シスコンな(?)兄
1ヶ月がたったある日、ようやく自分の立ち位置が分かってきた。
私の名前はリリアンヌ・フェリスで、ヒロインを虐める悪役令嬢だ。リリアンヌは王家の次に権力を持つ家系の生まれで幼い頃から蝶よ花よと育てられてきた。第一王子と婚約者関係にあり、傲慢、自己中、権力でものを言わす最悪な令嬢。
で、今の状況に戻る訳だが家族構成は、母は綺麗系の美女で父は笑顔が眩しい美男。そして兄は甘いマスクで妹(私)に弱いシスコンだ。なんとも眩しい家族である。
「リリー…可愛いなぁ」
「クスッユリアスはもう妹に夢中なのね」
「だって、初めての兄妹だもん。嬉しくないはずが無いよ母上。」
家族は私をリリーと呼ぶ。
つなみに兄ユリアスは5歳だ。もう勉強も稽古もやっている歳だ。
私はまだ首が据わってないので動かせないし抱っこされるかベットで寝ているかだ。
「わぁほっぺプニプニだー」
ユリアスは私のほっぺをつんつんと触ってくる。私はユリアスの指を両手で掴みニギニギと触る。
なるほど五歳児なのにそれなりに硬い。
「リリーが僕の指を握ってる~」
感動を受けたように目をキラキラさせながらユリアスは私の方を見る。
赤子が指を握っているだけだそおい。大丈夫かユリアスよ




