人物ノ書 解説ノ書1
人物
ルカ
外見年齢15歳。青髪青眼の少年。
『深淵の淵』と呼ばれるこの世とあの世の境の様な場所を彷徨っていた元死者。生前の記憶を失っている。
『餌』と呼ばれる吸血鬼の『食事をする為の人間』になってしまったので、大抵の事では死ねない。が、完全な不死という訳ではない。
記憶を失っているせいか、感情の起伏が少ない。だが、興味のある物には目を輝かせるなど好奇心は旺盛のようである。
生前で出逢った『誰か』を捜していて、例えこの世にいなくとも、どのような末路を辿ったのか知りたいと願っている。
ヴァイス・ミラージュ
外見年齢22歳。黒髪紅眼の端正な顔立ちの青年。
吸血鬼という種族で、特徴的な紅い瞳や尖った耳がその証。
紅い瞳は日の下に出ると、赤交じりの茶色に変化する。が、耳は隠しようがないので人前では常にフードを被っている。
冷静で無口、だが実態は口下手で不器用。自分の不用意な言動で他者を傷付けたくないと思っている。
名を直訳すると『白の幻影』。だが本人はそう呼ばれるのを極端に嫌がる。
『ルカ』に名を与え、この世に連れ戻したのも彼。しかし自分の勝手な行為で、本来ならば『深淵』で想いを昇華し消える筈だった少年を生き返らせてしまった事を後悔している。
口下手であるせいか、自分の考えや想いを胸の内に溜め込んでしまう性格。
用語:場所・人種
『深淵の淵』
生者の生きる『この世』と死者が行く『あの世』の境のような場所。
この世に未練のある魂の行く先で、未練が強いほど、魂は輝きを増す。
しかし、永い時をかけると想いも薄れ、次第に魂自体が消える。
消えた魂がどこに行くのかは誰にも分からず、あの世へ行った魂のように流転しこの世に戻ると言われているが、詳細は不明。
かつて人間と交流の深かった一族が『深淵の淵』の情報をもたらしたと言われている。しかし、人間が彼らを恐れ、迫害し、彼らは人前から姿を消した。
なので、『深淵』で消えた魂がどこに行くのか人間は知る事が出来なくなった。
吸血鬼
人の血を吸い生きる亜人種。紅い瞳と尖った耳が特徴。
種類問わず血を吸い続けていれば命を落とす事はない。が、本当に腹が満たされるのは人間の血のみ。
人間よりも寿命は永く、身体能力も高い。『魔法』と呼ばれる人智を超えた力を持つ。
世の中で囁かれる『ニンニクや十字架が苦手』や『血を吸われた人間は吸血鬼になる』は人間が彼らを恐れた結果、生まれたただの噂。
しかし祓うまでには行かなくとも聖なる物は苦手。
昼夜問わず行動できるが、どちらかと言うと夜行性。
彼らの血には、他者を従わせ飲ませた者を不老不死にする力がある。
人間に迫害され、食事に困った彼らはその力を利用し『餌』となる『食事をする為の人間』を作る事になった。
しかし、それに抵抗感を覚える者が多く、そう言った者達は飢えて命を落とす事が多い。
伝説によると、残忍で非情な性格をした恐ろしい姿の化け物で描かれる事が多い。しかし、目と耳を除けば人間と同じ姿をしており、多くが穏やかな性格である。