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病気なんかに負けません!  作者: あるにゃとら
闘病記

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 どうやら私は私が思っている以上に焦っていたようだ。お父様に諭され、家族と雑談する中で私は気が付いた。

 自分でできることは自分でやる。それは人として正しいことだと思うけど、それはすべてを自分で賄えという話ではない。


 先日私はある計画を立てた。『ガラスの棺』という計画だ。

 内容は魔道具を作るのに必要不可欠な糸を生成する蜘蛛の魔物であるオプファー・シュピネを閉じ込めて養殖しようというもの。


 蜘蛛は壁を登ることができる。現代日本で生きていたら木でや家の壁を登っている姿を一度くらいは見たことがあるだろう。

 そんな蜘蛛にも登れない壁がある。ガラスの壁である。


 正確には蜘蛛もガラスを登ることはできる。だがこれは一部の種類だけ。ガラスの壁を登れない蜘蛛は存在する。それはタランチュラなどの大型の蜘蛛だ。


 タランチュラなど大型の蜘蛛は、ガラスに足をつけても登ることができずそのままずり落ちてしまう。

 それはなぜか?答えは重いからだ。蜘蛛の足先には小さな毛が生えていて、それが壁を登るさいに密着する手伝いをすることで登ることができる。


 だがタランチュラなど大型の蜘蛛はそうはいかない。ガラスに足をつけても、自身の重さで毛がつぶれてしまい滑り落ちてしまうのだ。


 『ガラスの棺』はこれを利用した計画だ。簡単に言えば、用意した土地を大きなガラスで囲い、そこにオプファー・シュピネを捕獲して育てようという話である。

 オプファー・シュピネは体が非常に大きい。それこそタランチュラなどとは比較にならないくらいだ。重さもそれ相応となっているだろう。


 さてこの計画、実は私がいなくてもできる。ガラスの壁はよくよく考えたら私じゃなくても魔法で作れる人がいるだろう。彼らは私よりよっぽど長く生きているから、初めてのことでも経験で適応できるはずだ。

 オプファー・シュピネを捕獲するのは私じゃなくても冒険者や騎士ができる。なんなら交戦経験のない私は邪魔になる可能性すらある。


 このように、この計画において私の役割は計画立案で終わってしまっている。


 だが先日の私は、それに気が付かず全てに関わろうとした。ガラスの壁を作るのは私、捕獲するのも私。そこまでかかわる意味はないのに。

 でも私はそれを踏まえたうえで諸々に参加したい。


 なぜか?それは簡単だ。私がやりたいから。


 急いでいたのは事実。焦っていたのも事実。そう自身が理解したうえで私はやりたいのだ。

 何が必要か。何が足りないか。この計画を行う上で連絡するべきは誰か。実施場所はどこにするか。どれくらいの費用が掛かるか。どれだけの利益が見込めるか。

 それらを全て考えて、最後に私がするのは成功を祈って待つこと。


 そんなの面白くない。私の考えた計画だ。私が行動するべきだろう。

 私も今回初めて気がついたが、私は私がかかわるもの後において蚊帳の外にされることが我慢ならないようだ。


 だから私は現地に行きたい。もちろん準備は最大限以上行う。魔物の行動、生体、周辺の状況などの知識はすべて頭に入れる。

 それに一緒に行動してくれる人たちに基本絶対服従だ。


 今回計画に参加してくれるのは、騎士の他に冒険者もいる。なぜなら彼らは対魔物の森における専門家だ。生活のために時間が許す限り森に潜り、魔物を狩り素材を集め帰ってくる。

 そんな彼らは対魔物に強い騎士より知識も経験も豊富なのだ。


 できることはすべてやった。時間が許す限り知識を詰め込み、騎士たちから話を聞き、家族を説得し。

 これ以上私にできることはないだろう。


 いよいよ明日は『ガラスの棺』結構日だ。

 もちろん緊張はある。だがそれと同じくらい、私はこの計画を行うことが楽しみで仕方がない。


 自分で立てた計画が世界に存在を証明しようとしている。計画立案に関して、誰の手も借りず考えられた私だけのものだ。


 今日はよく寝られそうだ。明日のため、普段は勉強しているような時間でも寝ることにする。

 

「おやすみなさい」

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