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伝説の……  作者: 風薙流音♪


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21/26

U:u

 ――君に伝えたいのは


 近所で評判の歌姫。文化祭の女神。歌手にならないなんて勿体無い!


 それが俺の決闘の相手だ。


 普段は地味なカッコして、目立たないことこの上ないアキだが、祭り好きの性分か、事あるごとにその美声を披露しては、老若男女問わず、人気を集めてきた。


 今だって、たかが高校の同級生の歌声に、何人も泣いている。オイオイ。


 それに比べて俺は、カラオケ採点機能で八十点を越えたためしが無い。平凡そのものだ。コイントスで順番を決めたものの、アレを聞かされた後に俺の出番ってのは、正直酷すぎる。グランドが真っ赤に染まる光景が目に浮かぶ。誰も、俺のために団扇の白い面を挙げる奴はいないだろう。


 この際、開き直るか。


 そもそも、朝のうちに素直に好きだと告げておけば、とりあえず俺の目的は達成だったんだ。それを勢いに押されてここまで流された(嫌な言葉だ)のが間違いだった。こうなったら、全校生徒の前で砕けることになろうとも、華々しく散ってやるぜぃ。


 鳴り止まない拍手とアンコールを背に、アキが朝礼台から降りてくる。入れ替わりに俺が上がる。アキの手をとって。


「ちょっと、ハル君?」


「一番傍で聞いててくれよ。そのまま集計まで出来て、いいだろ?」


 覚悟は、決めた。

2007.10.15

※字下げと空行の追加を行ったメモ。2026.1.11

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