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交渉狂舞  作者: 大友仙城
7/8

部屋と携帯

さて、すでに昼過ぎ。少し小腹も空いてきた。すでに残りの所持金は1万円。これ以上減らすといざという時に対応できないかもしれない。『ゲーム』が始まるまでこれ以上の交渉は避けることにした。


まず、俺は売店のようなコーナーに行ってみた。その部分にはレンタルビデオ店などでよく見られるような、感知器が付いていた。


すぐそばに張り紙がしてある。


『物をとってここから出ればその時点でT-phoneから自動で金額が支払われます。』


なるほど。これによって無人で物を売るということが可能になっている、というわけか。


俺はウインナーの挟まったパンと、イチゴジャムの挟まったパンと、500mlの牛乳を買って出た。


T-phoneの数字は9667に減っていた。333円。まあ、よくあるコンビニくらいの金額か。


俺は自分の「部屋」に行ってみることにした。扉の前に、小さく「暁月陽平」と書かれた金属の板が貼ってあった。もちろん取り外せない。ドアノブの上に、小さな機械が付いていた。どうやら、ここにT-phoneをかざせばいいようだ。T-phoneをかざしてみる。


「ガコッ」


鍵の外れる音がした。俺は中に一歩踏み出した。光はなく、何も見えなかった。手探りでスイッチを探しだす。部屋は明るく照らされた。


ふむ........


よくあるマンションやアパートに似ている。家具なども一通り揃っているようだ。トイレ、風呂も付いている。かなり快適に過ごせそうだ。本棚には、俺の部屋にあるのと同じ漫画や小説、DVDなどが置かれていた。しかも新品で。ここまで調べられてるとなると若干の薄気味悪さを感じる。


ここまでは普通の部屋だが、普通の部屋とは明確に異なる点がある。


窓が無い。まぁ、このゲームの主催者は俺たち参加者をこの中に閉じ込めておきたいだろうから、当然といえば当然だ。


窓が無いですしということは、当然ベランダも無い。しかし窓が無いというだけで幾分窮屈に感じる。個人的に広い部屋はあまり好きじゃ無いので、別に俺は構わないが。


とりあえずベッドに座って、パンを食べながらT-phoneを触る。ゲームが始まってしばらく経ったが、まだこの機械の機能を知らない。これを理解するとしないとでは脱出の可能性も変わってくるだろう。


まずは壁紙だが、常に俺の所持金が表示されている。今なら9667。


そしてアイコンがいくつかある。左上から、電話、チャットメッセージ、カメラ、便利機能。そして、運営、というアイコン。


まずは、全く想像のつかない「運営」というアイコンを押してみることにした。

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