O:ocean
――誰だよ、塩をぶちまけたのは
見慣れないカッコをした見慣れた顔の幼馴染みと、今俺は体育館で向き合っている。
どうやら俺は決闘をしなければならないらしい。夜の校舎に独りきりで、大して睡眠は取れてない。三日間、水とお菓子しか食べてない。決闘の相手はケンカ中の幼馴染みで、どうやら俺は惚れている。
…………勝ち目がない。
目の前の、元気に準備体操をしている天然娘になんと言えば良いのか。そもそも男女で決闘なんて何をするというのだ。もしかしたら俺は、何日も特殊な生活をしていたせいで、
頭のネジをなくしてしまったのではないだろうか?
今目の前に広がる光景が夢だとしても不思議はない。むしろ夢であって欲しい。
だが、現実は厳しかった。
「当然、3ラウンド戦ね。最初はジグソーパズル早解きだから」
どこからともなく千ピースのジグソーパズルを引っ張り出してきて、真剣な顔で彼女は言う。
「私は、手加減しないわ。だからあなたも、全生命を賭けて戦いなさい! ただし、塩だけは送ってあげる」
彼女はそう言い切ると、2キログラムお徳用食塩を取り出して(どこに持っていたんだ?)、俺に渡してきた。何故かすでに口が開いていて、体育館に塩が飛び散る。
「……重かったんだから! 多少、引きずった時があってもしょうがないでしょ!」
誰か、命懸けでジグソーパズルを解く術を、俺に教えてくれ。
2007.10.15
※字下げと空行の追加を行ったメモ。2026.1.11




