占い師のセレーナ
ルズユトゥラミ村。この村の初日の犠牲者は霊能者であった。
しかし、狼も狂人も潜伏を選んだ。
この場合占い師が一人。霊能者が零となり、占い師の完全な真が確定する。狼にとっては不利な状況だ。
そして、その不利な状況に追い打ちをかけるように、この村には最強の占い師がいた。
彼女の名はセレーナ。
「私が占い師よ!しっかり皆を導くから安心してね!」
セレーナの威厳に満ち溢れた宣言に皆が注目する。
「……それで、私は何をすればいいの?」
……だが、その威厳は一瞬で崩壊する。
「と、とりあえず、昨日の夜、占いしたんだろ?その結果を報告しろよ」
ジャスティンは頭を抱えながらセレーナを支える。
「あっ、ごめんなさい!うっかりしてたわ!占い結果ね!スウィフトは村人よ!」
自分のミスをしっかりと受け入れつつの、堂々たる宣言に再びセレーナの威厳が出る。
「……こんな占い師で大丈夫かよ?」
しかし、ジャスティンは不安そうな顔。
「大丈夫!私には覚悟があるわ!昨日の夜、自室で吊られる練習もしてきたのよ!」
セレーナは村を守る為の覚悟が決まっているようだ。
威厳が出たのか、消えたのかはわからない。
ただ、覚悟だけは決まっているのは確実だ。
「そんな練習しなくていいんだよ、バカ!それに、お前は確定占い師だろ!?吊られる事はないんだよ!」
ジャスティンはセレーナの覚悟を否定するようだ。酷い男だ。
「練習はしなくてよかったのね!それで、私は何をすればいいの!?」
自分の計画が水の泡になろうとも、セレーナは前向きだ。
流石、セレーナ。君は最高の占い師だ。威厳に満ち溢れている。
「明日の占い、誰を占えばいいか、しっかり考えておくんだよ!?いい加減にしろバカ!」
ジャスティンは酷い男だ。『バカ』なんて暴言は絶対に言ってはならない。
そんな言葉を言えばセレーナ寄りの解説を頼まれている僕は君を悪く言うしかない!
何があっても暴言だけはダメだ!そんな事もわからないのか!?酷い男め!
「私はヘイリーが怪しいと思うわ!じゃあ、明日、ヘイリーを占えばいいのね!」
例え、ヘイリーが怪しいと思っていても、今このタイミングで言う必要はない。
あっ、いや!
即座の占い判断!流石、セレーナ!セレーナ最高!
「えっ!?な、なんで私!?」
セレーナの鋭い読みにヘイリーが怯え、慌てふためく!
ちなみに彼女は村人だ!
「今、宣言する必要はねぇんだよ、バカ!ヘイリーを占う宣言したら、狼はヘイリーを狙うだろうが、バカ!そしたら、お前の占い結果は意味なくなるんだよバカ!」
お願いだから、ジャスティン、『バカ』って言うのはやめて!
お前のせいで俺の解説も滅茶苦茶になってんだぞ!
酷い男!
「あら、そうなの。ごめんなさいね!でも、今のヘイリーの反応を見ると、狼じゃないように思えたわ!きっと村人よ!占い先は宣言しちゃダメなのね」
なんと、セレーナはヘイリーの村人を見抜いた!セレーナ凄い!セレーナ最高!
恐らくセレーナは、ヘイリーに怪しいとブラフを行い、反応を伺ったに違いない!
セレーナは確定占い師だ!皆も信じろ!
「もう、お前はどうしようもねぇよ!」
ジャスティンは信じない!!
ただ、僕もそう思う!!
なんか、こんな話書いてゴメンね!!
「それじゃあ、私はジャスティンを怪しいと思ってるんだけど、こういう時はどうしたらいいの!?」
「なんで俺!?」
セレーナの鋭い読みが再び発揮される!!
ちなみにジャスティンは……えっ……?
……ジャスティン、狼なの?
「ジャスティンは私に寄り添ってくれてる気がしなかったわ。ただ、苛立ちをぶつけていただけように思うの。それは早く場を安定させて、他の村人を狼扱いする状況を作りたかったんじゃないかと思うの」
「い、いやいや……」
セレーナの最大の威厳が発揮された。
流石、確定占い師。村人達を導く存在である。
ま、まぁ、この物語の教訓は
『どんなゲームでも暴言だけはよくない』
という事である。




