第6話 変わりはじめた日常
『私と結婚して、亮ちゃん』
昨日言われた言葉がまだ頭から離れずに残っていた。久しぶりに再会した幼馴染み真莉紗からそういわれた。でも幼馴染みとは言えど相手は世界の一流企業の令嬢だ。一般市民の俺と比べると高嶺の花だ。
おっと、そろそろ準備しないと。リビングにおりて朝食を食べ終わり着替えを済ませて出発しようとしたその時、インターフォンが鳴った
亮介「あれ?誰だ?杏咲か?」
そう思いながらドアを開けた。するとそこにいたのは
真莉沙「おはよー亮ちゃん!」詩夢「おっはーリョウ兄」ルカ「 おはようございます亮介様。」
昨日のお嬢様2人とメイド長だった。突然の出来事に一瞬びっくりしまい、動揺隠せなかった。
亮介「あ、えっと、お、おはよう」
流石に動揺を隠せなかった。
それも無理はない、だって世界企業のお嬢様が迎えに来たりしたから、おまけにそこらじゅうにspが目を光らせているしよ!
ルカ「では出発致しますので乗って下さい」
亮介「えっちょっといきなりってうわぁ!」
強引に車に乗せられたとおもいきや隣に真莉沙と詞夢、そしてルカさんが乗ってきた
なんで俺を迎えに来たのかわからないまま車が動き出した
亮介「と、ところで何でわざわざ俺の家に迎えに来たんだ?」
ルカ「お嬢様がどうしてもあなたと行きたいと言うので住所をつきとめたって訳です。」
亮介「は、はぁなるほど。ところで詩夢が着てる制服とこかで見覚えが・・・」
チェック柄のスカートに紺色のブレザーという組み合わせだ
詩夢「ふふふ♪どこのだと思う?ヒントはリョウ兄の卒業校だよ~~」
亮介「俺の卒業校?ああ雪乃崎中学のことか」
雪之崎中学校とは、俺が通っている北月高校から僅か10分程歩いた場所にある。略して雪崎中と呼ぶ人もいる。雪乃崎中学を卒業したら北月高校に進学する人もかなりいる。なんでも後輩たちといつでも会えるし、自分だけの時間割りが作れるっていうところが良いらしい。
亮介「その雪乃崎中の制服を詩夢が着てるって言うことは・・・」
真莉沙「そう詩夢も昨日から雪乃崎中学校に通うことになつたの」
亮介「そ、そうなんだ」
これは雪崎中の奴らもおおはしゃぎだな
そうこうしている間に北月高校に到着した。そこには登校してきた生徒達がいた。
あれ?そう言えば真莉沙ってお嬢様で人気者だよな、でもって俺は単なる一般市民、
そんな二人がのこのこと車から出てきたところを見られたら・・・・間違いなく付き合っていると思われる。
そうなったら絶対この学校中の奴等全員を敵にまわすことになつてしまう!!
亮介「ま、真莉沙、悪いけど先いっといてくれ」
真莉沙「え?なんで?」
亮介「いいから!!」
真莉沙が車から降りた後俺は車の後ろに隠れて人が多くなった時をみはからい人混みに紛れてなんとか見つからずにすんだ。
教室に行くと真莉沙は今日も男女共に構わず話しかけられていた。
そんな真莉に目もくれず俺は自分の席に着いた。
亮介「(あいかわらず人気だなぁ)」
なんて心の中でおもっていたら
杏咲「やっぱり亮介も岩田さんのこと気になるんだ」
と若干嫌味に聞こえる声が聞こえてきた。
亮介「いや、気になるというか人気者だなと思ってな」
杏咲「ふーん、」
亮介「なんだよその目は」
杏咲「別に、そういえば岩田さんにラブレター書いた人も居るみたいよ」
転校してからまだ1日しか経っていないのにもうラブレター書く人がいるのか、どんだけ人気者なんだよ
その後は杏咲と他和いもないはなしをしていた(真莉沙のこともちょくちょく気にしながら)。
4次元目が終わり昼休みになった。俺は弁当を買おうと売店に向かっていると男子たちが何やら話をしていた
「おい売店でめっちゃ美人なお姉さんが働いているみたいだぜ!」
「マジかよ!行ってみようぜ」
ふーん美人なお姉さんかちょっといってみるか
そう思って売店に行ってみると、いつも以上に混んでいた、しかも男子が多い、これはただ事ではないな。
ようやく俺の番が来た。そこで俺はその別嬪さんが誰なのかがわかった。
(とりあえず鶏唐弁当でいいか)
亮介「すいませ・・ん?」
ルか「いらっしゃ、あら亮介様」
あら亮介様じゃないよ!
亮介「ちょ、ちょっと、こんなところで何にやってんのルカさん?真莉沙のことはどうしたの?」
ルカ「実は弁当売りの人が大変忙しそうだったので少々手伝っておりました」
亮介「いやそうじゃなくて真莉沙の事はどうしたんですか」
ルカ「お嬢様の事でしたらspに任せましたよ」
亮介「いやあのね・・・」
誰にも聞こえないようにはなしていると、
「おい、早くしてくれよ!!」
「俺もう腹ぺこで死にそうなんだけど」
後ろからクレームが聞こえてきたので手っ取り早くお金を払って教室に戻った。
午後の授業も終わり下校の時間になった。部活に行く生徒も居れば俺みたいにバイトや塾に行く生徒もいるし、そのまま帰る生徒もいる。
俺は真莉沙から一緒に帰ろうと言われたがバイトがあるといって断った。その時真莉沙の顔が少し寂しく見えた。
亮介「俺、悪いこと言っちゃったかな?」
せっかく帰ろうと誘ってくれたのに断ってしまうなんて、
(まぁバイトがぁるから仕方ないか。)
と、思いながら歩いていると、
??「ちわっす、亮さん」
と一人の少年に声をかけられた。
亮介「おお和也じゃないか、どうしたんだ」
和也「いやー今日部活やすみだったんで、亮さんは今からバイトっすか?」
亮介「ああ、そうだぜ」
コイツの名は信濃和也名字から気づいた人もいるとおもうが杏咲の弟だ。
運動神経抜群でバスケ部に所属していた中学3年生だ
和也「それより聞いてくださいよ、今日凄い人が転校してきたんですよ~
誰だと思います?ヒントはお嬢様です」
凄い人、お嬢様、転校、ああだいたいわかった
亮介「当ててやろう、岩田グループのお嬢様が転校してきたんだろ」
和也「大正解!さっすが亮さん、ちまたで有名なだけあますなー」
俺の何が有名なのはさておき、詩夢、学校に馴染めてるかな?
亮介「あっもうこんな時間だ、わりぃ和也話はまた今度な」
和也「あ、そうすか、じゃあさいなら~~」
そろそろバイト開始の時間なので和也と別れた。
にしてもお嬢様が転校してくるなんてな、この先どうなるんだ?
詩夢「随分と久しぶりだけど、何があったの?」
「いやーパソコンのキーボードが壊れちゃったから修理に出してたんだ、で、亮介は?」
詩夢「ああ、バイトに行ったよ、後リョウ兄から伝言『スクリーンキーボードでやれば良かったのに』だって」
「・・・その手があったかーー!!」