8/15
王子様の訪問(1)
今日は今朝から使用人達が落ち着きなく走り回っている。
私はさっきからずっと侍女達に着飾られている。
私の姿を改めて見ると、白銀の髪に紺碧色の瞳。一見冷たい印象を受ける顔だが神秘的で綺麗な顔立ちをしている。
これは乙女ゲームのファンブックにも載っている情報だ。
コンッコンッコンッとノックが聞こえる。入ってきたのはお母様とお父様だ。
「あらあらリリーちゃん。可愛いらしいわねぇ。」
お母様は優雅に笑いながら私を褒めてくれる。他の家族は褒めすぎるが、お母様は叱る時は厳しいし優しい時は沢山褒めてくれてアメとムチだ。
「あぁ天使の様に可愛い!」
「…おとうしゃまくるしいよぉ」
「そうよ貴方、力緩めてあげて」
グリグリとほっぺを押し付けられるが、正直髭が痛いし苦しい。
「旦那様、奥様もうじき王子様が到着なさるそうです。」
優秀な侍女が私達を促す。…助かった。
「あらそうなの。では王子様をお出迎え致しましょう?」
「そうだな。ほらリリー手を繋いで行こう」
そう言ってお母様とお父様は私の手を握り玄関へ向かう。
ミカエル登場と思いきや…?次回は登場出来るように頑張ります!!