1/3
プロローグ
食物連鎖と言う言葉がある。
生物が自らより下位の存在を糧とし、
上位の存在に食される
そんな循環をこの言葉は表している
では「生物」と言った単語を耳にした時
人は何を思い浮かべるだろう?
ぼんやりとした哺乳類のような輪郭が浮かんだ者や
森や草むらに潜む虫が浮かんだ者が大多数だろう。
あるいは自らの所属する人間が、
思い浮かんだ者もいるかもしれない
しかし、植物が浮かんだものは少ないのでは無いだろうか?
植物が生物である事は紛れもない事実だ、
むしろ生物と言われたら大きく言うと
「植物」と「生物」の2種だろう
「犬」や「猫」が答えられるなら
「桜」や「セイタカアワダチソウ」
なども等しく
この質問の答えとしてあるべきではなかろうか?
話を戻そう、食物連鎖の話だ
言うまでもなく
植物はそれの最底辺に位置している
人はただ風に揺られる彼等を、
1番身近にいる彼等を、
自らと同じ「生物」とは、あまり感じないのではないだろうか?
これは人類を幾度と無く救ってきた糧、
そして「不遇の友」
そんな植物の、
もう一つのあり方の物語である。