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星5
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のり子は、ふとアンデルセン童話の『みにくいアヒルの子』の話を連想した。「僕は、決して醜いアヒルなんかじゃない。白鳥なのだ。」とでも、言いたかったのではないだろうか、と。また、この母親が保育士をしていたことから、仕事上で何かのジェスチャーでコミュニケーションをとるために、手話を使っていたのではないかと考えると、手を上げて手のひらを前に向ける形は、「恐れなくても良い」という、相手を励ます仏像のサインであるということだ。指の形は、親指と人指し指で輪を作る形になっていたという。様々な意味が考えられるが、端的に『お金』を意味しているのであれば、「僕は、母親の金稼ぎのために生まれたんじゃない」とも考えられるし、もしくは、「母親は、世間の体裁ばかりを気にして良い人間を演じてはいたが、本当はコイツは、金だけが目当てだったんだ」と言いたかったのかも知れない。あくまでも憶測だが…。