四季折々色彩
読まれる方には、ダークと感じたりファンタジーに感じたりと、十人十色な捉え方の出来る短編かと思われます。
春は桜。桜色に。淡い淡い桜色に。
夏は花火。多彩な色に。濃く濃く鮮やかな色を。
秋は紅葉。橙色に。濃く濃く、しかし単色では物足りないから紅色も織り混ぜて。
冬は雪。白。ただただ白く。しんしんと降る雪が目の前を真っ白に染める。ただ、ただ、白く。
見上げるとそこには青い蒼い空に、白く白い雲が浮かんでいる。
「あ…鳩…」
白い鳩が飛んでいる姿が見えた。
「今日も平和だ」
『 』はそう二言呟いた。
何秒、何分、何時間、何日、何年ーーーー
どれくらいの時間が経過しているのだろうか。
此処は正方形の壁の中。
四枚の壁に四季を彩った。
『 』の創り上げた箱庭。
四方の壁を描き終えた『 』は、仰向けになり、ただ、ただ、青い蒼い空を眺めた。
ーーー青に。蒼に。碧に。吸い込まれて行くーーー
手を差し伸べると届きそうな白く白い雲。
「あ…また白い鳩…」
「今日も平和だ」
またそう呟いて『 』は仰向けのまま手を差し出して瞳を閉じた。
それから幾多の四季が回ったのだろうか。
箱庭の四方の壁には『』が描いた四季の画。
ー!?ー
四季の画を上塗りするように、これまでにない幻想的な色彩で、玄武、青龍、朱雀、白虎が描かれている。
見渡す限りの様々な色合いの『』の箱庭には、ぽつんと万華鏡がひとつ。
前々から頭にあったものを文章として書き出してみました。
四季や色彩を表現したかったのですが、知識が乏しく、簡易表現のようになってしまいました。
「箱庭」という単語や世界観がダークに感じたかと思われます。
私としては、「白い鳩」が飛んでいることで、「平和だ」という印象を表現したのですが…。
賛否両論あると思いますが、私の初の試みなのでお手柔らかに…。
3月11日。
平和で万華鏡のような色彩豊かな世界が広がりますように。