表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
交渉狂舞  作者: 大友仙城
8/8

運営への質問

運営ボタンを押すと、さらに2つのボタンが出現した。『call』ボタンと、『mail』ボタン。恐らく、このゲームを運営している奴らにつながる、ということだろう。それが人間なのかどうか定かでは無いが。


俺はひとまず『mail』ボタンを押した。


結局はどちらを押したところで変わらないだろうが、『call』ボタンの方が深く繋がってしまいそうで、そちらを押すのは躊躇われた。


ほんの僅かな警戒心がまだ、存在した。


画面に現れたのは、何の変哲もない、メール画面。送信相手はもちろん運営以外は選択できない。


『ここに連れてこられた人間はどういう基準で選ばれたのですか?』


まずは、こう書いて送った。いきなり本題に踏み込んでるが、相手がまともな人間ではないだろうということで、俺も少しイレギュラーな書き方をしてしまった。


3分経たないうちに返答が来た。


3分。何の3分だろう。わざわざ打ち込んでいるのか?とすると相手は人間なのか?


はたまた高度な機械が返答に時間をかけていたり、人間以外の知的生命体が返答していたりするのか?


とりあえず返答を読む。


『健常な日本人を無差別に50人選んで集めました。完全に無作為です。』


なるほど。もっとも予想しやすかった回答だ。


『では、何故日本人を50人集めて脱出ゲームを行う必要があったのでしょう?目的は何なのですか?』


またも3分経つ前に返答が来た。


『それにはお答えできません。』


目的は明かさなかったか。教えてもらえないものもある、ってとこか。


あとは、何を聞こうか。


疑問がふと浮かんだ時は質問しなかったことを悔やむのに、いざ質問する場面になると浮かばない。バイトの面接を受けた時なんかもそんな感じだった気がする。


15分くらい経つと、俺は質問を探すのに疲れ、ベッドに横になった。


なんとなく横になるだけでこうもすぐにアイデアというものは浮かび上がって来るものだろうか。


俺はすぐに運営への質問を用意した。


『最後に残された1人はどうなるんですか?』


『それにはお答えできません』


俺は「チッ」と舌打ちをして、再びベッドに横になった。今度はまぶたを下ろしながら。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ