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失った記憶を異世界で探す旅  作者: くろたまご。
第1章 人の居る場所へ
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第5話 運ばれた男

メンタルが参ってしまって遅くなりました。いやほんと申し訳ない……気楽にサクッと読める文体で暇な時間にちょっと読む、をモットーに続けていけたらいいなぁと思っております。

 どうしたもんか。

 この勘違いをどうまとめて落ち着かせようか。

 いや、ほんとどうしよう。


――――――


「えっと、あの」


 スキンヘッドのおっさんに運ばれてきたのはこの世界でもその名を冠しているのであれば教会、と言う所だろう。そこに俺は担ぎ上げられて運び込まれ、そのまま長椅子に寝かされスキンヘッドのおっさんと薄い桃色の髪をした少女に服を脱がされようとしていた。


「動くなよ、傷が深いだろうから一旦脱がすぞ」


「怪我人なら怪我人だって言ってから開けて下さい!びっくりしたんですからね!」


 そんなやり取りを寝かされたまま見上げつつ聞いていたが流石にそろそろ割って入れるタイミングだろう。と言うかここで割って入らないともっと拗れる。そんな気がした。


「あの!待って!脱がすのちょっと待って!」


 そう言いながら二人の腕を掴む。


「だから!無傷なんですってば!無傷!これ返り血!」


 腕を掴んだままそれを支えに立ち上がる。元気な証拠を見せるために軽く飛んだりすると二人共目を丸くした。


「は?お前それ、えっ?傷は?」


「無いです」


「け、怪我をしたのでは?」


「そう言おうとしたら問答無用で担がれてここに連れて来られたんです」


 そんなやり取りをしていたら全員黙り込んでしまった。この均衡を破ったのはシスター服を来た少女だった。


「じゃあえっと、その血……は?」


 恐る恐る俺の服を指差して言う。


「あ~、これはさっき言ったように返り血で、何て言うかその大きい犬に襲われてですね」


 弁解しようとするもここで問題が発生する。


「イヌってなんでしょう?」



「イヌって何だ?」


 二人揃って首を傾げる。俺自身は記憶が怪しいものの犬がどんな生き物かは覚えているらしく、形も見た目も種類もある程度思い出せるのだが、この二人は全く知らない。知らないどころか聞いたことがない、そのレベルで想像出来てないらしい。


「……犬をご存知でないので?」


「全く。聞いたこともないぞそんなの。魔獣か?」


「……魔獣?なんだそれゲームじゃあるまいし」


「げぇむ?それが何か私には分かりませんが貴方は本当に魔獣を知らない、のですか?」


「いやこっちが聞きたいよ。魔獣ってアレだろ?本とかの物語に出て来る感じのモンスターってやつでしょ?」


「そりゃまぁ話に登場したりはするが実際にいるだろ?」


「んな馬鹿な。見たことねぇよそんなの」


 お互い言葉は通じるのに認識に大きな差があり、まるで会話が進まない。そこでまたシスター服の少女が間に入り順を追って問うてくる。


「あ、あの。怪我をしてない、と言うのは事実ですか?」


「あぁそれは間違いない。怪我は、擦り傷ぐらい?」


「ではその血はどこで?」


「だからさっき言ったように平原歩いてたら犬……そうか分からないのか。じゃあ、ウルフ。狼?獣?四足歩行のさ大きいやつ」


 そう言うと理解できる言葉があったのか、かなり顔を近づけて更に聞いてくる


「その獣は、どうしましたか?」


「え?襲ってきたからその……返り討ちに?」


 言葉を聞いてスキンヘッドと顔を見合わせる。先程の慌ててるのと違い、どこか真剣そうな表情で少しの間話をしてスキンヘッドがもう一度訪ねてきた。


「坊主、本当にその獣を仕留めたんだな?」


「仕留めた。と言われると語弊はあるけど確実に命は奪ったと思う、頭を刺されて生きてるような生き物だったのなら奪えてないかもしれないけど」


「わかった、その件で少し話を聞きたい。それと今日はもう日が落ちるし急ぎの用事が無ければこの村に泊まってもらえると助かるんだが……どうだろうか」


「それは此方としても聞いてもらいたい話もあるから願ったり叶ったりだけど、残念な事に一文無しだ。それは大丈夫で?」


「大丈夫だ。なぁにそう緊張しなくていい、お前さんが言ってたイヌ?とか言う四足歩行の獣は恐らくシルバーウルフ。そいつにこの村の農家やってるじいさんが襲われてな、それから被害が増え続ける一方で困ってたんだ。怒ってるんじゃない感謝してるんだよ、だからそんな身構えんさんな」


 こっちが緊張しているのが伝わってしまったのか、そう言って笑いかけながら話しかけてくる。そしてシスターの方も


「でしたら私もお礼を兼ねて同席させてもらえますか?皆さん困ってらした悩みのタネが解決したわけですし、それに……この方は本当に魔獣を知らないようでした。少しお話を聞いてみたいのです」


 スキンヘッドは勿論頷き、俺もそう言われたらその事について聞きたい此方としても断る道理など無く、むしろ喜んで承諾した。


――――――


屋根のある場所。

美味しい料理。

聞いた事無い単語が飛び交う会話。

変わる常識。

寝させてくれない夜。


人間、好奇心には勝てない。

久々の物書きだったので完全に忘れてしまいそうになってましたが如何でしたでしょうか。そろそろ空気的に区切りを付けていきたいのですが未だに区切る編集点を見つけられずにいます。

気軽に評価やコメントを貰えると嬉しいので良かったら是非よろしくお願いしますね

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