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後編 「現・実・世・界」

学校が終わり、家へと帰る…今日は瑞樹のお通夜だ。

ママと一緒に参加する予定…。


「…ただいま」


「…おかえり、瑞樹ちゃん家に行くわよ、すぐ準備して…制服のままで良いから」


「…うん、カバン置いてくるね」


そのまま階段に上がり、自分の部屋に入る。机の上に鞄を置いて…。

身だしなみを整えるため、鏡でチェックをする…。

泣きすぎて…目が腫れてる…こんな顔で学校に行ってたんだ…気が付かなかった。

なんて酷い顔…少し、化粧で誤魔化していこう…。

ファンデーションとコンシーラーを使って目元をぼやかそう…。


「…愛生ーまだなのー?」


「ごめん、すぐ降りるから」


とりあえず…これでOKかな?鏡でもう1度、チェックして…。

それから降りて、ママと出かけた。


行き慣れたはずの瑞樹の家…何だかいつもと雰囲気が違う…。

玄関を開けて…來海ちゃんが出迎えてくれる…。

おばさんがいて…久しぶりにおじさんに出会った…。

何ヶ月ぶりだろう?前見た時よりも…少し痩せた感じがする…それに疲れた表情している…。


「…よく来たね、朱美さん…それに愛生ちゃん」


「…こんばんわ…和樹さん、少し…痩せましたね」


「…ああ、仕事が忙しくてね…だけど…瑞樹のためだ、仕事している場合じゃないよ」


おじさんは、中学の頃からずっと単身赴任してて、滅多に家に帰ってこない…。

ママとは、学生の時代からの友達だったそうだ…。


「…おじさん、こんばんわ…お久しぶりです」


「…こんばんわ、愛生ちゃん、久しぶりだね…瑞樹のこと…すまなかったね」


「え!?何で謝るんですか!」


むしろ…謝るのはボクの方だ…近くにいながら…瑞樹の変化に…気が付かなかったんだから…。

瑞樹を守れなかったことをおじさんに謝ろうとしたんだけど…おじさんが話をつづけた。


「…妻に家庭の事を押し付けて…ただ働く事しか出来なかった、ふがいない父親だよ…」


「…來海が産まれてから、瑞樹のこと…かまってやれなくて…父親らしくしてなかった…」


「そんなことないわ、あなた!…あなたが頑張ってきたから、お仕事してくれたから」


「私たち家族は、何不自由なく、生活してこれたのだから…悪いのは私の方だから!」


「子供たちのことは任せて!って言ってたのに…瑞樹のこと…何もわからなかった…」


おじさん、おばさん、來海ちゃん…お互いが自分たちの責任と言い合っている…。

なんて素敵な家族なんだろう…なのに、瑞樹は…何も言わず、去って行ってしまったのだろうか…。


「…みなさん、瑞樹ちゃんの前で…お互いを責めあわないでください…悲しみますよ?」


「…そうだったな、すまない朱美さん、愛生ちゃん。立ち話もなんだし…どうぞ、こちらへ」


瑞樹が眠る…棺桶が設置されている、リビングへ案内された…。

中央に、笑顔の可愛い瑞樹の写真が置いてあって…周りをお花で飾られている…。


それからみんなで、瑞樹のことを語り合い…懐かしみ、笑い、泣いた…。

そんな中、飾られてる瑞樹の写真を…じーっと眺めながら…。


『みんなから愛されていたのに…何で、瑞樹は…黙って…居なくなってしまったの…。』


答えるはずのない…瑞樹に、そう話しかけるのでした…。



そして…夜が明け、朝起きて学校へ向かう…。今日も瑞樹は…いない…。

今日は、瑞樹のお葬式がある日だ…泣くのはやめよう…せめて笑顔で送ってあげよう…。

そう心に誓い、学校に向いて歩きだした…後ろは振り向かないよ。


教室に入ると…瑞樹のことで…話題になっていた。

私は席に着き、みんなの会話をぼぉーっと聞いていたんだけど…その中で気になる会話を耳にした。


「…ねぇ、朝比奈くんの自殺の原因って…イジメを苦にしてのことだって…ニュースで言ってたよ」


「うんうん、全身に痣がいっぱいあったらしいとか…飛び降りでの傷じゃないみたいって」


私は、そんな会話をしている女子生徒の所に走り出して…。


萱野かやのさん!…さっきの話って…本当なの!?」


「え!?和泉さん?…うっうん、昨日のニュースで…そう言ってたよ?」


昨日のニュースでそんなことが流れていたなんて…全然知らなかった。

おばさんや來海ちゃんから何も教えられなかったから…これは確かめないと!


「ありがとう、萱野さん」


「え!?あーうん」


自分の席に戻り、席に着く…。萱野さんたちは、何だかきゃあきゃあと叫んでいたが…。

でも、とてもいい情報をゲットできた、普段ニュースを見てないのが、あだとなるとはね…。


それから、授業は進み…放課後となって、帰る時間となった。

早く帰らなきゃ…瑞樹のお葬式に出なきゃ、帰る準備をしていると…。


「夕方から、瑞樹くんのお葬式でしょ?私も行くから…早く帰って準備しなよ」


「うん、分かってる。…ボク、先に帰るね」


「あっうん…また後でね」


キョトンとしている華奈ちゃんをよそに…私はカバンをもって教室を出た。


「あれ!?昨日と違って、何だか元気だったな…あの子…何かあったのかな?」


「今朝あった時は、昨日と同じ感じだったんだがな…」


そう言って、俊介くんが隣に来ていた。


「まぁいいんじゃね?愛生ちゃんらしくて…少しでも前に進めたら、それで良いと思うけどな」


「それもそうね…ぐずぐずしてるのなんて、あの子らしくないもんね」


「とにかく、見守ってやろうぜ」


「うん、そうだね…私たちも帰ろっか、お葬式に行かないとだし」


「だな」


そう言って、私たちも教室を出た。


瑞樹のお葬式が始まった…ボクは…未だに瑞樹がいなくなったことが…信じられずに…、

ずっと…何も言わない瑞樹の顔を眺めていた…。

周りでは、クラスメートの女子生徒の泣く声が聞こえてくる…。

ボクは…今まで泣いてきた分、今日は泣かないと決めていた…。


お葬式が進み、お坊さんのお経が終えて、お焼香が終わり…、

喪主である、おじさんから挨拶があって…いざ出棺の時間となった…。

棺桶が霊柩車に乗せられて…火葬場に向けて出発をした。

おじさんの運手する車に、ママと一緒に乗せてもらって、後を追いかける。


市内から車で20分ほどの距離にある、市が管理する火葬場に着いた…。

霊柩車から降ろされ…最後のお別れをする…。

瑞樹の棺桶が…火葬炉の中に入っていく…。

今から火葬される瑞樹を見ても…何だか夢を見ているようなそんな感覚で…何も感じなかった。


1時間後…火葬炉から出てくる、瑞樹の…変わり果てた姿を見て…、

本当に…いなくなってしまったんだ…って、もう…我慢が…出来なくて…、

その場で、大きな声を出し…泣いてしまった…來海ちゃんと…一緒に…。

思いっきり泣いた後、納骨を済ませて…瑞樹の家に帰ったときに…來海ちゃんに話しかけた。


「…ねぇ、來海ちゃん聞きたいことがあるんだけど…」


「なんでしょうか?」


「…瑞樹の身体に…痣がいっぱいあった…って、本当なの?」


「…愛生さんには、お話ししようか悩んだんですけど…余計な心配をかけたくなくて…」


「…でもお兄ちゃんのことですし、私のわかる範囲で…お話しします」


來海ちゃんの話は、刑事さんから聞かされた話のようで…、

瑞樹の死体の確認すると、飛び降りでできた傷以外にも無数の痣があったそうだ…。

他人から殴り蹴るを受けて、できてしまう打撲のような痣らしい…。

それで、自殺の原因がイジメではないかと、事情徴収を受けた…とのことだった。


「…お兄ちゃんから、そんな話を…聞いたことないし、私は分かりませんと答えました」


「…そうなんだ」


小さい時からイジメばかり受けてきた…瑞樹を、私がずっとかばってきた。

高校生になって、最近は元気だったし…イジメはなくなったのかと思っていた…。

そこに…落とし穴があったのかも知れない…。


瑞樹は、1人で悩み…誰にも言わずに…我慢する性格だ。

ボクたちが知らなかっただけで…ずっと一人で悩んでいたのかも…。

もし…そうだったとしたら…ボクたちの存在って…そんなちっぽけな存在だったのかな…。

そう思うと…すごく悲しくなってきた…瑞樹の…バカ!ホント…最後までバカだよ…。


イジメ…イジメか…1つ…気になる点があった。

中学時代に瑞樹をイジメていた2人の存在を…クラスは違うけど、同じ高校にいた…。

まっまさか、あいつらが…中学で散々、ボクが仕返ししたはずなのに…。

そう思いを馳せていると…。


「…何か…気になることが、ありました?」


まだ未確定な情報を伝える訳にもいかず…ここは誤魔化すことにした。


「え!?…ううん、何でもないよ。…でも、瑞樹は…勝手だよね」


「…ごめん…なさい」


「へっ!?なんで…來海ちゃんが謝るの!?」


「…妹して…家族として…お兄ちゃんの苦しさを…分かってあげられなかった…」


來海ちゃんが自分を責める…違う…違うから!


「それは…ボクも…一緒だから!」


「いつも…一緒にいて…ボクは瑞樹のことを…守っていると…そう思っていたんだ」


「…愛生さん」


「だから…だから!ボクも悪いんだ!!」


「もう…良いですから…それ以上…自分を…責めないでください!」


そう言って、來海ちゃんが私に抱き着いてきた…泣きながら。


「…來海ちゃん」


2人して…また泣き出してしまった…お互い慰めるように…抱き合いながら…大きな声で…。

人間は、ここまで涙を流せるのだろうか…それぐらい、今日ほど泣いたことが無い。

泣き疲れて、おじさんに…おんぶされて、家に戻った記憶はなかった…。



『チュン、チュン』


スズメの鳴き声で、朝が来たと感じ…目が覚める。

いなくなった…瑞樹のことを思って…何日も…何ヶ月も…何年も…、

生き続けなきゃ…ならないのだろうか…。

瑞樹のいない世界なんて…生きる価値が…あるのだろうか…。

…ううん、ダメダメ…1人でいると、良くない事を考えてしまう…。


昨日思いついた…1つの事を考えてみる。

瑞樹は、誰にイジメられていたのか…例の2人組だろうか…。

瑞樹のためにも…私が、真相を突き止めなくちゃ!

うん、見ててね…瑞樹、ボクが何とかしてみせるから!


学校に着いて…自分の席に座り、これからのことを考えてみる…。

確信もないのに、いきなりあいつらと決めつけて接触するのは…危険だよね…。

身近な所から情報収集することから、はじめてみよう…何か分かるかもしれない。

まずクラスメートから聞いて回り、華奈ちゃんと俊介くんの協力をお願いして…聞いて回ってた…。


誰もが、あの2人組を怪しいと睨んでいるが…瑞樹と接触しているところを見た人がいなかった…。

それと、事件当日の次の日から2人組は、学校を欠席しているらしい…。

それ以上の情報が得られることが無く…時間だけが過ぎて行った…。


いつの間にか放課後となり…それぞれ生徒は下校していった…。

事件の所為で、しばらくは部活は休みとなり、学校にいる生徒は徐々に減っていく…。

ボクは途方に暮れて…いつの間にか屋上へと来ていた…。


「こんなところに、いつの間にか花が添えられている…」


「ここから瑞樹が…飛び降りたんだよね…」


「そんな時…どんな気持ち…だったの?」


「なんで…ボクのこと…置いて行っちゃったんだよ…」


「ボクから…逃げないでよ…瑞樹の…バカ…」


答えるはずのない瑞樹に対して、文句を言いながら…その場で泣いていた…。

その時、階段を上る音がする…ここに誰かが来る!?

泣いてる姿は見られたくない…慌てて、屋上の扉のある裏側に隠れることにした…。

話し声が聞こえる…2人いる感じ…そんな気分じゃないけど、聞き耳を立てる。


「それでよー」


「ちょっと、お金が必要になってさ、マジ困ったわ…」


湯上ゆがみさんを怒らせると…マジやべーからな…」


「だろう!?…しかし困ったな…金取れるやつが、ここで死んじまったからな」


この声は…そっと話をする方向を覗いてみる…やっぱりあの2人組だ!

いつの間に学校に来てたんだろう?しかもこの話…もっと聞いてみよう…。


「マジ困ったよな…ちょっと脅しただけで、ここから飛びやがってよ!」


「ホントホント、こっちはお金が取れるところが無くなって…マジ辛いわ」


「しかもよー俺らが自殺に追い込んだって思いやがって…先公に根掘り葉掘り聞かれてさ!」


「ホントマジうぜーわ!こっちは融資するように頼んだだけじゃねーか」


「だよなー自殺とこれは別問題だぜ!こっちも被害者だぜ…まったくよ!」


この話…瑞樹の自殺と結びつく…やっぱりこいつらの仕業だったんだ!

真相を突き止めたよ…瑞樹!見ててね、きっちり敵討ちをしてみせるから!

隠れた場所から、出ようと思ったら、あり得ない光景を見せつけられた…。


「けっ!こんな所に花なんか置きやがって…目障りだ!」


瑞樹のために…献上した花を矢城が蹴り飛ばす…嘘でしょ!?


「だなー死んだ奴に分かるわけもないしな」


そう言って、矢城の行動に嘉原が笑う…人として最低な行動…酷い…許すことが出来ない!

怒りを露わにして、2人組の前まで走りだす!


「誰だ!?」


「あんたたち!さっきの話…聞かせてもらったわ!!」


「なんだ男女かよ…さて、何の話やら」


「しらばっくれないで!あんたたちでしょ!?瑞樹を追い込んで…自殺に導いたのは!!」


「はぁ!?何を言っているんだ?俺たちも被害者だぞ?言いがかりはやめろ!」


「そうそう!俺たちに問題あるとか…全くの見当違いだぜ!!」


あそこまで話をしておいて…しらばっくれてる2人に、すごく腹が立ってくる!

これは…中学時代のように、痛い目を合わせないと…分からないみたいだね!


「こっちは全部、話を聞いてたんだよ!今更、言い訳しても遅いよ!!」


「…瑞樹は、そんなに弱い人間じゃない…理由もなく、お金を渡すわけがないよ!」


「ボクの…ボクの瑞樹に…何をしたんだよ!」


「ひゃははー!おかしいなーおい!『ボク』のだってよー!!」


嘉原が笑いながら、ボクに指を指して、バカにしてくる…。

…笑い事じゃないよ…ボクの…大切な人を…奪って…バカにして!

許さない!2人を睨みつけた。


「あ!?何ガンくれてんだよ、てめえはよー!」


「矢城、落ち着けって。良いじゃねーか、折角だ…教えてあげてもさー」


「ふん!まぁいいか、教えてやるよー!」


『知ったところで何も出来やしねーか、女だし』


『女を黙らせるなんて、簡単だしなー』


2人でコソコソ話してるけど、そんなことはどうでも良かった。

中学時代のように、コテンパンにしてあげるんだから!

まずは…真相を聞いてからだね…それからでも、遅くはないから!


「…やっぱり…ボクの瑞樹に何をしたんだ!」


「な~に、こちらは何かとお金が必要でね…朝比奈に、少しばか~り融資をお願いしただけだ」


「そうそう!ちゃ~んと理解して納得した上で、出してもらっただけだ」


「…瑞樹が簡単にお金を出すわけがないよ!暴力や暴言で脅してやったんでしょ!!」


瑞樹は、ダメなものはダメって言える真面目で真っ直ぐな性格だ…。

何か弱みを握られたんじゃないのか…そうじゃないと理屈に合わない。

そう思っていたんだけど…ボクの予想を超える…返答が帰ってきた…。


「俺たちは、な~んもやってねーよ…ただ、朝比奈の側にいつも居る…」


「そう…お前だよ!」


「えっ!?」


矢城がそう言うと、ボクに指を指してきた…。ボクが…何の関係があるっていうの?

意味が分からない!驚いていると、矢城は話を続けた…。


「俺たちの言うこと聞かなければ…お前に手を出す!って言っただけだ」


「そうそう!すぐに出してくれたよーなぁ?簡単すぎてー笑えるよ!!」


えっ…ボク…の所為なの!?瑞樹が…苦しんでたのは…。

こいつらには…人の心ってものがないんだろうか…人の弱みを握って…つけこんで!


「飛び降りる前なんて…泣きながら土下座して、頼んできやがったしな~笑えるぜ!」


「まぁ、そんな頼み…聞くつもりはなかったけどな!」


許せない…ホントに許せないよ!泣いて謝っても、絶対に許さないからね!!


「許せない!あんたたち、絶対に許さないから!!」


そう言うとボクは、矢城に近づき…顔を目掛けてパンチを繰り出す。

決まった!っと思ったのに…矢城に軽く止められてしまった…。

えっ!?嘘??すぐさま手を戻し…身体を回転させて…回し蹴りを繰り出す!

これなら、どう?…でも相手に決まることが出来なかった…また止められてしまった。


「バーカ、いつまでもテメエに、やられる俺らじゃねーよ!」


「許す、許さない…ってことをお前が、決める事じゃねーし!」


そう言いながら、驚いてるボクに、タックルをを繰り出し…、

受け身が取れず…そのまま倒れてしまった、ヤバイ!?マウント取られた!?


「…痛っ…何をするの!?離してよ!」


「女1人で何ができるって話だよ…嘉原!足を抑えとけよ!!」


「ちぇっ俺は足かよ…まぁいいか」


2人がかりで、身動きが全く取れなくなった…。すごく…ヤバい状態になってしまった。


「ううっ…何を…するつもり…」


「暴力で黙らせるのも良いが…男と違って、女は傷が残ると…後々めんどくせーしな」


「お前は、顔も良いし…スタイルも良いし…ハァハァ、興奮してきたぜ!」


「女らしく、黙らせてやるよ!お前の身体にな!」


「いやぁぁぁぁー!!」


………


……




「嘉原!早く終われや~さっさと帰るぞ!!」


「矢城め…自分だけ良い思いしやがって、こんちくしょうが!」


「これに懲りたら、俺たちに…歯向かおうなんて思わない事だな!」


「写真や動画も撮ったし、この事は誰にも言うんじゃないぞ?バレたくなかったらな!」


そう言い放つと2人は、ボクの側から去って行った…。

屋上の床の上で寝ころんだまま、動けずにいた…。

嫌がるボクを…あいつらは無理やりに、ボクの身体を弄んだんだ…。


瑞樹のためにしたことって何だったんだろう…。

女のボクには…何も出来なかった…何も…して…やれなかった…。

瑞樹を…守って…あげられ…なかった…


涙がどんどん溢れてきて…止めることが出来なかった…。

悔しい…苦しい…悲しい…色んな感情が渦を巻き、ボクの頭の中を…負の感情が侵食していく…。


瑞樹は…瑞樹なりに…ボクを守って…くれてたんだね…。

それなのに…それ…なのに…ごめんね…ごめん…なさい…。


『…愛生ちゃん』


ふと、愛しい…瑞樹の声が聞こえたような気がした…。


「瑞樹が…呼んでる?…うん、ボクね、もう…疲れちゃった…」


「瑞樹…会いたいよ…今から…そっちに…行くね」


『…愛生ちゃん、大好きだよ』


「うん、ボクも…大好き…だよ」


ボクは…瑞樹に導かれるようにして…柵を乗り越えたのでした…。



『哀れな…2つのタマシイよ…』


『あるべき姿に…戻りたまえ…』


〇ネクストストーリー

「…ボクをお嫁さんにして」


やっと書き終えることが出来ました…。

本編を投稿してから…数年も過ぎてますしねw


本編を書く前提の設定として、この作品がある訳で…。

暗い作品となってしまいました…救われませんしね。

何とか頑張って書き上げることが出来ました…ありがとうございます!


これにて、瑞樹たちのストーリーは終わってしまいますが…

後日談とかの書き残しがあったりしますw…いつ書き上げるかは未定ですが…。

出せるかどうか怪しい所ではありますが…w


瑞樹の話以外にも、色々と妄想している話はあるんですが…

まぁ追々書いていけたらいいなーと思っています。

その時はぜひ読んでいただければ幸いです。


では、ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

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