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田舎者弓使い、聖弓を狙う ――村一番の弓使いの英雄譚――  作者: ふぁいぶ


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第13話 ザナラーン、滅亡


 時は遡る事数時間前。

 簡潔に言おう、ザナラーンは百名を超える盗賊によって滅亡した。

 しかも質が悪い事に、普通に旅人を装ってザナラーンに侵入し、そして一斉に動き出して町の人を皆殺しにしたのだ。

 この時はタイミングが悪い事に、ザナラーン東部で発生したゴブリンの大群の対処に追われていて、町を守る人間は数人でしか行われていなかった。

 さらに残念な事に、町を守る人間は防衛のプロではなく、腕っぷしにちょっとだけ時間がある町人だったのだ。何か町でトラブルがあっても対処が出来なかったのだ。


 しかしこの盗賊たちは非常に賢く、争った形跡を見せずに皆殺しにしたのだ。

 まるで暗殺者のように。

 何故、このような面倒な殺し方をしたのか。

 理由は簡単で、ゴーストタウンと化したザナラーンに戸惑いを見せている旅人を襲っては殺し、金品を強奪するように企んだからだ。

 もし争った形跡が残っていれば「ザナラーンは危険な状態だ」と思い、そもそも町には入ってくれないだろう。

 だったら「人の気配がないけど、どうしたんだろう」程度の疑問を残す程度にしておいた方が襲いやすい。

 勿論、察しのいい旅人はザナラーンに入る事なく迂回をしたのだが、それでもリュートが来るまでの間、四名程の旅人が犠牲になった。

 ちなみに現在、ザナラーンにいる盗賊は約十名程度しかいない。

 町の金品を強奪していったが、量が多かったので何度か往復しないといけなかった。

 その為、大半の盗賊たちは戦利品をアジトに持ち帰る為に駆り出され、旅人を襲う役として十名程度町に残したのだった。


 そして、リュートも運悪く、盗賊たちの獲物として目を付けられてしまった。


 リュートの背後から忍び寄る盗賊。

 手にはしっかりと手入れが行き届いている短剣。

 リュートと盗賊の距離は、もう大股で五歩歩けば届く距離だ。


 盗賊が一気に距離を詰める。

 そこで、背後からの殺気を察知したリュートは、遅れは取ったものの反射的に矢筒から一本矢を取り、背後の盗賊に身体ごと正面に見据えた。

 そして、身体を盗賊の正面に見据えた際に発生した遠心力をそのまま利用し、矢を盗賊のこめかみに深く突き刺す。

 盗賊の口から「ぐぺっ?」と情けなくて短い断末魔が漏れ、そのまま地面に倒れた。

 リュートは盗賊の死を確信した直後、近くの建物の影に隠れた。

 すでに弓に矢を当てがって、いつでも射れる体勢を取っていた。


(咄嗟に殺しちまったが、別に構わねぇよな?)


 実はリュートは、人殺しは初めてではない。

 まず村の掟として、「村人以外の人間が狩りをしていたら、排除しろ」というものがあった。

 リュートが住んでいた村は、魔境の森と言われる所だった。

 非常に強い魔物が出て、木材も他の地域の森のものよりも堅かったのだ。

 その為、決死の覚悟をもって密猟者が現れる。

 密猟者は森を荒らしてしまうので、狩りを生業としているリュートの村人達は、密猟者のせいで食料が減ってしまう危険性があった。

 その為に出来た掟だったりする。

 リュートもその掟に従って、数度密猟者の軍団を単騎で壊滅させた事があった。

 当然最初は人を殺す事に抵抗があったが、それで食料が減ってしまっては自分達が餓死してしまうので、割り切ったし人を殺す事に抵抗はなくなっていた。


 今回は盗賊相手だったが、抵抗しなければ自分が殺されていたので、今回も特に人殺しをしたという意識より、自己防衛したという意識の方が高かった。


(……どうすっぺか。後何人か潜んでいる奴がいるみてぇだけんど……)


 長年の狩り生活のおかげで、気配を敏感に感じ取る事が出来るリュートですら、明確な気配を探れない。

 つまり、襲ってきた人間は相当やり慣れてるんだろうとリュートは判断した。

 そしてふと、真後ろから突然人の気配がした。

 明確な殺気だ!


 リュートは瞬間的に前方の地面に倒れ込んだ。

 ただ倒れ込むのではない、地面に触れる直前に身体を捻り、仰向けになるように倒れ込んだのだ。

 案の定、盗賊が建物の窓から顔を出してリュートに斬りかかろうとしていた。

 リュートが倒れ込んだおかげで、盗賊の短剣は宙を斬って大事に至らなかった。

 そして反射的にリュートは矢を射って、襲ってきた盗賊の眉間に矢を命中させた。

 貫通した木の矢は脳漿をぶちまけ、盗賊を即死させた。


(なんだこの町は? 都会はこんな事をする奴等が多いんだか? オラにはよくわからん)


 盗賊という存在を知らないリュートは、都会版密猟者か噂のチンピラなのかと判断してしまった。

 リュートはその場に荷物を静かに下し、足音を立てないように靴を脱いで裸足になった。

 リュートも無駄な雑念を消して、今起きている異常事態に備えた。

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