狩人のキース
サティスファクション村の朝、集会所は陽光に照らされていた。木々の間を抜けるそよぐ風が、二日目議論の熱気を運ぶ。
この日、村では少し変わった事が起きていた。
「いい報告から発表する! 霊結果は……って、ちょっと待て。8人いないか……?」
ジョーンズが村人たちの人数を指差し、陽光の下で数える。そよぐ風が彼の声を集会所に響かせた。
「確かに8人いるな。って事は狩人が護衛に成功したって事だな。犠牲者が出なくて良かったじゃないか!」
占い師のジャガーが笑みを浮かべ、陽光がその目を輝かせた。そよぐ風が笑い声を運ぶ。
(クフフ……クフフフ……)
狩人のキースは漏れそうになる笑い声を押し殺した。陽光が彼の緩む頬を照らし、そよぐ風がその高揚を隠した。そう、キースが護衛に成功したのだ。
「ハハっ、狩人なかなかやるじゃないか!? いったい誰を護衛したんだ!? 霊能者か? それとも占いか!?」
ワッツが明るい笑顔で叫び、陽光がその顔を一層輝かせた。そよぐ風が笑い声の残響を運ぶ。
(クフフ……大ハズレ……そのどっちでもないよぉ……護衛をしたのは、ワッツ……お前だよ……?)
キースは笑いを押し殺し、陽光の下で内心で呟いた。そよぐ風が彼の抑えた笑い声を隠した。
「俺で護衛成功していてほしい所だが……まぁ、霊能者のじゃないか? それで……ジョーンズ、いい報告を聞かせてくれよ?」
キースがジョーンズに問い、陽光が彼の目を穏やかに照らした。
(クッフッフッフ〜。キースもわかっちゃいないなぁ……ワシは霊能者には噛みは来ないと読んだ……ワシの勝負勘を舐めちゃあ、イカン……)
キースの頬が緩み、そよぐ風がその高揚をそっと包んだ。
「あぁ、そうだな。狩人の護衛成功のおかげで話が逸れたな。霊結果は黒だ! つまり、昨日は狼吊り成功だ!」
ジョーンズが嬉しそうに叫び、陽光が彼の笑顔を照らした。そよぐ風が歓声を集会所に響かせた。
(ワシはキースが真占いと思ったのじゃ……しかし、狼は真占いは警戒すると考えた……だから、キースが昨日、白を出しているワッツを護衛したのじゃ……)
キースの頬がさらに緩み、陽光がその笑みを隠した。
「よし、それなら、まだ俺達には余裕があるって事だな!? それで、今日はどうする!?」
ワッツが笑顔で今日の方針を問い、陽光がその目を輝かせた。そよぐ風が彼の声を運ぶ。
(ワッツ……ワシに感謝するのだぞぉ……? ワシの大博打、大・成・功!)
キースの頬が緩み切るが、陽光の下で幸運にも誰にも気づかれていない。
「まだ縄に余裕があるから、このまま占い師を二人とも吊るって方法もある……でも、俺はそれは違うと思うんだ……なんとなく、昨日の狼の様子から占いの二人は、本物と狂人だと思うんだ……」
ワッツが冷静に方針を決め始め、陽光が彼の顔に落ち着いた影を刻んだ。そよぐ風がその声を集会所に響かせた。
(クフフフフ……これだから、ギャンブルは辞められぬっ……! 法悦っ……! 至福っ……! 圧倒的、桃源郷っ……!)
キースの感情が陽光の下で狂喜乱舞っ……!
咆哮っ……! 歓喜っ……! 感涙っ……!
圧倒的、感動っ……!
「多少は覚悟をしていたが、村がその方針なら、俺は従うよ。今日、失敗したとしても明日、俺があの偽占い師を倒せばいいだけだからな。」
キースは偽の占い師に圧をかけるように返事し、陽光が彼の目を鋭く照らした。
(クフフフフ……! ワシがっ……! ワシがもう一度護衛成功をすれば、縄が増えるっ……! そうなれば、狼を吊るチャンスがもう一度増えると言う事じゃ……! 次がワシの勝負所っ……!)
そうだっ……!
この護衛成功よりキースは掴んだのだっ……!
縄を増やして狼を吊るチャンスを増やすっ……!
奇跡のチャンスをっ……!
「よし、それじゃあ、村人の中から誰を追放するか決めよう。俺はキースの白だから、今日は対象外だな。キースはまだ誰にも色を出されてないな……キースはどう思う?」
ワッツがキースに問い、陽光がその目を穏やかに照らした。そよぐ風が集会所を静かに揺さぶる。
(クフフフフ、狼よ……次は何処を狙うのじゃ……裏をかいてもう一度ワッツを狙うか……? それとも、キースを狙うか……? はたまた霊能者か……? クフフフフ、何処を狙おうが関係ないっ……! ワシの読みがその上を行ってやるのじゃ……!)
脳から溢れるドーパミンっ……!エンドルフィンっ……!アドレナリンっ……!
勝っても負けてもトリップっ……!トリップ!トリップ!トリップ確実っ……!
「キース……? おぉ〜い、キース……? なんだ、コイツ……話、聞いてるのか……?」
ジョーンズが心配そうに問い、陽光がその顔に深い影を刻んだ。そよぐ風がその声を運ぶ。
(クフフフフ……! クフフフフ……!)
人狼ゲームとはっ……!皆の意見で決めるゲームであるっ……!
つまりっ……!このような一人の世界に籠もるという事は非常に危険な行為であるっ……!
キースの思考に落とし穴っ……!
「……話、聞いてねぇよ。もう今日はキースでいいんじゃないの?」
ジャガーが呆れた声で言い、陽光がその目を冷たく照らした。
そしてっ……! このタイミングでキースが覚醒っ……!
「んっ、あっ、えっ!? なんで、ワシ吊り!? ワシ、狩なんじゃ!? ワシ、ずっと護衛先の事考えとったんよ!」
キースの覚醒した声が陽光を切り裂き、そよぐ風がその声を集会所に響かせた。
この後、キースがどういうお説教を受けたかは、諸君らで考えてくれ!




