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村人のカールトン

ペグ村の朝は、柔らかな陽光が集会所の古びた木の壁を照らし、埃の舞う室内に淡い光を落としていた。

霧が薄く残る広場を抜け、カールトンとフェイゲンが集会い所到着すると、議論が始まる。

初日は二人の占い師と一人の霊能者が名乗りを挙げた。

朝の風が窓から入り、村人たちの緊張を優しく運ぶ。


「2-1盤面か。個人的には俺はこの盤面が一番嫌いだわ。」

霊能者のフェイゲンがダルそうに発する。

陽光が彼の顔を照らし、疲れた表情を際立たせる。


「わかるわかる。2-2盤面だったら霊能者ローラーで霊能者を順々に追放して、三日目に占い二人の決め打ちすればいいから、三日目までゆっくり出来て楽だよな?」

ベッカーが同調する。朝の光が彼の瞳に落ち、経験者の余裕を映す。


2-2盤面になった場合、初日・二日目と霊能者が追放される事になる。

その場合、霊能者は両方共追放されるのだから、彼らの真偽は然程重要視されないのだ。

極端に言えば、霊能者の真偽を無視して、占い師二人の真偽精査を行えばいい。

その場合、初日・二日目・三日目と『占い師二人の真偽を考える』とのシンプルな考えで進める事が出来る。


「そういう意味では僕は3-1盤面が一番好きかもしれませんね。占い師ローラーで全員追放してしまえば、確実に最終日に行けるんですから。」

チャックも、口を開く。声は明るく、朝の空気を軽くする。


3-1盤面になった場合、占い師を全追放するという選択肢を取る事が出来る。

真占いを含めた、真占い・狂人占い・狼占いの三人を追放すれば、四日目には『村人・村人・狼』という状況になる。

極端に言えば『占い結果を全て無視して、占い師以外の狼を探す』というシンプルな考えで進める事が出来る。


「自分はなんだかんだで、1-0とか、0-1とか、役職の真が確定してる方が好きですね。確定役職を軸に議論したらいいんですから。」

パーマーも答える。朝の光が彼の顔を穏やかに照らす。


1-0盤面、0-1盤面の場合で、パーマーが言っているのは、役職の真が確定しているという事だ。

1-0の盤面の場合は、襲われたのは霊能者なのが確定する。つまり、占い師が襲われていない。

襲われていない占い師が一人だけなので、その占い師の真が確定する。

0-1盤面の場合も同じ理論で霊能者の真が確定する。


ここでパーマーが言っているのは『確定役職を軸に議論する』という事だ。


勿論、この場合の占い結果・霊結果は確実な物になるのだが、パーマーが言っているのは『この状態の占い師・霊能者の発する意見は確実な村の意見』だという事になる。


例えば、パーマーの事を「村人と思う」「狼と思う」と別々の意見が出たとしよう。

確定役職がいない状況では『どちらの発言が真実なのか』の折り合いを見つけるのが非常に難しい。

しかし、確定役職が「自分は村人だと思う」との意見を発すれば、その発言が「一つの基準値」となり、議論を纏める為のベースになるのだ。


カールトンは話についていけない。

皆、自分の好みの盤面をしている。だが、カールトンにはその『好みの盤面』がない。

今日が始めての戦いだからだ。

朝の光が彼の顔に落ち、戸惑いの影を長く伸ばす。


カールトンは皆の話に戸惑う。

気づけば、カールトンはベッカーに授けられた『必殺技』を忘れてしまっていた。

集会所の朝風が彼の息を包み、彼の不安を静かに煽っていた。

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