……その笑顔、反則ぅ♡」」


 笑顔だけで、恋する乙女二人を腰砕けにしてしまったのであった。


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