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病気なんかに負けません!  作者: あるにゃとら
0歳~

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 私の魔法適性を調べた次の週、ついに初めての身体強化の練習を行うため、先生と共に私は庭に出てきていた。

 この場にいるのは先日と同じようにカリーナと先生と私。お父様は仕事中で、グラン伯爵様は復調したと同時に帰ってしまったらしい。

 お父様があいつはここまで礼儀が生っていないやつだったかと不思議がっていた。


 ちなみになぜ日にちが開いているのかというと、私が疲れのあまり気絶するように眠ってしまったことを憂いたお母様から勉強禁止令が出たから。お母様は少し過保護気味なようで、できれば1週間は休んでほしかったみたい。


 だが私には今世初めてのお出かけがかかっているので、魔法はだめでもいいからせめてほかの勉強はさせてほしいと頼み込んだ。

 おかげで歴史の講義と礼儀作法の講義は少ない時間ながら受けられることになった。

 今は言葉遣いの勉強中だ。


 お父さんをお父様、お母さんをお母様と呼ぶのもその一環である。これに関しては抵抗なく受け入れられた。なんだか格好よく感じるし。


 それと、歴史を学ぶ中で身分制度とかも学んだ。


 この国アウラ王国には身分制度として上から順に王、公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵、騎士爵という風になっている。これに加えて辺境伯もあり、アウラ王国に存在する貴族の数は100を優に超える。

 私が生まれたブルーム侯爵家は上から3番目なのでかなり偉いらしい。それに準じて管理する領地の範囲もかなりのもの。お父様が毎日疲れているのも当然だったようだ。


 それを全部覚えろと言われたので、この1週間で全部詰め込んだ。貴族にはそれぞれ家紋があるから、家紋の特徴と家をセットで覚えるのだ。


 正直なところできるわけないと当初は思っていたのだが、この身体は前世の私の身体よりも高性能らしい。スポンジのように覚えたことを吸収して忘れないものだから、歴史の先生がしきりに「天才だ」と褒めてくれて調子に乗った私がさらにがんばってしまい今は少し飛び越えて先の勉強を始めている。

 戦争とか他国との関係性の勉強だ。


 うん、戦争。アウラ王国は初代王が強さをもって建国した王国だから、貴族たちも血気盛んらしい。ここ10年くらいはしていないみたいだけど、それでも30年ほど前には戦っていたそうだ。


 強さこそが絶対。それがこの国の貴族のルールだ。元日本人の私は野蛮じゃないかと感じてしまうけど、これまでそれでうまくいっているということはそれが正しかったのだろう。

 いまでもアウラ王国には魔物の住む森がたくさんあると聞くし。

 それらから身を守るためにも、力というのは必要なのだ。


 そんなわけなので、私は身体強化の訓練もまじめに取り組みたい所存だ。先生曰く、身体強化さえ使えれば最低限身を守れるらしい。

 仮にほかの貴族と決闘することがあっても、身体強化があればよっぽど当たり所が悪くない限り死にはしないと言われた。


 そう、昔ながらの文化として決闘があるのだ。ルールは簡単、決められた範囲で魔法、剣、体術等何でもありの戦いを行い、どちらかが降参もしくは死亡したら終了。勝った方は負けたほうに絶対守らなければいけない命令を行うことができ、今でもしばしば使われる儀式の一つ。

 これらを学び、私は一つギリギリ荒唐無稽とは言えないような仮説を思いついた。


 初代王の伝えた力こそが絶対は、当初は魔物に対しての力を指していたのだと思う。でも時代が進み、それぞれの貴族が領地を豊かにしようと考えた結果、いつの間にか力は魔物に対してだけではなく人に対しても同じ意味を持つようになった。私はそう考えている。


 ただの想像、妄想ともいえる様なものだけど、私はこれが結構いい線言っているんじゃないかと思っている。

 わざわざ魔物の住む森を切り開き建国した人なのだ。きっと人同士の争いなどしたくなかっただろう。

 建国した当初は人も少なく、たまたま訪れた商人が話を広めてどんどん広くなっていった国らしいし。


 反対に、全然うまくいかなかったのは礼儀作法だ。

 言葉遣いはまだ何とかなる。お嬢様っぽく話せばいいだけなので。もし違っても先生が指摘してくれるし。


 ただ実際に動くとなるとそうはいかなかった。フォークとナイフの使い方などどっちの手で持つかくらいしか知らないし、ティーカップで紅茶をたしなむときはついついカップの下の方にも手を置いてしまう。

 抹茶を好んで飲んでいたのが裏目に出てしまった。


 なのでこればっかりは前世の記憶などほとんど役に立たずほぼ0からのスタートだ。それでもこの身体の高性能ぶりはすさまじく、先生が「飲み込みが早い」と褒めてくれた。

 できればもっと褒めていただきたい。褒められれば褒められるほど頑張るので。

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