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占い師のリリアと村人のノア

シルバーヴェイルの集会所。陽の光りが古い木の窓から差し込んでいるのだが、疑念が空気を重くする。人狼ゲームは2日目に突入していた。

木卓を囲む村人--そして紛れている狼達の声が響く。「昨夜の事で考え直したら、やっぱり俺は納得出来ないんだよぉ!?」「お前、必死すぎるぞ。そんなに昨日の事気にする必要が今あるのか!?」疑念が渦を巻き、言葉が矢のように飛び交う。誰もが互いを睨み、信頼は霧のように溶ける。燭台の炎が揺れ、村人達の心に疑心暗鬼を刻む。


「お前ら、落ち着けよ。とりあえず占い結果の報告をするぜ。トミーは村人だ。」偽の占い師が注目を集めにいくかのように立ち上がり、太い声を張り上げる。白いローブがふわりと揺れながらも、彼の目は狡猾に光る。彼の報告は、議論の喧噪を抑える。一時的に。


村人達がざわつく。ある者は目を丸くし、「トミーが村人? 本当か?」と囁く。

別の者は安堵の息をつき、「これで一つ安心だな」と呟く。

燭台の炎が揺れ、村人達の表情に驚きと希望が混じる。だが、完全には疑念の影は消えない。


「昨日、お前達が疑ってた場所を俺が調べてやったんだから感謝しろよ。」偽の占い師は胸を張り、村人達を見回す。彼の声は自信に満ち、笑みが唇を歪める。「トミーを占った俺の判断、お前達の為になっただろ?」村の空気が彼の言葉に揺れる。


村人達が頷き、偽の占い師の言葉に心が動かされ出す。「確かに、トミーは怪しかったからな…」「助かったぜ。」ざわめきが収まる中、一人の村人がリリアに目を向ける。「それで、リリアは誰を占ったんだ?」声は静かだが、期待と疑念が混じる。陽の光がリリアの銀髪を照らす。


「私はノア君を占ったわ。ノア君は村人だったわよ。」


リリアが穏やかに答える。彼女の瞳は澄み、声は静かだが揺るがない。集会所の空気が一瞬止まる。だが、不思議な威厳のような物が場を包む。


「ノア? あいつを占った?」「ノアって、昨日何言ってた?」村人達がざわつく。誰もノアに注目していなかった。驚きと不信が波のように広がる。「なぜそんな奴を?と一人の村人がリリアに問う。燭台の炎が揺れ、村人達の視線がリリアに集まる。


「お前、占いらしくねぇな? なんでノアみたいな奴を疑うんだよ?」


偽の占い師がリリアを睨み、静かに詰める。


「そんな奴、占ってお前は村に貢献してるつもりなのかよ?」


彼のローブが動き、指がリリアを指す。表情は冷静だが、彼の目はギラついている。


「ええ、貢献してるわ。」


リリアが静かに答える。彼女の瞳に曇りはなく、声は穏やかだが鋼のように強い。


「だって、ノア君は誰にも疑われてなかったのよ? それはつまり、皆の警戒が行き届いていない人。皆が見逃している場所を私が補って、村に貢献したという自負はあるわ。」


彼女の言葉が集会所を切り裂く。偽の占い師が一瞬たじろぎ、唇が震える。


「貴方はその占いが貢献できていると思っているの?」


リリアが続ける。彼女の視線は偽の占い師を射抜く。


「トミーは疑われてもいたけど、信じかけられてもいた……あと一つ、彼の口から言葉が出たら、村は彼を信じたかもしれない……貴方はトミーのその後一つを奪い取ったんじゃないの?」


偽の占い師が狼狽え、言葉を失う。村人達が息を呑む。


リリアはノアに目を向ける。


「ノア…でも、私も本当はこんな占いはしたくなかったわ。貴方もトミーのようにチャンスを掴んで欲しかった。」


彼女の声は優しく、だが力強い。


「今からでも遅くないわ。貴方も狼を倒すために動きなさい。大丈夫。貴方が何を言っても私が守ってあげる。私だけが、貴方が村人である事を完全にわかっているわ。」


陽の光はリリアの銀髪を輝かせ、信頼の光が場を照らす。


ノアが震える声で口を開く。


「み、皆…二人の占い、どっちが本物だと思う…!?」


彼の瞳は怯えに揺れるが、リリアを見つめる。


「俺は…騙されてるのかもしれないけど、リリアさんを信じたいっ…!」


ノアの手は震えている。

だがノアは一歩踏み出した。

集会所の空気が変わる。

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