表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/46

エルフさん2

ちょっち短い

「改めて私はリン、リン=ワースよ」


 おお、加藤やら小林やら斎藤じゃない!正直次は佐藤あたり来るんじゃないかと身構えていたので謎の安心感を覚えている。

 そして互いに軽く自己紹介を終えた俺達は教室で話をするのもなんだと場所を移動する事に


「ならボク達が良く使っている喫茶店に行こうよ」


 いつの間にか近くに来ていたルナの提案により喫茶店に決定。

 おい、俺に面倒事を放り投げたのに一緒に行くんかい!と内心で思ったがルナの上目使い+小首を傾げるという女の子特有の技に何も言えない俺。

いや、だってアレはズルくない?大抵の男はアレでヤられるぞ。

 そんな事を考えているうちに喫茶店に到着、ケーキと紅茶を注文する。


「さっきは急に悪かったわね。私って思い立ったらすぐに行動に移しちゃうのよ」


 ん?どっちの事だ?急に俺の所に来た事か?それとも尻の事か?


「尻の事か?」


いつもの悪い癖でポロリと口に出してしまった。

それを聞きリンは顔を赤くしながら


「急にあなたの所に来た事よ!」


 ああ、なんて良いリアクションをするんだ。

顔を赤くしながら律儀に答えを返してくれるなんて..........................最高だね!

溜めまで使ってしまう位に萌えてしまった。


「コホン、とにかく今回あなたの所に来たのは野外実習の事について聞きたかったからよ」


 気を取り直す為にコホンだなんて現実でやる奴なんて初めて見たぞ。

変な所に注目している俺を置いてリンの話は続いていく


「とにかく私は知りたいの。あなたの心構えや考え方を」


 おいおい、俺の事が知りたいだなんて。

女の子にそんな熱烈なアプローチをされた事がない俺にとってはもうドキドキだよ!

テンションが爆上がりしてくる


「もちろん!さぁ何でも聞いてくれ!」


「そう、ありがとう。じゃあ早速なんだけど...」


 俺の儚い妄想だったのは最初から解っていたさ。

それでも可愛い女の子からあんな台詞を言われたんだ脳内変換くらいやっても許されるだろ!?(キレぎみ)

 結果として聞かれたのはどこで実習の本質に気付いたか?とかそういう事に気付くためのコツは?等々。

ちなみに俺個人の事は全く聞かれなかった凹みそう。


「実践するのは中々に難しそうね」


 一通り俺の話を聞いた後リンはポツリと呟いた。

俺個人としては別段難しい事は言ってないと思ったがリンにとっては難しい事だったらしい。


「どこが難しい?」


 どこらへんが難しいのか興味を覚えたので聞いてみる事に、なにせ俺が話した事なんて簡単に言うと『疑問に思った事は放置せずに答えが出るまで考えろ』とか『常に最悪の状況を考えて準備、行動する様に心掛けろ』なんていうありふれたものだからだ。


「いえ、1つ1つとしては難しい事ではないわ。ただ線引きがね」


「線引き?」


「ええ、疑うのならトコトン疑わなきゃいけないでしょ?だけどイチイチ最悪の状況を想定していたんじゃ何も出来なくなるわ」


 成る程ね、もっともな疑問だな。

初めてのエルフさんだからな親切にしておくに越したことはないよね。

なので俺が使う線引き方法を教える事に

『初めてのエルフさん』なんかエロくて良い響きだ。


「それなら順番を決めれば良いんだよ」


頭の中では『初めてのエルフさん』というフレーズが飛び交いながらも至極真面目な顔を作ってリンに助言をする。


「順番?」


「そう、順番。優先順位を付けるの。自分にとって大切な人や物、価値観に触れそうな事柄から最悪を想定していく」


「優先順位か.......」

 

 俺の考え方を聞いて彼女がどの様な判断をするかは分からないが、ぶっちゃけ俺には関係ない事なのでどうでも良い。

 大切なのは彼女に対して親切にしたという事実のみ!上手く行けば彼女ないし彼女の知り合いのエルフさんと仲良くなる機会があるかもしれない。

けも耳と尻尾はないが耳の長いエルフさんもまた良い!やれる事からコツコツと地道な草の根活動が将来実を結ぶのだよ。


 俺が脳内ハーレムでウハウハしているうちに考えがまとまったのかリンが良い顔をしながら


「うん、勉強になったよ。おかげで取れる選択肢が増えたように思う、ありがとう。早速仲間たちに話をしに行かないと」


とお礼を言って走って行ってしまった。

まさに思い立ったらすぐ行動、走り去るリンの姿を見ながら果たして俺はちゃんと未来への種を蒔けたのだろうかと疑問に思うのだった。


 ところでチラリと隣にいるルナを見る。

彼女は結局なんで付いてきたのだろうか俺達の会話に参加もしなかったし。

っていうかちゃっかりとリンが頼んだまま放置していった紅茶とケーキを食べてるんだけど


「ん?どうしたの?ボクの顔に何かついてる?」


「いや、話も終わったしこれからどうしようかなって思って」


「あ!それならボクの買い物に付き合ってよ」


 俺が返事を返す前に席を立つルナ。

こっちもこっちでリンに負けず劣らず思い立ったらすぐ行動だな、なんて思いながら俺は急いでカップに残った紅茶を飲み干してルナの後を追う。


「フミヤ!遅いよ。はやくはやく」


「おう!分かったから少し待ってくれよ」


っていうか本当に何で付いてきたんだろう?



フ:何で?

ル:二人きりはダメでしょ?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ