C:clover
――誰だよ、LOVEが入ってるなんて言ったのは
全く腹立たしいことに、もう昔の話とはいえ、命を助けられてしまった手前どうにも弱みを握られているような気分だ。実際、じっと見つめられてお願いされると、もう逃れようが無い。
たとえ、「私も漫画のように蜂蜜とクローバーのサンドイッチが食べたい」という幼稚極まりない話であっても、だ。頬が仄かに染まってたりなんかしたら、もうお手上げだ。お姫様にかしずく騎士のように、ご要望の品を用意するほかない。
別にアイツがお姫様だなんて言っていないぞ。
とは言うものの、そもそも俺は川が苦手なのだ。当然、土手なんて近寄りたくもない。知っているだろ?
すると、捜索は必然的に限られてくる。都会でも田舎でもないこの街で、クローバーというのはなかなかお目にかかれない。少なくとも俺は、まるで知らない。
三つ葉でさえ見つからないのに、どうして四つ葉を大量に見つけられるというんだ?
普段なら文句の十、二十を畳み掛けて、誤魔化すものの、今日はそうもいかない。果報は寝て待てとも言うが、悪友連中を信じていいものか。
とりあえず、寝とくことにする。不眠不休で三十時間は頑張りすぎた。何をやっているんだ俺は。起きたらとりあえず、見舞いがてらに文句を言いに行こう。別に、心配で顔が見たくなったなんて微塵も思っちゃいない。ミジンコ程も、思っちゃいない。
2007.10.15
※字下げと空行の追加を行ったメモ。2026.1.11




