例え転移直後でも戦闘は免れないようです
はじめまして‼ライトアです‼頑張ります‼(以上(ん?なんか問題ある?ないよな?(圧)))
この世の中は、全て運で決まる。
神はいつだって不平等。
そんなこと現代じゃ当たり前。
分かってはいるがやはり理不尽だ。
もし、俺が神になったのならその時は…
全員に平等に不幸を与えよう。
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「おいヒナタ、またサボったのか?」
「あ?」
窓をボーっと眺めていたら俺の幼馴染、炎が話しかけてきた。なぜか高校になっても絡んでくる変なやつである。
「んだよエン、つかそれで呼ぶなって何回も言ってっだろ。陽だ。」
「じゃああんたもアタシのことほむらって呼べよ。」
一応炎は言葉使いはあれだが顔だけ見れば完璧美女だ…顔だけ見れば。
「成績優秀、運動神経抜群、童顔…あんたの悪いとこは性格オンリーだなw」
「あ?やるか?」
「いいぜ上等、やってやろうじゃねえか表出r「ちょぉぉぉぉぉっっっっとまぁぁぁぁぁっっっっっったぁぁぁ‼」「「チッ…今回も来やがった…」」
来たのは腕に”生徒会”の文字が書いてある布を巻いてる一人の女子。生徒会長の天野、うちの学校は複数の会社が運営支援をしているのだがその中でもダントツの支援金額なのが天野財閥。
もう分かったとは思うがこいつはそこのお嬢様であり、俺の数少ない幼馴染の一人。あだ名は努力マン。
「あなた達の喧嘩は極端に言えば災害なの!あなた達が喧嘩した後の片付けを誰がすると思ってるの⁉この前だって十枚以上壁ぶっ壊したでしょ⁉」
「あーすまんすまん予算増やしてやるから安心しろ。」
「その増えた分って修理費だよね⁉そうなんだよね⁉」
「ご想像におまかせする。『キーンコーンカーンコーン』チッもう4時間目が始まんのか。」
「あの約束忘れんなよ?」
「わぁってらぁ。」
「頼むから忘れてぇぇぇ‼」
4時間目は英語…ダル…まぁ小テストあるらしいし受けないと無駄に変なやつを書かされる羽目になる。
「んでこのunlikeっていうのは…」
早く終わってくんないかなぁ…そんなことを思いながら教科書を盾にしてスマホを開く。英語の先生はあまり黒板近くから移動しないので絶好の時間だ。
実は俺は性格に合わず異世界転生とかそーゆー系統のアニメや小説、漫画などが大好きだ。だからこうして隠れて小説なり漫画なりを沢山読んでいる。
まぁ、そんな楽しい時間を過ごしていると時間が過ぎるのもあっという間なわけで、体感時間は十分ぐらいで終わった。昼休みに入り皆が動き出す。
食堂で食べる人達、教室で食べる人達、裏庭で食べる人達、様々だ。
まぁ俺とエン、天野は決まって教室で食べるのだが…なぜか俺らが食い始めるとみんないなくなる…なぜだ?
そして…不意に放送の合図である音が鳴った。
『み~なさ~ん‼こ~んに~ちは~‼皆さん、突然ですが異世界に行きたいと思ったことはありませんか!?』
OK、放送事故の真っ最中だな、よくわかった。
『返事ないですね~。まぁいいですよ聞いていただいた後で結構です!』
メンタルが強いのか…はたまた言ってることが本当なのか…
『う~ん…まぁ、僕が言いたいことは簡潔に言うと異世界転移したくね?ってこと。口だけで言ってもわからないだろうし…よっっと』
「「「!?」」」
そうすると床に魔法陣のようなものが描かれた。
教室にいた俺やエン、千喜を含む数名はその現象に大層驚いた。そしてもちろん
「なぁ‼早く出ようぜ‼こんなもん…開かねぇ!?」
どうやら、対策は既に済ませているらしい。
「はぁ…それで神様?俺はなにをすればいいんだ?」
『やぁ~っと反応来たよ…それはそうと、なんで僕を神だと?』
「こーゆー展開は大方神様だろ。」
『そーゆーものなんだね〜人間ってやっぱ不思議…ごめんごめん、君たちが聞きたいのはこれじゃないよね。僕が君たちにしてもらいたいことはただ一つ、異世界に行きたい人がそこの魔法陣に乗って欲しいってことさ。』
「…つまり強制ではないと?」
『そそ。さて、この中に生命の重さがこことは全然違っていつ殺されても文句が言えないような世界に行きたい勇気と無謀を履き違えてるものはいるかな?』
「んなん決まってんだろ。俺は…」
「「行く。」」
「「は?」」
「ええっ⁉二人共行くのぉ⁉」
「おん、面白そうだしな。」
「アタシはヒナタが行くなら付いてく。」
その後、天野はしばらく悩んだ後、
「んああぁ‼もうっ‼じゃあ私も行くよ‼あなた達を放置してたら向こうの世界が滅びそうだしね…」
「んじゃ決定だな。おい神。」
『神様に対してその態度は酷くない?まぁいいや。魔法陣乗ったね?じゃあ送るよ〜』
新しいタイプだな。異世界に行けるか選べるタイプのやつ…異世界か…楽しみだ。
『あっ⁉待っ…術式…狂っ…⁉』
…前言撤回、むっちゃ不安になってきた。だが、そんな俺の不安はよそに転移が開始された。
『身体構成の再編成を実行…可、スキル適用…可、魔力適用…可』
そんな無機質な声が不思議な空間にいる間ずっと響く。エンや千喜と話してたとしても流石に暇になってきたが、
『世界への完全適合が完了しました。』
よし、後は転移を待つだけ…
『謎の余剰時間が発生したためそれの処理に移行します。転移まで今しばらくお待ち下さい。』
「ふぅん…まぁつっても数分だけだろ。スキルとかの確認は…出来るみたいだな。今のうちに色々なれておくとしようぜ。」
「それもそうだな…お〜い神様ぁ〜⁉聞こえるか〜⁉」
『や…繋がった‼よ〜しよしよしOKOK。万事解決〜♪』
「ボキャブラリーどうなってんだよ…まぁいいや。そんで俺らのスキル…?ってやつのやり方を教えてくれ。」
「そそ、そうじゃないと向こうで暮らせないしね。」
『分かったよ。じゃあ君たちが召喚された経緯から話そうか。それはね…』
そこから(自称)神は色々なことをいい始めた。まず、俺らが呼び出された理由は呼んだ側である帝国が別国と戦争をするためらしい。しかも召喚された奴ら(以後勇者と呼ぶが)をそのまま使うわけじゃなくて殺してスキルやらなんやらを奪うためだという。だから転移したのを確認したら速攻で逃げるのが得策だと考えた。後、本来俺ら勇者にこの様な時間が設けられることはないのだという。つまり俺らはラッキーってことだ。そしてこの世にHP、MPという概念はないらしく元いた世界とそこだけは同じらしい…がスキルの権能にレベルがあるあたり、少しゲームの要素も含んではいるようだ。
『さて、早速スキルの確認から行こうか。まず千喜さん。スキルって心のなかで言えばわかるよ。ウィンドウが表示されるからそれを見ててね。』
「は、はい!えっと…出ましたけど…?『天使』っていうらしいです。」
『なるほど…どれどれ…
スキル:天使
権能:聖属性魔法Lv5、聖属性強化Lv1、魔法耐性Lv3、魔力操作Lv5、詠唱破棄Lv2、魔力消費軽減Lv4、成長促進、全翻訳、(習得済み全権能Lv補整)
加護:創造神の寵愛
へぇ…初期にしては割と強いじゃないか!』
「なぁヒナタ、説明してもらえるか?」
「おう、いいぞエン。まず聖属性魔法…これに関してはよくわからん。聖属性強化、これは威力上昇だろうな。魔法耐性、魔法に耐性がつく…んまぁ特防みたいな感じだ。魔力操作、魔力の精密な操作が可能でその分威力がでかい魔法が出せんだろ。詠唱破棄、あんま言いたかない厨二病発表会みたいな詠唱を省略できるってこと。魔力消費軽減と成長促進…これはそのまんまだな。」
「ふぅ〜ん。まぁいいや。次、アタシだな…おk、出た。神様〜」
『オッケー…え〜っと
スキル:炎化身
権能:炎魔法Lv6、魔法耐性Lv4、魔力操作Lv2、詠唱破棄Lv0魔力消費軽減Lv3、全翻訳、(習得済み全権能Lv補整)
加護:創造神の寵愛
うん、千喜さんよりかは権能は少なめだけどその分初期のレベルが高いね。』
「分かった。じゃあ次は俺だな。」
(スキル)
「おわっ…本当にでた…神様〜確認ちょーだ〜い」
『りょ〜か〜い。どれどれ…
スキル:人間族
権能:人間が一応使える権能を常時自由使用可能スキルポイントを使って使用することが出来る。尚、全耐性Lv1まではは元から習得済み。常時自由使用可能スキルポイントは魔獣や盗賊を討伐する等で増やすことが出来る。スキルごとに消費するスキルポイントが異なる。使用するスキルポイントが高いほどスキルは便利になる、全翻訳
現在常時自由使用可能スキルポイント:35P
加護:創造神の祝福』
「「「『…』」」」
「つまり…これ…」
「やろうと思えば…すべての権能を習得できるっていう認識であってる…よね?」
『う…うん…多分』
沈黙が続く。
そしてその後、軽くスキルを試し打ちするなどして時間を潰してやっと…
『あ、出来たみたい。』
「お、ついにか」
『みんな、魔力制御と魔法の使い方は大丈夫?』
「おう、バッチリだ。」
「アタシも」
「わ、私もです‼」
俺はスキルポイントを全て空間魔法につぎ込んだ。一レベ上げるのに5P使ったからLv7なのである程度は使えるし、加護のおかげで魔力も大量だ。
『いいかい?すぐ逃げるんだよ?』
「ああ、分かってるよ。んじゃ行ってくる」
「行ってきます!」
「またどっかでな〜」
『ああ、健闘を祈るよ』
〜〜〜
そして俺たちの体は光りだした。思わず目をつぶる。そして光が止んだ先に見えたのは…
(チカチカすんな…目が慣れ出して来た。ここは…)
見えたのは…宮殿だった。そして俺に続きエン、千喜が来た。
「来たね…よしヒナタ、さっさと起動させろ。」
「分かってるっつ―の…捕まれ。」
そして俺は魔法を起動する。そしてまぁ…厨二病発表会第一品目は…
「我ら神徒をこの汚れた宮から救い給え!転移‼」
我慢だ我慢!となりでエンが爆笑してるけど我慢だ‼だが…現実は残酷だったらしい。魔法陣が…
パリン
割れた。
「…⁉」
「おい、ヒナタ!何やってんだ⁉」
「分かんねぇよ…急に割れちったから…⁉」
とある音が…聞こえてきた。拍手の音だ。
「やぁ神徒様方、お目にかかれて大変光栄です。」
女性…だが鎧を来ているし腰に剣を携えている。騎士と見て間違いないだろう。というか、ここでは勇者のことを神徒って言うんだな。
「お前は…?」
「紹介が遅れて申し訳ございません。私、このモイブ帝国の騎士団長兼第一部隊の隊長をさせてもらっているセナ=グレイスでございます。」
早速騎士団長さまのお出ましかよ…
「千喜」
「なに?」
「天使之翼揚の用意はできてるか?」
「準備万端よ。」
「じゃあ321の合図でエンを抱えて取り敢えず国外まで飛べ。」
「陽くんは?」
「俺はアイツを引き付けておく。大丈夫だ、隙きを伺ってまた空間魔法を発動する。だから…」
「分かったわ。炎ちゃんもいいわよね?」
「ああ、天井はアタシが破壊するから全速力で飛べ。」
「OK、じゃあ行くぞ。」
3…
「聖属性加速…」
2
「破壊…」
1…
(使用スキルポイント30P、身体強化Lv10(MAX)…‼)
「Go‼」
「爆弾‼」
「はぁぁぁ‼」
「ほう…」
俺は地面を蹴って距離を詰める。身体強化の内容に思考加速があってよかった。もしなかったら訳も分からず壁に激突する未来だけだっただろうしな。まぁだがそんな攻撃はもちろん、
「騎士団長は伊達じゃない…か。」
「中々に速い…顔を見る限り全力ではないでしょうがここまでとは…それではこちらからも、ふっ!」
「チッ‼」
恐らく向こうが使ってるスキルは「剣術(上)」だろう。「鑑定」は必要スキルポイントは5Pだが、Lv1程度では相手の名前、性別ぐらいしか鑑定できないので使ってはいない。だが、スキル確認の時にちょっとばかし覗かせてもらったのである程度の対応はできる…筈だった。
「ハッ‼」
「マジッ…⁉」
どんどん体に切り傷が増えていく。速さ自体は俺とそう変わらない…だがそれ故に向こうに剣術(上)があることで力の差がどんどん露見していく。俺も素の状態で体術(中〜上)ぐらいはもう会得しているものだと思っていたがそうでもないようだ。
「だったら…」
(使用スキルポイント5P、空間魔法Lv1‼)
『転移』
俺は団長の後ろに回り込んでドロップキックを放つ。たかが数mぐらいならLv1でも転移可能だ…ちょっち魔力を多く使うが問題はない。一番の問題は…
「おいおいマジか…」
「無駄に訓練しているわけではないのですよ神徒様。」
その攻撃すら受け止められてしまったということだ。だが、この攻撃の目的は初見殺しだけではない。これのもう一つの目的は…『魔法が発動できるか』だ。
中から外に行く魔法は破壊された…だが中から中に移動することは出来た、これらのことから俺はこの宮殿が魔法干渉断絶結界を張っているといいう仮説をたてた。このままじゃ変数がないかぎり徐々に俺が押されてゲームオーバーが関の山だ。そんなオチじゃつまらない。死ぬにしても最後まで抵抗してから死にたい。
「ふぅ…」
「どうしたのですか?もしかして…死ぬ覚悟でも出来ました?」
「んなわけない…とは言い切れねぇがそれと同時に…生き残るためにどんな苦痛でも耐えて見せるっつぅ覚悟もできた。」
足に力を込める。全身には通さない。足だけに全てを込める。もしこの建物が二階以上じゃなかったら…まぁ万事休すになるだろうが…な。
「オラァァァァ‼‼」
「なっ⁉」
俺は勢い良く上に飛び上がった。
〜〜〜
身体強化Lv10…今までの過程を見ればあまり難しくないように見える。だが、身体強化はLv10にもなると実際は音速には及ばないものの、それに近い速度で動くことができるようになる。
そして俺の蹴りの影響で、床が崩れた。
「なっ⁉」
俺がこんなことをするものかと思っていた団長さんは態勢を崩して今にも落下しそうでいた。それに対し俺は、自身の蹴り基ジャンプによって遥か上空に上がっていた。
そして俺は最後にこう言う。
「ありがとな騎士団長さん‼あんたのおかげで色々分かったぜ離れるのは名残惜しいが俺も俺の事情があるんでね‼んじゃ‼また‼」
『魔力追痕』によって俺は二人の場所がわかる。二人ももう国外に逃げているし、二人の場所までならLv5ぐらいまでで十分だ。速攻で空間魔法を起動することにしよう。
(合計使用スキルポイント35P、空間魔法Lv5、魔力操作Lv5‼)
『転移』
俺は国外にいる二人の真横にワープした。どうやら天使之翼揚は解除して、走ってるらしい。
「うわぁ‼‼」
「んだよ千喜、驚かせるな…ヒナタ、生きてたんだ。」
「まるで死んでほしそうな言い方と顔だなぁおい。」
「まぁまぁ…あまり帝国から離れてないんだし離れてから色々やるよ。」
「へいへい…んじゃ、俺に捕まれ。とりま十数km離れりゃいいか?」
「ああ、頼む。」
そして俺は身体強化を毎度のごとくLv10まで上げて走った。
これから起こる面倒事を考えると頭がパンクしそうだが…いいや今は無心で走っていこう。その先に光があると信じて。
〜〜〜
使用スキル
『剣術(上):剣の技術が大幅に上昇する。レベルが上がる、又は元の技術が高いほど効果が増大する。必要スキルポイント10P』
『空間魔法:空間を司る魔法。レベルが上がるほど使える空間の拡張と威力の向上が見受けられる。必要スキルポイント5P』
『魔力操作:魔力の精密な操作が可能。レベルが上がるほど操作の精密さが上がっていく。魔法のレベルと同レベルであればより威力の高く、コスパもよい魔法が撃てるようになる。』
加護
『創造神の寵愛:全権能にプラスでレベルにバフがつく。Lvの上がり具合は権能の規模により増減する。』
『創造神の祝福:魔力が大量に増える。これは自身の強さ(権能のLvなど)が上がった際に起きる魔力量上昇に影響されない。』