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霊能者のピンクと村人のケシャ

ソワット村の朝は、朝日が村の石畳を優しく照らし、霧が薄く立ち込めていた。集会所の古びた窓から差し込む光は、埃の舞う室内をぼんやりと浮かび上がらせ、四人の顔に決戦の緊張を刻む。

最終決戦の議論が始まった――ピンク、ジェシカ、デミ、ケシャの四人。朝の陽光が集会所を満たし、村の運命を静かに照らす。


「それじゃあ、ピンクさん、意見を聞かせて下さい!」

デミが目を輝かせてピンクを見つめる。朝の光が彼女の決意を映す。


「そうですね。ピンクさん、お願いします。」

ケシャも不安そうな目で見つめる。声は静かだが、朝の風のように揺れる。


「うん。ピンクさん教えて。」

ジェシカも、ピンクを見つめる。ブロンドヘアーが朝の光に黄金に輝き、無邪気さを装う。


三人の視線が集まったのを見て、ピンクは苦笑いする。

「アンタ達は本当……なんて言うかねぇ……?」

ピンクの発した言葉に三人は戸惑う。

ピンクは気にせずに続ける。陽光が彼女の顔を照らし、輝きを宿す。


「……アタシはもうとっくに、狼を見切ってるって言ったらどうする? 今日、追放する人間を心に決めてるたとしたらどうする?」

ピンクは三人に向かって言う。声は朝の光のように鋭く、集会所を切り裂く。


「えっ……?」

ケシャが驚いた表情でピンクを見つめる。朝の霧が彼女の驚きを包む。


「もう決めてるの?」

ジェシカも目を丸くする。青い瞳が朝の光に動揺を映す。


「ピンクさん、どっちですか? 教えて下さい!」

デミがピンクに向かって問いかける。彼女の強い視線が朝の集会所を震わせる。


「アンタ達がそれでいいなら、アタシは教えてあげるわよ?下品な笑顔でそこにいる皆の注目集めてさ……? シャンパン奢って貰うみたいに意見を出すパパ探してる狼……まっ、まだ名前は伏せておくけどさ? ソイツの正体を教えてあげる。」

ピンクは真剣な表情で淡々と続ける。

その言葉に、ジェシカの胸が高鳴る。朝の光が彼女のブロンドヘアーを照らし、狼の絶望を予感させる。


「『頑張って狼を追放する』って言ってた夢はどこに行ったのかしら? 意見を出す人の影に隠れて……ニコニコニコニコ笑顔を振り撒いているの。」

ピンクは続ける。そして、その言葉にジェシカは確信する。


『ピンクは本当に自分が狼だと気づいている』と。


しかし、ピンクは自分を狼で見てるとの理由を言わない。何故だ……

朝の陽光がジェシカの顔に落ち、影を長く伸ばす。


ピンクは続ける。

「ねぇ……? 賢い人達は何処に行っちゃったの……?」

その言葉に、ケシャとデミはピンクを見つめる。一瞬遅れて、ジェシカをピンクを見つめるように合わせる。

朝の光が三人の視線を繋ぐ。


「アタシ達もそういう風に振る舞えば生き残れるのかしら? 意見出す人に媚売ってみたり……同調してお溢れもらったり……そんなスチューピッド・ガールと一緒にならないでよ。」

ピンクは続ける。

ジェシカは自分の事を言ってると完全に確信する。朝の風が集会所の窓を叩き、狼の心を揺らす。


「皆、病気に感染してるのよ。一人の人間が考えた『戦略』を、世の中が皆『それが正しい』って思い込む病気。アタシは皆の言葉を聞いて、思ったわ。皆、アタシに頼ってる。それは困ったら誰かに頼れいいって病気よ。アタシはこの病気をもう治せないんじゃないかって、怖いわよ。」

ピンクは続ける。そして、ピンクの瞳はハッキリとケシャを見つめている。朝の光がその視線を力強く照らす。


「もう、これ以上は無理よ。」

ピンクは机を強く叩く。朝の集会所が震え、決意の音が響く。


「アタシは、はみ出し者。でも、最高に嬉しいわよ。だってアタシは病気に感染してないんだから。」

ピンクは笑みを浮かべる。朝の陽光がその笑顔を輝かせ、彼女の誇りを映す。


「世界中で色んな村が襲われて、皆、絶望してるのに、皆考えてるのは『今日、どうすれば自分が生き残れるか』って事だけ。アタシもそういう風にすれば、長く生き残れるのかしら……?」

ピンクは続ける。


その言葉で、ケシャとデミの心が動く。

確かに、議論の初日には二人は『狼を見つける為』の思考だった。しかし、時が進むにつれ、二人の思考は『自分が追放されない為』や『護衛先』などの考えが優先されていった。


「そんな、ポルノパパラッチガールのような生き方はアタシは絶対に嫌っ……! アタシが見たいのは、落ちこぼれでも、野心持って生きてる女よ!」

ピンクはもう一度、机を叩く。朝の集会所が再び震え、彼女の叫びが響く。


「これが最後の命令よっ! 『自分で考えなさい』。『アタシはこう思う』って自分の口から言いなさいっ……!」

ピンクの目は真っ直ぐにケシャを見つめている。

ケシャは頷く。朝の光が彼女の決意を照らす。


それを見て、ジェシカは自分の負けを確信する。

ピンクは本当に自分の狼を見切っている。絶対に彼女は自分を追放する。


彼女はそのトドメを刺す役をケシャにやらせたいのだ。

生き残った村人達がより強くなる為に。


朝の陽光がジェシカの影を長く伸ばし、狼の絶望を静かに包む。

最終決戦の朝は、村人達の覚醒で始まっていた。

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