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考察委員会

2つの作品から小説ってこんなに自由な事を知る 「こんなハーレムは嫌だ」編

作者: 考察委員会

 「こんなハーレムは嫌だ」。

 小説を多く読んでいる者ならば、こう言った小説があるのも知っているだろう。


 ハーレムとは元々、男の夢を体現したような物である。

 その多くは自分と、自分を好きになってくれる複数の女の子達によってなっており、現代の日本では一夫多妻が認められていなくて、好きな女の子を複数人持てると言う魅力がハーレム物の人気の一因だろう。

 主人公には惚れられるだけの魅力があり、その魅力に惹かれて多くの女の子が彼を好きで囲むと言うのが、その過程やハーレムで主人公達が楽しんでいる所を見るのが面白い所でしょう。

 これに似た物としては、ハーレムを作っている友人の視点を描いた作品などもあります。


 しかし、人間と言うのは不思議な生き物であり、こう言った小説を楽しむ方が多いですが、それと同時にこう言った小説を嫌う傾向もあります。

 こう言った小説を見るのが嫌と言う層や、こう言った小説を嫌う面もまた多いです。

 「こんなハーレムは嫌だ」は、そう言った、ハーレム小説を嫌う面があるからこそ、生まれ出でた小説の系統だと言えるでしょう。


 「こんなハーレムは嫌だ」は、簡単に言えば主人公がハーレムを持っているのにも関わらず、不幸な目にあっているハーレム小説の系統を指します。

 例えばヒロイン達の愛情表現が暴力でいつも生傷が絶えないハーレム小説や、自分以外の全員が男だったはずなのに女になって迫って来るという誰得なハーレム小説もあります。

 読者達はそう言ったハーレム小説を見て、「うわっ、主人公災難だな」、「主人公頑張れ!」と言う気持ちを見て、一躍人気が出ていく事でしょう。


 今回はそんな「こんなハーレムは嫌だ」を扱った2つの作品をご紹介し、小説って皆さんが考えているよりも自由な発想で作れるんだなと言う事をご紹介致します。


 まず1つ目の「こんなハーレムは嫌だ」の小説は、こちら。

 なろうで登録されている福山陽士先生の作品、その名も「ネギトリップ!」。

 この作品はタイトルにある通り、トリップ物の小説であり、異世界に行ったらハーレムが出来ましたの典型的なパターンを逆手に取った作品です。

 この小説には最後には多くの女性たちが勇者である主人公を囲むのですが、この世界の登場人物……主人公以外全員ネギです。

 はい、あの食べる緑色のネギです。

 ストーリー的には普通に面白い小説でありながら、その作風から「こんなハーレムは嫌だ」と思いながら読んでいました。

 こう言った風に、ハーレムを囲っても、その人物が人間ではないと言うのはまた嫌なハーレムであり、面白いですね。


 2つ目の「こんなハーレムは嫌だ」の小説は、こちら。

 水鏡希人先生が電撃文庫にて出版された作品、その名も「ハーレムはイヤッ!!」。

 この小説もまた分かりやすく、主人公がハーレムを囲っているのに嫌だと言っている小説です。

 どう言う内容かをざっくりと説明致しますと、主人公は生徒会の美少女さんと現役モデルの美少女さんといつも一緒に居る事から、ハーレム野郎と思われており、すごい勢いで嫉妬されています。

 けれどもその真実は生徒会の美少女さんは自分の異父姉、現役モデルの美少女さんは自分の異母妹と言う事であり、ハーレムだと思っている状況は本当ではないと言う所です。

 誤解と偏見の中、主人公が本当に好きな人にはハーレム野郎と思われて嫌われており、学校にはほとんど居場所はなく、相談しようにも家庭的な複雑な事情から話せないという、残念っぷり。

 この小説はストーリーとしては面白く、斬新でありながらも、読者の心理を主人公への同情と言う面で引ける面白い小説でありました。


 今回ご紹介した2つの「こんなハーレムは嫌だ」の小説。

 1つ目の「ネギトリップ」はヒロインが人間じゃない所に面白みを感じ、2つ目の「ハーレムはイヤッ!!」では主人公が残念で可哀そうと同情を誘えます。

 同じ「こんなハーレムは嫌だ」の小説でも、こう言った違いが出て来ます。

 この事から小説って、作者の手によって色々な解釈や面白みが出せる事が分かって頂けたのではないかと思います。


 皆さんも是非、このエッセイを読んで「こんなハーレムは嫌だ」と言う小説を書いてみたら、いかがでしょうか?

今回ご紹介した作品について。

福山陽士先生「ネギトリップ!」

http://ncode.syosetu.com/n1892bs/

水鏡希人先生「ハーレムはイヤッ!!」

2010年10月10日にて電撃文庫より出版。全2巻。

http://dengekibunko.dengeki.com/newreleases/978-4-04-868974-8/

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