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失った記憶を異世界で探す旅  作者: くろたまご。
第1章 人の居る場所へ
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第4話 村へたどり着いた男

ちょっと間が空いてしまいましたが投稿出来ました。

今回も相変わらずコメントなりしてくれると嬉しいと思っている旨を伝えると共に、本文の最後に書いてる所がじゃっかんネタに走った感ありますがこう言うのもいいかなぁと思った次第です。


よかったら気楽にサラッと見ていってくれると嬉しいです。

血の匂いがする。

酷く血で身体がベタつく。

手に残っている。

命を断ち切った感触が。


――――――


「気持ち悪い」

 素直な感想だった。身体は別の生き物の血で汚れ、辺りに血の匂いが立ち込めているからと言うのもあるが『何故自分がこんな事が出来るのか分からない』その部分が一番気持ち悪かった。


「何で俺、あんな生き物の首の折り方知ってるんだ……それに脚を斬ったのだって避けたのだって俺の意志じゃない。身体が覚えていると言うか、身体が勝手にそうすることを記憶している感じだった」


 独白のように息絶えた大型の狼のような獣の亡骸を見下ろしながら呟く。しかし時間が無いのはこっちも同じだ、既に辺りは薄暗くなり始めている。今回は一匹でよかったが夜になれば辺りは真っ暗になるだろう、そうなれば躱すどころか地の利が無い自分では狩り殺される事もあるだろう。先程自分がしたように、今度は此方がされる番になる。


「それだけはゴメンだ」


 それだけ言ってその場を後にし歩き始める。まだ集落は見える、まだ完全に日が沈んだわけではない。まだ間に合う。


「俺は生きるぞ……死んでたまるか。少なくとも現状を知るまで死ぬつもりは無い」


 自分に言い聞かせるように言葉に出しながら歩く。このよく分からない平原に来てから歩きっぱなしだ、歩いて登って下って戦って、また歩く。

 そこから時間にして三十分程だろうか、集落の入り口?の門の前に付いた。四方に門があり夜はそこを閉じるのだろう、四方の門以外は2m程の塀で囲われている恐らくそうして守りを固めているのかもしれない。門が空いていた為まだ門を閉める時間ではなかったのか普通に門をくぐることが出来そうだ、そう思った時だった。


「おいそこの坊主!何があった!?」


 一際デカい声が響き渡る。それと同時にガタイの良いスキンヘッドの男が凄い勢いで走ってきて俺を担ぎ上げる。あまりの出来事に先程と違って回避することすら叶わず気がつけば俺は肩に担がれていた。


「何しやがる!おい!」


「早く治療しなきゃマズいだろう!うちのは大きな村じゃねぇが、教会に神官見習いのかなり腕の良い聖職者様がいる。安心しろ治るはずだ!」


「いや俺は怪我は……」


「良いから黙ってろ!もうすぐだ!」


 俺を完全に怪我人だと思っているこのスキンヘッドは怒鳴りながら教会に向かっているらしい。そりゃ確かに返り血で服の色が凄いことになってるし歩き疲れてちょっとふらついてはいたが見ず知らずの人間にここまでしようとするとは。


(しかしこの男、60キロ無いにしろ50キロ台はある俺を簡単に担いで普通に走っている。凄まじい体幹と筋力だ)


 完全に反論することを諦めた俺はそんな事を考えながら黙って運ばれることにした。


「ついたぞ!よく持ちこたえたな坊主!」


 そうスキンヘッドは言って教会の扉を勢いよく開け放つ


「何事ですか!?」


 扉を開け放ったスキンヘッドに向かって驚いた顔をしながら振り向いたのは、薄い桃色の髪色をした少女だった。


――――――

村にたどり着いた。

スキンヘッドに担がれた。

教会に連れて行かれた。

聖職者と聞いてどうせごついおっさんだと思った。

以外にも女の子だった。

ちょっと癒やされた。


さて、このスキンヘッドの誤解をどうやって解こうか……。

その次にやるべきは……情報を得ることだ。

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