閑話 ???
学園に行くまでまだまだかかりそうなので学園タグを解除しました。学園に入学したらまた復活します。
今日も人が死んだ。今日死んだ子は、私よりも2つ下でまだまともに話せないような女の子だった。
毎日お腹が空いたと言いながら死んでいった。だけどそれを聞いても私は何もしなかったしできなかった。
だって分けるご飯なんて持ってない。孤児の私にできることなんて、その日のご飯を拾う事だけで精一杯だ。
私だけじゃない、みんなそうだった。その日その日が精一杯で、助けたくても助けることなんてできない。
いや、もしかしたら助けようとすら思っていなかったかもしれない。だって死んだ彼女の姿を見ても、私が思ったのは『私もこうなるのか』だけだった。涙なんて出なかったし、泣く意味すらなかった。泣いている暇があるなら今日のご飯を探さなければならない。
そうしなければ、次にここで眠ることになるのは私なのだから。
「おい!それは俺が先に食おうとしたやつだぞ!」
「ふざけんな!食ってねぇんだから俺のもんだろうが!」
少し離れた場所で孤児の男の子が二人喧嘩している。巻き込まれては敵わないので、体を縮めて道の端っこで隠れる。喧嘩になったら私はまず勝てない。
ただでさえ目立つ髪色をしていて目につけられることが多いのだ。なるべく見つからないように息をひそめなければ。
そうして数分すれば喧騒が静まった。どうやら二人そろって当たり所が悪く気絶したらしい。ちらと顔を出して確認してみれば胸が動いているのが確認できる。どうやらどちらも死んではいないようだ。
死んでいないのを見て安心したからだろうか、ふと気が緩んだ。死体なんて一日に何度も見るべきものではない。
そのせいで、後ろから近づく誰かがいたのに気が付かなかった。
「あなた、何をしているの?」
「きゃっ・・・」
飛び上がらなかった自分をほめたいくらいだ。心臓がひどく煩い。バク、バクと警告を発している。
声の掛けられた後ろを振り返れば、そこにいたのは孤児には似つかわしくない綺麗な格好をした金髪の女の子だった
「ねぇ、何をしているの?」
「あ、えっと」
「あ!ごめんなさい。見知らぬ人と話す時はまず自己紹介をしなさいってパパが言っていたわ」
「パパ・・・」
その単語が示すことを知っている。親のことだ。私が持っていないもの。
いや、ここらへんで孤児をやっている子供はみんな持っていない。私の両親は数年前に魔物がたくさん街にやってきたとき、巻き込まれて死んでしまった。
私が今よりずっと小さい時のことだ。声も顔もすでに忘れてしまった。
「私はエキナセアっていうの。あなたは?」
「・・・名前、ないです。ごめんなさい」
「ないの?」
正確には覚えていないだ。だけど私にとっては覚えていないもないもどちらも大差がない。
「・・・はい」
「え、っと・・・まぁいいわ!それじゃあ私が勝手に呼ぶから!そうね、髪が二色で真ん中と外で色が分かれてるから、プリムラちゃんて呼ぶから!確かそんな花があったはず!」
「プリムラ・・・」
「言いたいことはわかるわよ!また次あうまでにちゃんとした名前を考えておくわ!」
「次?」
つぎなんて、そんなまた会うみたいなことを言われても困る。彼女と遊んでいてはご飯を探すことができない。
「これで私たちは友達よね!」
だけど、なぜだろうか。私を友達と言い笑顔で声をかけてくれる彼女を見ると、それでもいいと思ってしまうのは。
死にたいわけじゃない。寧ろ死にたくないと思う。また、彼女と話したい。
「また来てくれるの?」
「友達になったんだから当たり前じゃない!」
「・・・ありがとう」
「あ!ちょっと何今日は終わりみたいな雰囲気出してるの!私はまだ話したりないわ!私の話を聞いてくれる?」
「うん」
私が話すことなんて何もない。毎日ただ歩いてご飯を探すだけの生活だ。この辺りに似合わないほどきれいな格好をした彼女にふさわしい話すことなど私は思いつかなかった。
「私ね、お医者さんになるのが夢なの!」
「お医者さん?」
「そう!怪我とか病気を治す人になりたいの!」
「なんで?」
「恥ずかしいんだけど・・・パパがお医者さんなの!パパは何でも知っているのよ!だから私もパパみたいになりたくて、ふぃーるどわーく?っていうのを試しに来たの!」
「そう、なんだ」
パパとやらのことを話す彼女はとてもきれいに笑っていて、本当に大好きなのだということがわかる。聞いているだけで私も嬉しくなってしまうほどに彼女の言動は好きに溢れていた。
ただ、それを話す彼女に嫉妬する私もいた。私は親を持っていないのに、こんなに不幸なのに。幸せそうな彼女は親という幸せまで持っている。
「・・・」
「プリムラちゃん?どうしたの?」
「あ・・・ごめんなさい、どうかした?」
「とりあえずここら辺を探索したいの!案内してくれない?」
「・・・いいよ」
彼女と一緒にいれば、私も幸せになれるだろうか。
それは私にもわかる事ではないけど、私を友達と呼ぶ彼女ともっと話してみたいという気持ちは、嫉妬の感情よりも強いものだ。
「あっち、行きましょう。・・・エキナセア、さん」
「エキナセアでいいわよ!始めてくるところだから楽しみだわ!」
「・・・エキナセア」
「なに?」
「・・・ううん、何でもない」
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