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1-2 もう一度、言ってやるんだ

 転校生だからといって、全員がもてはやされるわけでもない。僕の同級生、渡瀬優紀もそうだった。優紀は、転校してから一週間と経たずに、すっかり僕らいじめられっ子の輪に入っていた。

 優紀くんのような転校生は、誰にもてはやされるのかというと、いじめっ子だった。

 上履きを投げられ,ペットボトルを投げられ――。それでも不器用で料理ができない僕らにとって一番悲しいのは、学食の焼きそばパンのあまりを投げられることだった。

 僕の両親は共働きで、僕は不器用だから料理もできないのだ。


「ハァ――。しかたないね」


 僕と優紀は顔を見合わせ、また十何周目かの道を駆けだす。

 焼きそばパンをよく洗って食べながら、僕らは帰路に着いた。

 優紀君とは家が近くて、僕の帰路である歩道橋の近くに優紀君の家があり、僕の家は優紀君の家を通り過ぎてすぐのところだった。

 6時に図書館で待ち合わせをしており、6時までは1時間ほどの余裕があるつもりでいたが、帰宅して時計を見るともう5時半を回っていて、僕は急いで靴を履いて図書館へ向かった。

 宿題と読書に集中している僕のもとへ優紀くんがやってきた。


「ねえ彩人くん」

「なに?」

 

 僕は聞く。


「いじめられてもさ、ネコって心癒されるよね」


 突然だった。僕はしばらく呆然としていたがうなずく。


「ネコもいいけれど、ヒーリングもいいんだよ」


「ひいりんぐ……?」


「音楽を聞くんだ。特別な周波数(1)のは、心が安らぐんだよ」


 優紀くんは鞄からスマホを出した。某動画投稿サイトを開き、「ヒーリング ゾーンに入る 528hz」と検索する。

 三つのワードの中で一つも僕はわからなかった。

 優紀君はどうやらお目当ての動画がなかったらしく、今度は「ヒーリング ゾーンに入る ソルフェジオ周波数」で検索をかけている。


「そるふぇじお……?」


「ああ、またあとで説明するよ」


 まるでぶっきらぼうかのように優紀くんはこたえた。

 優紀くんの検索はしばらく続いた。

(1)特別な周波数…全周波数が幸せになるわけではない、ということ。440hzは悪魔の周波数だし444hzはまたポジティブな周波数。432hzは宇宙と繋がることができるし、528hzはDNA回復にも効果がある(とされている)。


先生からの宿題(任意)


音楽


1.ソルフェジオ周波数とはなんですか。コメントに書きなさい。

2.ソルフェジオ周波数とはどんな考えに基づいて定められていますか。問題1と同じように書きなさい。

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