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6話 ブロッサムさんと報酬

外に出ると、さっきまで捕まってた人たちがすぐ近くに座っていた

そして、俺たちを見つけるとすぐに寄ってきた


「この度は本当にありがとうございます......申し遅れました。私はメアリー・ブロッサムと申します。こちらは私の娘のミュゼとミラです。」

「えっと、私がミュゼです。助けてくれて、本当にありがとうございます!」

「私、ミラなの!お兄ちゃん、助けてくれてありがとうなの!」


お、お兄ちゃん!?

...悪くないな

この瞬間、修羅はロリコンになったのだった...

そして口調を戻した


「礼には及びません。僕達もクエストでここに来ただけてすし」

「いえ、そうだとしても私たちが救われたことには変わりないのですから。お礼をさせてください」

「いやいや、そう言われましても...あ、そうだ...」


とりあえずなぜ捕まったかを聞いてみた

メアリーさんはシングルマザーで、子供二人を女手一つで育ててきたそうだ

そんな時昨日の昼頃にいきなり元夫が現れて、やり直したいと言ってきた

メアリーさんもまだ未練が残っていたので、その話を受けようと思ったが、その日の夜に盗賊が襲ってきてしまった

その時、夫が微かに笑っているのを見たそうで、メアリーさんは自分が騙されたことに気がついたそうだ

それで、自分達はもう奴隷になるしかないと覚悟を決めようとした時に俺達が来たって感じらしい


「それは災難でしたね...」

「はい...しかもその時、元夫に家のお金をすべて奪われてしまったので、どちらにせよ奴隷になるしか生きる道がないんです」


そういうことか...なら


(翠、ちょっと提案なんだけど...)

(いいよ)

(...まだ何も言ってないんだが)

(この家族を私達で引き取ろうって提案でしょ?)


...よくわかるな


(だって修羅くんのことだもん)

(心読まれた!?)

(修羅くんの心を読むなんて造作もない事だよ?)


...怖ぇわ


(ま、わかってんならいいや。ありがとな)

(えへへ)


ということで


「メアリーさん、もしよろしければ僕達と一緒に来ませんか?」

「え?」

「僕たちはまだ冒険者になったばかりで、あまりお金も稼げないと思いますが、困っている人をほっとくなんてことできません。なので、一先ず俺達と一緒に生活しませんか?」

「で、でも...」

「安心してください。奴隷にするつもりはありませんので。何ならここで契約書作ってサインしてもいいですよ?」

「いいい、いえ!そんなことをして頂かなくても...わかりました。私達だけで生活していけないのも事実ですし...迷惑をおかけしますが、これからよろしくお願いします」

「こちらこそ」


よし、じゃあ戻るか


「おぉい!俺のことを忘れてんじゃねぇ!」


ん?あぁ、盗賊頭か


「俺をどうするつもりだ...」

「憲兵に差し出すだけですが?あ、名前は?」

「言うかボケェ!」


あっそ、まあいいや

街に戻ろうか


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


俺たちは来た時と同じ時間をかけて、ギルドまで戻ってきた

ちなみにギルドに戻る前に、憲兵に盗賊頭を差し出したら少し驚かれた

それと、アリアドネは用事があるってことでどっかいった

...試験官なのにいいのかなぁ?

メアリーさんと一緒に入ろうと思ったけど、絡まれても厄介なので、翠に護衛をしてもらって、一人で入ることにした

中に入ると、試験の審判をしてくれた人が受付に立っていた


「すみません、クエストの報告に来たんですけど...」

「ん?あぁ!帰ってきたの!...やっぱり雰囲気変わったねぇ、殺ったの?」


話し方がフレンドリーになってる

こっちが素なのかな?


「ちゃんと盗賊頭は憲兵に、それ以外は全員殺りましたよ?」

「ホント!?...まさか全員殺るとは思わなかったけど、まぁいいわ。じゃあ報酬として...まずはギルドカードね」


これがギルドカードか...



冒険者名前 シュラ・ツクモ

ランク SS

残金:0(ジュエル)



書いてある文字は漢字じゃないけど読めるな...

これも転移の時の副作用かな?

言葉もわかるし


「これで身分証明ができるから、大事に持ってないとダメだよ?それと、お金もギルドカードで保管することが出来るから」


お金を!?

...そういえば残金って書いてあるな


「どうやってやるんですか?」

「銀貨とか銅貨を、ギルドカードに乗せるだけだよ」

「なるほど、簡単ですね」

「報酬のお金も、ギルドカードを渡してくれれば、そのまま入れるから」

「取り出す時にはどうすればいいんですか?」

「ギルドカードを持って、『テイクアウト』って言えば、出てくるよ。お店で買い物をする時には、ギルドカードでの支払いもできるし。そういえば、支払いの時に『アオン!』って音がなるよ」


〇A〇Nか!!

ちょっと惜しいけど!


「ギルドカードの説明はこんな所ね。次に、クエスト自体の報酬のお金よ」


どれどれ...金貨がめっちゃある!?


「...これって、多くないですか?」

「ううん、普通の報酬よ?元々はAランクのクエストだしね」

「え!?じゃあなんで試験官の冒険者がCランクなんです?」

「あぁ、アリアドネのことね?アリアドネは元々Sランクだったんだけど、ギルドカードの更新を忘れてたらしくて、Gランクに戻ってたみたいで...」


...ご愁傷さまです


「まぁそんなわけで、意外と抜けてるところがあるのよね...でも実力が伴ってるから、試験官になってるってわけ」

「なるほど、納得です」

「ということで、報酬はギルドカードとこのお金ね。他になにか聞きたいことある?」


聞きたいことかぁ...そういえば


「銅貨一枚で何Jですか?」

「それも知らないの?あれだけの実力があって?」


呆れられた...


「まぁいいわ、銅貨一枚で1J、銀貨一枚で100J、金貨一枚で10000Jよ。中には白金貨っていう一枚で1000000Jとか、魔金貨っていう一枚で100000000Jとかもあるみたいだけどね」


普通はお目にかかれないやつってことか


「他に質問は?」

「えぇっと...家ってどのくらい貯めれば買えます?」

「確か...安い家で金貨二十枚くらいだったはずよ?」


安っ!?でもラッキー!


「わかりました、ありがとうございます」

「いいのよ、それがあたしの仕事なんだから」

「...そういえば、お名前はなんて言うんですか?」

「あれ?言ってなかったっけ?あたしはロロよ」

「ではロロさん、また来ますね」

「はーい、今日はお疲れ様」


そう言って俺はギルドを出た


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


外に出ると、四人がなにやらガールズトークをしていた

...何を話してるかは聞こえないから割愛するわ


「あ、修羅くん!終わったの?」

「あぁ、報酬貰ってきたぞ」

「それで?私のギルドカードは?」

「ちゃんと貰ってきたぞ」


俺は翠のギルドカードを翠に渡した



冒険者名 ミドリ・ヒイラギ

ランク SS

残金:0J



まぁ俺と変わりないよな

お金も俺が持ってるし

とりあえず、ロロさんがしてくれた説明を翠にも簡潔に説明した


「...ということで、翠と俺のギルドカードにお金をしまうか」

「わかったよ!」


そう言って、俺たち2人はお金を半分こしてギルドカードにしまった

残金を見てみるか...



冒険者名 シュラ・ツクモ

ランク SS

残金:191000J


冒険者名 ミドリ・ヒイラギ

ランク SS

残金:191000J



おぉ、だいぶ稼いだな

最初が一人金貨七枚、銀貨五十枚だったから

元々一人75000Jだったんだよな?

で、宿屋と武器屋で金使って、報酬来た感じだから...

報酬が金貨三十枚と銀貨三十五枚だったのか?

普通って言ってたけど、めちゃくちゃ多い気がする...


「さっき聞いたら家って安いやつで二十万くらいで買えるらしいから、あと少し貯めて、家を買いましょうか」

「「「え!?」」」

「いいね!」

「「「いいんですか!?」」」


自分の稼いだ金だしな

ただ...


「この国では買わないですけどね」

「「「「え?」」」」

「詳しくはあとで話しますから、とりあえず宿に戻りましょう」


四人は不思議そうにしていたが、とりあえず無視して宿に向かった

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