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Y:yellow
――しあわせの色
気付いたら、してた。
頭の中が幸せで弾けそうになる。目の前がくらくらする。周りの風景が一瞬で色付いて見える。世界が祝福しているみたい。
「あの指輪、まだあるか?」
未だ動けないでいる観客を無視して、舞台は進む。
「うん。もう、ダイヤは取れちゃったけど」
「いいよ、今度は償いのためじゃなく、ちゃんとしたのを買うから。今は、代わりだ」
顔を真っ赤にしながらもそう言って、私がポケットから取り出した指輪を受け取ると、ハル君は躊躇わずに私の左手の薬指にそれを嵌めた。
「ふ、不束者ですが、これからもよろしく!」
「水恐怖症ですが、こちらこそよろしく」
そして、お互いの気持ちを確かめるようにもう一度。
生徒たちはようやく、停電が回復したかのように騒ぎ出すのだった。
こうして私たちは正真正銘の「伝説のバカップル」となって……今に至る。
2007.10.15
※字下げと空行の追加を行ったメモ。2026.1.11




