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「おお、この子がアウリクラか!可愛いのう。ほれ、目元がエリシアそっくりじゃ。」

「ありがとうございます、お義父様。とっても賢い子なんですよ。ペインにそっくりで」

「頭はペインに似て顔はエリシアに似たのね。いいとこどりじゃないの。ペインは大変ねぇ。お披露目をしたら心の休まる暇がなさそうだわ」

「やめてくれよ母さん・・・」

「う~?」


 びっくりした。お昼ご飯を食べ終わってお昼寝をしていたら、なんかうるさいなぁと思ったのだ。

 それで目を開けて上を見上げたら、筋骨隆々で全身筋肉の塊みたいな白ひげを生やした男性と、黒髪がきれいな身長の高い美しい女性がいた。


 この屋敷で見かけたことが無い人だ。基本この屋敷で私が出会うのは、お父さんとお母さん、それにメイドがカリーナさんとアベナさん含む数人だけ。

 おそらくもっとたくさんいると思うのだけど私は知らない。私はいいとこのお嬢様っぽいので、いまだ赤ちゃんの私に会う人はお父様が厳選しているようだ。


「本当に、ペインに似て賢くなってよかったと思います。そうじゃないと学園生活が大変ですから」

「エリシア・・・」

「そうは言うがな、エリシアだって別にそこまで頭が悪いわけじゃないじゃろ?理解は少し遅いが、学んだことはちゃんと活かせているとエバンスから聞いとるぞ」

「エバンスさんが・・・」


「うむ、だからそう気に病むな。儂もロゼも、ペインの嫁に来たのが其方で良かったと、心の底から思っておる」

「バルトの言う通りよ?あなたが頑張っている姿は学生のころからずっと見てきましたから」

「お義父様、お義母様・・・」

「まぁそういうわけじゃから、困ったことがあったら何でも相談しとくれ。隠居してしまうと暇なんじゃ」

「台無しだぜ父さん・・・」

「あうあう」


 何の話何の話?お母さんのこと?何それ私も聞きたい。

 あと学生って言ってたね。異世界にも学校ってあるのか、なんて思ったけど当たり前か。子供を教育しないと国が立ち行かなくなっちゃう。


 ということは私も学校に行くのかな?お母さんも行っていたっぽいし。何を学ぶんだろう、やっぱり異世界だし魔法?

 でも私、魔力って持ってるのかな。アベナさんは持っていないみたいなことを言っていたし、もしかしたら持っている人と持っていない人がいるのかも。


 持っているといいなぁ、魔力とやら。異世界に来ちゃったんだもの。アニメの中だけの技術だ。それが現実に使えるなら使ってみたい。


 ・・・正直、まだ前世の家族のことを割り切れてるわけじゃない。今でも時々夢に見て泣いちゃうし、この世界の記憶が全部夢かもしれないと考えることもある。


 でも今、私はアウリクラとして転生している。そして前世と同じように、優しい家族に愛されて大切にされている。


 だから、戻りたいとかは思わない。アウリクラになってからのいまだ2か月ほどしかない人生を、なくなってしまえばいいとも思わない。


 なので私は、少しでもこの世界を楽しくいきたいと思う。できなかったことをできるようになって、友達を作って恋をして結婚をして、両親のように子を愛してみたいと思う。


 それくらいのわがままは許されるはずだ。そして前世の家族と運よく天国で再開できたら、私がアウリクラとしてしてきたことを延々と自慢するのだ。

 きっとお父さんとお母さんは笑いながら「すごいねぇ」って褒めてくれるし、弟は「魔法なんてずるい!」と妬んでくれることだろう。


 もっとも、私が転生なんて非現実的なことを実体験してしまった以上、天国なんてないのかもしれないが。あるいは、この世界こそが天国なのかもしれない。


「きゃっきゃ」


 そういうわけだから私にもその話を聞かせて!じいちゃん、ばあちゃん!


「おうおう、どうした。話が聞きたいのか?そうじゃな、それならペインがエリシアを家に連れてきたときの話を」

「待て、待ってくれ父さん!あの時の話は勘弁してくれ!」

「バルト。いくらアウリクラちゃんが賢いといってもまだ2か月よ。流石に私たちの話を理解なんてできないわ。きっと遊んでほしいのよ」

「む、確かにそうかもしれん。それならほれ、わしが高い高いをしてやるぞ。それっ!高い高い!」

「きゃー!」


 まってばあちゃん、私ちゃんと話の内容わかっているから。そのお話は大分気になる。というか学園のことより聞きたいかも!

 あ、でも高い高いも楽しい・・・


「あう!あう!」

「おお、もっとか!どれ、身体強化も使って史上最高の高い高いをしてやるぞ!」

「バルト。危ないからダメよ」

「・・・うむ」

「あう~」


 身体強化って何!?あ、さっきより低い!もっと頑張ってじいちゃん!


「あう!」

「ちょっと待ってくれアウリクラ、腰が・・・」

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