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魔術戦艦  作者: 境康隆
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七、両翼

七、両翼


 金色の獅子が宇宙を駆ける。

 戦艦〈ヴラド・サード〉と〈グロズーヌイ〉の兵は、誰もがその獅子に目を奪われていた。

「両翼?」

 ゲオルゲも獅子に見とれていたが、その以前とは違う様子に一瞬目を細める。

「いや、違う……」

 両翼と見えたのは見間違いだった。それは獅子自身の翼ではない。

 金色の獅子の右肩には、一羽の白鳥の使い魔が同時に呼び出されていた。

 美しい。

 ゲオルゲはその並び立っているような、寄り添っているかのような姿に、もう一度目を奪われる。

 周りも皆同じようだ。その獅子と白鳥の出現から今まで、誰も口を開こうとしない。見入っているのだろう。

 白鳥はまるで獅子の右の翼のようだ。

 獅子の中折れしている翼と、その白鳥が羽を伸ばして羽ばたいた様はよく似ていた。

 まるで獅子は二つの翼を持っているかのようだ。

 黄金に輝く左の翼と、純白に煌めく右の翼だ。

 あの白鳥は娘の使い魔のはずだ。母親譲りの美しい白鳥の使い魔だ。そう、獅子と白鳥は別々の使い魔のはずだ。この二人は、同じ二連五芒星から同時に二つの使い魔を呼び出したのだ。

 美しい。

 ゲオルゲはそのことに思い至り、もう一度そう思ってしまう。

 それが使い魔の外見に対してか、もっと内面的なものに対してか。ゲオルゲ自身よく分からなかった。


 コジロウの獅子は力強く駆ける。

 リリアの白鳥は華麗に羽ばたく。

 そして二人の使い魔は魔術的に繋がっているのか、付かず離れず虚空を進む。

 後方では戦艦〈ヴラド・サード〉が微調整を繰り返し、魔力が途切れないように二連五芒星を保ち続ける。

「敵軽連撃艦! 最大推力と思しき速度で、最後方より発進しました!」

「また、向こうからきやがったか! 接触予想位置は?」

 下士官の報告に、アレクセイが吠える。

「ちょうど敵陣を出たところです!」

「駿河曹長! 先ずはそいつだ! 奴らの面前で、叩き潰しやれ!」

 敵軽連撃艦が最大推力でコジロウとリリアの使い魔の前に現れる。

 そしてそれを先に見つけたのは、やはりリリアだった。

「コジロウ! 気を付けて!」

「何だ?」

 魔力を共有した二人は、通常よりも遥かに明確に、お互いの思念を無線に乗せることができるようだ。リリアの声がコジロウの脳裏に鮮明に届けられる。

「使い魔よ。いるわ」

「どこに?」

 コジロウは目を凝らすが、迫りくる敵軽連撃艦しか見えない。前回の収束魔法でも、護衛の使い魔はいた。この艦にいてもおかしくはない。

 だが――

「すまない! 見えない!」

 だがコジロウには見えない。どんなに目を凝らしても、リリアの魔力を借りても分からない。

「分かったわ――ヤッ!」

 リリアの白鳥が氷結の魔法を虚空に放った。巨大な氷塊が獅子の右翼に現れ、眼前に撃ち出されて行く。

 氷塊は敵軽連撃艦に向かう。だがその氷塊が艦に当たるよりも早く――

 氷塊は上下に二つに分かれてしまう。割れたのではない。鋭利な刃物にでも切れらたかのよう、合わせればもう一度くっつくかのような断面を見せて、上下に軌道をそらして行く。

「どこだ?」

「まさに今、氷が斬れたところよ、コジロウ。ものすごく――」

 リリアが目を凝らす。偵察部隊のリリアですら、こうしない視力には捉えられない。

「薄いのがいるわ」

 そうそこにいたのは、幅が一センチにも満たない鋭利なエイだ。薄い己の鼻面を正面に向け、横長の体を刃物のように光らせてコジロウとリリアの使い魔に迫りくる。

「なるほど」

「見えた?」

「いや…… だけど言われてみれば、魔力の線みたいなのが見える」

 獅子が虚空を蹴る。白鳥はやはり付かず離れずついてくる。

 僅かばかりに敵を捉える角度を変えると、コジロウにも平たい菱形の敵が見えた。

「種が分かれば!」

 コジロウが後ろ脚に力を入れる。上から放物線を描き、エイの背中に襲い掛かった。

 エイは横幅だけ見れば、両翼を拡げたコジロウの獅子よりも大きい。だが敵に脅威をもたらすのは、その鋭利な正面だけのようだ。

 獅子がやすやすとエイの中央を突き破り、左の翼でその身を焼く。

 獅子とともに突入した白鳥が、エイの反対側のヒレを凍り付かせると、それはなす術もなく砕け散った。


 その身を焼き、砕け散りながら、力なく落ちて行くエイを尻目に、コジロウはその使い魔が守っていた敵軽連撃艦に突入する。

 敵軽連撃艦は最大出力で駆けながら、主砲を展開していた。

 その主砲が輝き出す。内に秘めた重力魔法に魔力をとられながらも、前に立ち塞がる獅子を、主砲で蹴散らそうというのだろう。

 戦艦の主砲による二連五芒星で呼び出され獅子は、もはや軽連撃艦に比する大きさがあった。

 敵軽連撃艦が雷の魔法を、主砲から放った。

 獅子は両翼を拡げ、その身を翻す。もちろん実際の右の翼は、リリアの白鳥だ。

 もはや一体の使い魔であるかのように、二匹の魔獣は宙を駆ける。

 獅子が身を翻し宇宙を駆ける度に、敵軽連撃艦から放たれた雷は、二歩も三歩も遅れて少し前まで使い魔がいた空間に放たれる。

 そして雷をくぐり抜け敵軽連撃艦に獅子が迫る。

 その様子に帝国軍第十七艦隊の多くの者が喚声を上げた。もはや自軍の内に入り込んだ敵の使い魔はほぼ駆逐され、味方の使い魔の撤収も終えようとしている。

 ゲオルゲも目を凝らす。二連五芒星から呼び出した使い魔が、どこまで保つのか見極めなくてはならないからだ。

 内に重力魔法をはらんでいると思しき、疑いも含めて残り四隻の艦は最低でも落とさなくてはならない。そう、問題はまさにそこだ。

 獅子は敵軽連撃艦が最後の防衛に呼び出した主砲クラスの使い魔を、その右前脚で駆逐しているところだった。獅子の身を貫かんと主砲から撃ち出された、藻に覆われたオウムガイだ。

 コジロウが炎の魔法を放つと、オウムガイはその堅い殻に身を隠してしまう。

 それでいながら軟硬自在を誇るのか、炎をやり過ごすとオウムガイがその固い殻を瞬時に軟化させ、その身を垂直に伸ばす。

 獅子に向けられたのは、再び硬度を取り戻した鈍く光るその尖端だ。

 オウムガイが己の身を円錐形に変え、その硬度を最大限に上げる。更に身を捻り、錐揉みしながら即席のドリルとなって獅子に迫ってきた。

 オウムガイが面前に迫ったところで、獅子はその右前脚をふるった。オウムガイが瞬時に軟化し、獅子の攻撃の衝撃をぐにゃりと柔らかく吸収してしまう。

 敵は払われた勢いをも利用して獅子と距離を取ると、更に一瞬で硬度を取り戻す。そしてその尖端をまたもや獅子に向けて襲いくる。

 脇腹に迫りくるオウムガイを迎え撃たんと、獅子が顔を向けた。だが同じ攻撃では、またいなされてしまう。

「く……」

 コジロウが思わず唸ると、

「任せて!」

 リリアの思念が届けられ、白鳥から魔力が放たれた。

 オウムガイが一瞬で凍り付く。主の意思に反して身を固めてしまう。勢いの付いた体は止まることもできない。

 そして獅子の狙いすませた右の前脚を食らうと、やすやすとその殻を粉砕されてしまう。

 殻を失ったオウムガイは、その身を回転させながら宇宙に投げ出される。己の意思ではどうにもならないその体を次に襲ったのは、認識する間すら与えられない瞬間的な炎だった。

 オウムガイは瞬時に燃え尽き、獅子はその横をすり抜ける。獅子の面前には主砲を開いた敵軽連撃艦がいた。

 コジロウはその開いたアームの間を右からすり抜け、左の翼を敵軽連撃艦に叩き付けた。


「行ける!」

 ゲオルゲはその様子に確信する。隣りに立つ娘の顔を見た。術に集中する娘は、その自信に満ち溢れた凛々しい横顔を見せている。

 もはや問題はない。一気に敵を圧倒すべきだ。ゲオルゲはそう判断する。

「アレクセイ!」

「おう!」

 モニターの向こうのアレクセイが声の限り応じる。出した結論は同じのようだ。

「第十七艦隊全軍に告げる! 若き獅子達が今、その命を懸けて、最悪の危険を駆逐している! 我々も続くぞ!」

 戦艦〈ヴラド・サード〉の艦内から、喚声が上がった。モニター越しに〈グロズーヌイ〉からも、怒号に近い声が聞こえてくる。おそらく全艦隊が鬨の声を上げたことだろう。

「金色の獅子に続け!」

 ゲオルゲの号令の下、全ての艦の主砲が攻撃用の魔法円にその光を変えた。


「よっしゃ! 駿河曹長に続け!」

 アレクセイが嬉々として叫ぶ。

「先ずは主砲で直接攻撃魔法だ。遠慮するな! 敵陣に味方は、獅子と白鳥の使い魔しかいねえ! 派手に撃ち込んでやれ! 二人を援護しろ!」

 重撃艦、連撃艦と艦種を問わず、その主砲から直接攻撃魔法が放たれる。

「大型砲は疑似生命魔法の準備だ! 獅子が重力魔法の艦を撃破次第、応援に駆け付けろ! あいつらだけに、おいしいところを持って行かせるなよ!」

 動きをひそめていた大型砲が、その砲身を一斉に前に向けた。使い魔を放つ砲手達が、その砲身に己の魔力を伝え始める。

「捨て身の攻撃さえ凌げば、後は怖がる必要はねえ! 畳み掛けるぞ!」

 雷中将はやはり嬉々として叫び、横に立つコジロウに顔を向けた。

 コジロウは術に集中している。

 頼もしい――

 アレクセイはその横顔に素直にそう思う。そして自分やゲオルゲが、士官学校時代に一度も勝てなかった男の姿に重ねて見てしまう。

 彼は皇族であることを、一度もひけらかすことをしなかった。そしてその実力でアレクセイ達を魅了した。

「ふふ」

 アレクセイは思わず声に出して笑ってしまう。同じだからだ。この若き曹長も、今実力でアレクセイを魅了している。

 〈グロズーヌイ〉と〈ヴラド・サード〉は今現在も、スラスターを噴かしながらその艦の位置を調整している。

 そう、二隻の戦艦で即席に描き出された二連五芒星は、やはりその描画を保つことが難しい。

 〈ヴラド・サード〉は油断すれば消えてしまいそうになる二連五芒星を、絶え間ない制御で描き出し、その金色の獅子と白鳥に魔力を送っている。

 巨大な使い魔。二連五芒星。途切れ途切れにしか魔力を送れない、この不安定な状況――

 全ての不利を押し退けて、コジロウ・駿河は金色の獅子を駆る。

 そして我が身を省みず、敵の捨て身の攻撃に向かって行く。

「がはは!」

 アレクセイは破顔する。この青年を内に抱える不利を、考えなかった訳ではない。

 ゲオルゲに資料を見せられた時は、思わず笑ってしまった。

 コジロウの出身惑星に覚えがある。あの惑星はアレクセイとゲオルゲが、二十数年前に慣れない皇族警備を命令された星だ。そしてまさにこの曹長の生まれる、その前年だった。

 艦船乗りの自分達にその命令が回ってきたのは、その皇族が士官学校の同期だったからだ。学友を懐かしんでの命令だったと思っていた。

 実際は違っていたようだ。そうと見せかけて、警備に不慣れな人間を配置し、自身が夜中に遊びに抜け出す為だったようだ。アレクセイは思い出す度にそう思う。

 事実裏をかかれ、気が付けば朝帰りをされてしまった。己の戦果を誇るあの人懐っこい笑顔を、アレクセイは一生忘れられないだろう。今思い出しても思わず苦笑してしまう。

 そして一番笑ってしまうのは、コジロウ本人の顔だ。ゲオルゲに資料とともに写真を見せられた時は、腹が捩れて呼吸困難に陥るかと思った。

 疑いようがない。今改めて見てもそっくりだ。容姿も、見せつける魔力も、この大胆な作戦を遂行する胆力も。

 だが今は考えまいとアレクセイは思う。

 そう今はこの若者について行くのが、楽しくって仕方がない。雷中将ともあろう者がだ。

「いけ! コジロウ・駿河曹長に続け!」

 アレクセイはやはり嬉々としてそう命じた。


 特攻を仕掛けてきた敵軽連撃艦を左の翼で焼き尽くすと、獅子と白鳥は一体となって敵陣に切り込んで行く。

 左翼の黄金の翼に触れると、炎に焼かれて敵艦が落ちて行った。

 右翼の純白の翼に触れると、凍り付かされて敵艦はやはり落ちて行く。

 それは使い魔の場合も同じだ。

 ただ一つ敵艦と使い魔では違う点がある。使い魔は例外なく、身動きを止めてしまう。少なくとも使い魔の方はそれが手に取るように分かる。

 もしかすると敵艦の中の人間も、その姿を見て動きを止めているのかもしれない。

 そう、自らがやられる瞬間だというのに、敵の使い魔の姿に見とれているのかもしれない。

 獅子と白鳥に迫る敵使い魔は、その数にもかかわらず、棒立ちに近い形で次々と駆逐されて行く。

 敵重撃艦が一隻、そのメインエンジンを全開にした。それは疑いがあると思われていた艦だった。この敵重撃艦は主砲を浅く展開し、最低限の大きさで障壁魔法を呼び出していた。

 コジロウは別の敵重撃艦を先に仕留めるつもりだった。

 獅子が慌てて身を翻す。

 遠い。間に合わないかもしれない。とっさにコジロウもリリアもそう思う。

 だがその敵重撃艦を閃光が襲う。敵重撃艦の主砲の障壁魔法を貫いて、圧縮空気の直接攻撃魔法が敵艦に襲いかかる。

 味方の連撃艦〈シモ・ヘイへ〉の魔力が、どの艦よりも早く敵陣に達したのだ。

 しかし敵重撃艦は障壁魔法を直ぐに修復し、その速度を落とさずに前進する。

 連撃艦〈シモ・ヘイヘ〉がその得意の圧縮空気の魔法を、主砲から間断なく繰り出す。

 弾丸のように鋭く飛ぶ幾つもの圧縮空気が、更に敵の障壁魔法を撃ち抜き、艦に到達した。

 〈シモ・ヘイへ〉が空けた障壁魔法の穴に、重撃艦〈テカムセ〉の炎の魔法が続いて襲いかかった。

 炎にやられ、障壁魔法が見る間にその光を失って行く。

 軽重撃艦〈ミドハト・パシャ〉の氷結の魔法が、その障壁魔法が弱まった敵重撃艦に襲いくる。氷の魔法をなんとか凌いだ敵重撃艦は、再度〈テカムセ〉の炎に焼かれた。

 敵重撃艦の速度が急激に落ちて行く。

 そうと見るやコジロウは、群がる敵使い魔を退け、雨霰と襲いくる直接攻撃魔法を避けつつ、遠目から炎の魔法を放つ。

 前から〈テカムセ〉に、後ろから金色の獅子に焼かれた敵重撃艦は、艦のいたるところに火がついてしまう。

 そして〈シモ・ヘイヘ〉の魔法は、まるで止まるところを知らなかった。障壁魔法を穴だらけにし、艦そのものにも、無数の圧縮空気の弾丸を撃ち込む。

 金色の獅子が追い付き、白鳥の氷結魔法が放たれる頃には、敵の重撃艦はもはや惰性で前に進んでいるだけのように見えた。

 敵重撃艦は白鳥と〈ミドハト・パシャ〉の氷結の魔法に、前後から押しつぶされるように爆発してその最後を迎えた。

 怨嗟の声が、魔術的な気に乗って敵味方関係なく届けられる。断末魔の叫びだ。

 そしてその叫びは、敵にある決断をさせた。


 重撃艦が大破したと見るや、敵の大型艦が一斉に前進を始めた。

「何だ?」

 アレクセイはその様子に、驚きの声を上げる。

「本命を分からなくする為の、かく乱だ。目星は付いている。駿河曹長には本命を叩かせろ」

 驚くアレクセイを尻目に、モニターの向こうのゲオルゲは冷静に分析してみせる。

「けどよ…… あれじゃ…… 関係のない艦も沈むぜ……」

「捨て身だ…… 命は捨てるものと、勘違いしているのだろう」

「けっ、胸くそ悪い! 駿河曹長、聞こえたな! 本命だけ狙え!」

「はっ!」

 コジロウは術に集中しながらも応える。

 もう既に最初に目星を付けた五隻のうち、三隻を沈めている。

 後は疑いのものを含めて二隻。その内一隻は、全軍の進撃に合わせて、むしろ向こうからコジロウの獅子の前に現れた。

 敵連撃艦だ。

 その脇に体中に無数のボルトを埋め込み、そして露出させたサメが護衛についている。

 獅子が牙を剥いてサメに襲い掛かり、サメはのこぎり歯を剥いてそれに対抗しようとした。

 だがそのサメの歯にリリアの氷結の魔法が撃ち込まれる。サメは突然口中に現れた氷に、そのアゴを閉じることができない。

 獅子の牙がそのサメに食らい付く。大きさは歴然だった。サメはさしたる抵抗もできないまま、その身を獅子に食いちぎられる。

 獅子はサメの身をそのボルトごと吐き捨てると、止めとばかりに右前脚の爪を食らわせる。サメは体内から大量のボルトをまき散らせて、宇宙の塵へと消えて行く。

 敵連撃艦は大型砲を獅子に向けた。脇から襲いくる獅子に、その大型砲から直接攻撃魔法を浴びせ掛ける。

 獅子と白鳥は障壁魔法を同時に展開する。迫りくる直接攻撃魔法をその障壁で弾き返し、コジロウは主砲に、リリアは機関部にそれぞれ魔法を放った。

 炎と氷の魔法を同時に食らい、きしみを上げる敵連撃艦に、獅子がやはり右の前脚を振り抜く。敵連撃艦の外壁が、一撃で剥がされた。

 その剥き出しの内部に、リリアが氷結の魔法を送り込んだ。

 敵連撃艦は内側から、氷によって二つに割れてしまう。すぐには推力を失わなかった艦後部が、生き別れになった艦前部を轢くようにしてぶつかって行った。

 二つの鉄の塊は、互いを押しつぶしながら獅子の前を離れて行く。

 その連撃艦の周りでは、直接攻撃魔法に曝され、多くの敵艦が同じように火を噴き始めていた。まるでその被弾を誇るかのように、敵艦はそれでも前に進む。

 コジロウは連撃艦の爆発を背に、獅子の身を翻させる。

「リリア」

 コジロウが無線に乗せて、リリアに思念を送る。

「何?」

「あの戦艦……」

 獅子の視線の先には、戦艦クラスの艦がやはり特攻を仕掛ける為に、メインエンジンを噴かせていた。

「勘がいいわね…… あの戦艦――重力魔法を感じるわ……」

 コジロウが勘で感じ取った異変を、リリアが自慢の目で確かめた。

「あの戦艦から仕留めよう」

「そうね。あれは厄介そうだし」

 多くの艦が炎を上げる中、その戦艦だけは護衛艦二隻に先導されて守られながら、それでいて自身も強固な障壁魔法を展開し、無傷で宇宙を駆けていた。


 その戦艦に気が付いたのは、コジロウ達だけではなかった。

「アレクセイ」

「分かってる! おい! 左翼の艦は、あの戦艦を集中的に狙え! 他は右翼の艦に任せろ!」

 モニターの向こうでアレクセイが士官に号令を発すると、ゲオルゲは状況を思案する。

 ゲオルゲはモニターを確認する。重力魔法を使うと、最初に見られていた五隻の内、既に四隻が沈んだ。五隻目も主砲による絶え間ない直接攻撃魔法により、今や沈もうとしている。

 あれならコジロウの獅子に頼らなくとも、とどめを刺すことができるだろう。

 問題はその五隻以外にも、重力魔法を使おうとする艦が実際にあったことだ。一隻だけか。その疑問をゲオルゲはモニターに見つけ出そうとする。

 モニターで見る限り、重力魔法をその内に展開している艦は、その戦艦以外はないように見えた。

 だがモニターだけでは心もとない。先程のように、斥候となる部隊を送り込む必要があるのかもしれない。

 その戦艦にコジロウの獅子と、リリアの白鳥が見る間に迫って行った。その様はまるで迷いがないようにも見える。

 ゲオルゲはその娘の背中に目を移す。

 視線を感じたのか、リリアは術に集中しながらも、後ろを振り向いた。

 娘は父に笑みを向ける。今まさに戦い、人々が死んでいる中、それは少々ぎこちない笑みになった。

 ゲオルゲはその笑みに、自分の疑念を払拭しようとしてくれる、娘の気遣いを見たような気がした。

 ゲオルゲは確信する。

 あの戦艦が最後だ。誰よりも信頼のおける目が、そのことを確認してくれている。

「全軍に告げる! 奮起せよ! あれが最後の艦だ!」

 そして第十七艦隊の左翼は敵戦艦に集中砲火を、右翼はその他に一斉射撃を浴びせ掛けた。


 コジロウの獅子は白鳥とともに、敵戦艦の横に駆け付けた。それは敵の右舷だ。コジロウから見て左だ。コジロウは無意識に敵の攻撃に対して、リリアを庇う面を向けているようだ。

 敵戦艦の大型砲が一斉に獅子に向き、直接攻撃魔法を撃ち込んでくる。

 獅子は身を翻して雷や炎を避け、障壁魔法を展開して氷塊や圧縮空気を弾き飛ばす。

 敵戦艦の前を陣取った二隻の護衛艦が、第十七艦隊の集中攻撃を、その主砲による障壁魔法で押し止めていた。

 リリアは敵護衛艦の背後から、氷結の魔法を放った。だが敵護衛艦はその強力な対空砲火で氷塊を見る間に粉砕し、護衛艦と呼ばれるだけの防御力を発揮する。

 コジロウが炎の魔法を敵戦艦に放つ。

 その炎をも、敵の護衛艦は自身の対空砲火で霧散させた。

 コジロウは敵戦艦に近付くこともできない。近付けば敵戦艦と敵護衛艦の対空砲火が、同時に襲い掛かってきた。

 敵戦艦の大型砲から、全ての穴が溶接で塞がれたようなウミガメが放たれた。

 それでいながらもがくように、その溶接部は内側からせわしなく叩かれ震えている。

 まるで中に閉じ込められたウミガメが、酸欠寸前でもがいているかのような、切羽詰まった震え方だった。

 だがウミガメそのものは、その見るからに強固な甲羅を回転させて獅子に襲いくる。

 コジロウは右前脚をふるい、そのウミガメを叩き潰そうとする。大きさの差はやはり歴然だ。ウミガメは難なく獅子に弾かれた。

 だがその甲羅はあまりに頑強だった。弾かれはするものの、ウミガメはその身を傾けて獅子の攻撃をやり過ごす。

 ウミガメは体を回転させると獅子と白鳥の背後に回る。

 白鳥が首だけ後ろを振り返り、渾身の氷結魔法を浴びせ掛けてやる。

 だがウミガメの甲羅は割れることもなく、更に回転速度を増して背後から迫りくる。

 獅子の脇腹に向かって畳み掛けるように、大型砲から直接攻撃魔法が連射された。そしてその攻撃と挟み込むように、ウミガメが獅子に襲い掛かる。

 コジロウが側面の直接攻撃魔法を、障壁魔法で弾き返す。

 リリアが氷結の魔法でウミガメに対抗する。だがウミガメはその甲羅の硬度に加え、回転の力を利用してリリアの氷塊をことごとく粉砕した。

 ウミガメがリリアの魔法を弾き返し、コジロウの獅子の背中に突撃する。その回転の力で、獅子の背中に浅く広く傷を負わせることにウミガメは成功する。

「ぐ……」

 コジロウが〈グロズーヌイ〉の艦橋で呻く。

「コジロウ! く…… やっ!」

 その進行方向にリリアがまたもや氷の魔法を放つ。それは緩やかに湾曲する氷の壁だった。ウミガメを迎え入れるように、進行方向に合わせてカーブを描くその氷壁。

 この氷の壁に当たるとウミガメは、その湾曲に沿って緩やかにコースを変えられてしまう。

 そして壁の先は筒状に凍っていた。

 ウミガメの使い魔が筒の中に甲羅を滑らせていく。

 相手の意図を悟ったのか、ウミガメの使い魔は体を捩って脱出を試みる。だが時既に遅く、その身はまるでウォータースライダーを滑るかのように、湾曲した氷の中を進まされた。

 その身が自由になったのは、敵護衛艦に向けて氷の筒から放たれた後だった。

 ウミガメの塞がれた穴が、内から狂ったように叩かれ出す。しかしその身は止まらず、ウミガメにとっての僚艦に向かって行ってしまう。

 敵護衛艦は迫りくるウミガメに、雨霰と直接攻撃魔法を浴びせ掛けた。とどまることを知らない連射に、ウミガメはさすがにその身を粉砕される。

 だが飛び散った甲羅の破片が、慣性に負けて敵護衛艦の一角に飛び込んでしまう。

 それは対空砲火の銃座の一部だった。

 リリアは僅かに隙間の空いたその対空砲火の一角に、氷の魔法を送り込む。それは鋭い魔力だった。

 細く長くそれでいて強固な、まるで縫い針のような氷柱に貫かれた敵護衛艦が、爆発し炎と煙を上げる。そして爆発が上がる度に対空砲火に穴が空く。

 リリアはその瀑炎が作り出す死角をも利用して、魔力の限りを尽くして氷の魔法を浴びせ掛ける。裁縫箱を投げつけたかのような、幾本もの針の雨を降らせる。

 一本たりとも逃さず迎撃せんと奮闘する対空砲火に粉砕されながらも、生き残った幾本もの針状の氷柱が次々と敵護衛艦に突き刺さった。

 リリアの波状攻撃に耐えられず、敵護衛艦は爆発とともに軌道がずれ始める。そして艦の制御もままならないのか、その隣りの護衛艦に向かって横滑りしてしまう。

 激突を恐れたもう一つの護衛艦は、スラスターを拭かしながら味方の艦から離れようとした。だがこちらも時既に遅く、制御不能になった護衛艦は、味方を巻き込むように激突して行く。

 その二隻の敵護衛艦に、帝国軍第十七艦隊からの主砲が次々と叩き込まれる。二隻の護衛艦から断末魔の悲鳴が波打つように広がった。


 二隻の敵護衛艦が爆発を上げ、敵戦艦の向こうに流れて行く。その光景を尻目に、コジロウは敵艦の前方部で並走した。

 敵戦艦は主砲からコジロウの獅子に匹敵するような、巨大な雄のクジャクの使い魔を呼び出していた。それは虹色の尾羽を持っていた。

 美しい――

 コジロウもリリアも一瞬見とれてしまう。

 魔力に輝く使い魔を従え、宇宙を駆ける巨大戦艦。

 そう、それはまさしく魔術戦艦と呼ぶに相応しい光景だ。

 敵の姿に見とれていたのは、相手も同じようだ。

 虹色のクジャクは首を獅子に巡らし、しばし見とれるように動きを止めると、おもむろにその特徴的な尾羽を拡げ始めた。

 尾羽に描かれた卵型の模様が露になる。数十はあろうかというその模様が、一斉に動いた。ねめつけるように獅子と白鳥を見つめる。

 そう、尾羽の模様は一つ一つが目になっていた。その目からそれぞれ電撃の魔法が放たれる。

 拡げられた尾羽から放たれた電撃は、広範囲に渡ってコジロウの獅子に襲い掛かる。

 早く、そして鋭いその電撃をコジロウは避け切れなかった。

 幾つかの電撃を獅子は、肩や四肢に食らう。それでいて半身に構えてリリアの白鳥を守りながら、コジロウの獅子は敵魔術戦艦にその身を寄せて行く。

 護衛艦を失った敵魔術戦艦はアレクセイの号令の下、更なる集中砲火を浴びていた。

 その敵魔術戦艦の前方に、先を行っていた敵重撃艦が滑り込んできた。

 この時点で既に半壊していた敵重撃艦は、更なる攻撃に我が身を曝す。本来なら敵魔術戦艦が受けるはずだった攻撃をその身で受ける。

 敵重撃艦の展開していた障壁魔法は、一瞬で砕け散った。それでも敵重撃艦は、艦そのもので帝国軍第十七艦隊左翼の一斉射撃を受け止める。

 敵重撃艦のメインエンジンが止まった。推力が急速に衰え始めたと見るや、最後の力を振り絞るようにスラスターを噴かし始める。

 限界までその場に止まりながら帝国軍の攻撃を受け切った敵重撃艦は、敵魔術戦艦の進路を空ける為に右へと流れて行く。もはや後は沈むだけのその艦は、最後の意地とばかりに、獅子と白鳥の目の前に流れてきて爆発した。

 コジロウはとっさに障壁魔法を展開し、その四散する艦の破片を防がなくはならなかった。

 その味方の犠牲が作り出した僅かの隙を突いて、クジャクは獅子と白鳥に電撃の魔法を繰り出す。

 そしてまた、敵魔術戦艦は帝国軍の一斉射撃に曝される。

 クジャクは障壁魔法を張り、その身を挺してその直接攻撃魔法を防ぐ。そしてコジロウの獅子の襲撃にも、果敢に電撃の魔法で対抗する。

 この魔力。この気迫。この責任感。

 クジャクを呼び出したのは、おそらく敵魔術戦艦の艦長だろう。そしてこの艦隊の司令官だ。

 これだけの攻撃に曝されながら、敵魔術戦艦とこの美しい使い魔は、怯むことなく前に進む。クジャクは己の命そのものを燃やすかのように、魔力の全てを高めてその身を光り輝かせた。

 その気概と矜持からか、クジャクは鬼神とでも言うべき魔力を発揮した。

 クジャクは電撃を放つ。電撃は第十七艦隊からの直接攻撃魔法を弾き返す。

 クジャクは障壁魔法を展開する。障壁はたとえ一度は砕けようとも、その最後の一片まで相手の攻撃を防いで消えた。

 クジャクはその身を、防ぎ切れなかった攻撃に曝す。クジャクの肉体を最後の盾にした敵魔術戦艦は、怯むことなく、またその速度を落とさず帝国軍に向かって行く。

 最後にこの艦さえ、相手の懐に送り込むことができれば――

 そう考えているかのような、それはまさに特攻だった。


「……」

 冷血中将ゲオルゲ・ミリャは、微動だにせず敵魔術戦艦を見つめた。

「……」

 雷中将アレクセイ・イヴァノヴィッチ・ガモフは、黙って両腕を組んだ。

 内に重力魔法を含んだ敵魔術戦艦は、もはや肉眼ですら捉えられる位置にきていながら、未だに落とせていない。

 それもそのはず。敵の大型艦は今や全てが、敵の魔術戦艦の盾となっていたからだ。

 敵艦は代わる代わるその前方に現れるや否や盾となり、そして敵魔術戦艦の代わりに散って行く。まるで先を争うかのように、次々と敵魔術戦艦の前に出ては敵艦は沈んで行く。

 その一つ――敵軽連撃艦が、猛烈な速度で敵魔術戦艦の針路に割り込んできた。

 クジャクの身を襲おうとしていた一際大きな氷塊に、左後方から滑り込んできたこの敵軽連撃艦は、自らその攻撃にぶつかって行く。

 爆発し、四散した味方の残骸を突き抜け、敵魔術戦艦はついに帝国軍第十七艦隊の外縁を、その核攻撃の範囲捉えた。それは帝国軍の大型砲の、直接攻撃魔法の射程範囲でもあった。

 主砲のみならず、大型砲からの集中砲火を浴びながら、敵魔術戦艦は衰えることのない勇気で進んでくる。

 もはやいつ爆発されてもおかしくはない。

 そうと見たコジロウとリリアは、あらゆる魔法を敵魔術戦艦に放つ。

 獅子の炎が艦を襲い、白鳥の氷塊がクジャクを狙う。クジャクの電撃は炎を刺し違えるように獅子に放たれ、氷塊を貫き四散させる。

 帝国軍の圧縮空気の魔法を障壁魔法で弾き返し、相手の電撃を呑み込む勢いで雷の魔法は宙を煌めかせる。

 コジロウは障壁魔法を張り巡らせ、眩い閃光とともに敵の電撃を弾き返しながらクジャクに近付く。だがその度に、一際大きな雷を放たれ獅子の身は退けられる。

 しかし前からは直接攻撃魔法。横からは獅子と白鳥の襲撃。

 それは実際には、一体の使い魔で防ぐには、あまりに容赦のない攻撃だった。

 クジャクの尾羽の目はまるで代償でも払うかのように、攻撃に曝される度に内から弾け、消し飛んで行く。クジャクの目が少なくなる度に、帝国軍の攻撃は直接、敵魔術戦艦に命中する。

 艦から放たれる魔法は少ない。クジャクに全ての魔力を預けているのか、対空砲火もままならないようだ。

 だが只の的になる気はない。そうとでも言いたげに、クジャクは鬼神のごとく、電撃を放つ。

 帝国軍の中枢――魔術戦艦〈ヴラド・サード〉と同〈グロズーヌイ〉を、敵魔術戦艦はその射程に捉えようとしている。クジャクの目が覚悟に光っているのが、そのことを物語っていた。

「……」

 ゲオルゲとアレクセイは、そのクジャクの視線を正面から受け止める。敵の覚悟と相対する。そして自分達が賭けた獅子と白鳥の力を信じ、迫りくる敵魔術戦艦を視線で迎え撃った。

 クジャクが一際魔力を放とうとした、その時――

 ついに敵魔術戦艦のメインエンジンが止まった。正面から攻撃を受け止めていた敵魔術戦艦は、衝撃を受ける度にその推力が落ちて行く。

 クジャクがもう一度首を巡らし、コジロウの獅子とリリアの白鳥を見た。やはり一瞬見とれるように動きを止める。クジャクは一度まぶたを閉じ、ゆっくりと開けた。

 そしてクジャクは意を決したように、陣取っていた主砲五芒星の前から身を翻す。

 帝国軍第十七艦隊からの集中砲火が全て、直接敵魔術戦艦を襲い始めた。

 クジャクはコジロウの獅子に、その優美な羽を拡げて迫りくる。

「コジロウ……」

「ああ……」

 コジロウとリリアは思念で、そう一言ずつ会話する。

 巨大な使い魔。その美しい姿。そして押さえ切れない電撃――

 まともに戦っていたら、コジロウ達ですら太刀打ちできたか分からない。

 だがもう相手は死を覚悟しているようだ。元より捨て身の攻撃。ここが最後と見たのだろう。

 クジャクの使い魔はその目的を果たせなかった。せめて最後に一矢報いたい。いや、一花咲かせたい。軍人として死にたい。そう思っているのかもしれない。

 コジロウは襲いくるクジャクを正面から迎え撃ち、その首筋に右前脚の爪をふるった。

 クジャクはその爪に首筋をやられ、錐揉みするように敵戦艦に向かって跳ね返される。

 コジロウは獅子にクジャクを追わせた。クジャクはその美しい羽をまき散らしながら、敵魔術戦艦の側面に激突する。それは艦橋のすぐ脇だった。

 獅子は再度右前脚の爪をふるい、一度外壁で跳ね返ったクジャクを艦に押し付けた。クジャクの本物の目と目が合う。

 そしてコジロウは、そのクジャクの向こうにある艦橋の――この使い魔の主とも、目が合ったような気がした。

 軍人として戦って死ねる喜びと、部下を死なせる無念を背負った人間の目だ。

 実際にはクジャクの使い魔しか見えない。

 それはコジロウの感傷がもたらした幻だったのかもしれない。命を捨てるような攻撃を繰り返した敵兵に、せめて最後に人間性を見い出したかったコジロウのエゴなのかもしれない。

 そうだとしてもコジロウは敬意を込めて、己の魔力を高め出す。

 敵魔術戦艦は帝国軍第十七艦隊には届かなかった。

 クジャクはそのことを悟ったのか、静かに目をつむった。

 獅子は渾身の力で、その美しい羽ごと敵魔術戦艦を切り裂く。

 それはその獣が百獣の王と呼ばれているのに相応しい、雄々しく、勇ましく、美しく。

 そして――


 慈悲深い一撃だった。


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