表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ループグッドバイ!~闇堕ち聖女の転生男子は百鬼夜行で殺された幼馴染を救うため悪魔と共に聖剣を振るう……それから~  作者: 兎森りんこ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/18

グッドバイ・ハロー・ハロー


 蟻悪魔・クインデスパイヤは、塵になって消えていった。

 女王蟻がいなくなった事で、働き蟻も動きを止めて、塵になって消えていく……。


 行方不明になってしまった人達は、多分やつらの餌食になってしまったんだろう。

 もっと早く来ていれば……とも思うが、俺には、人間にはどうしようもできないことが多すぎる。

 

 全て跡形もなく崩壊した校舎の残骸を、俺は立ち尽くして見ていた。


「おら、いつまでやってんだ。行くぞ!」


「いで!」


 怪しい男……ウィンキサンダに後ろから頭を殴られた。


「だ、だからどういう事なんだよ!? なんでお前っ一体!? なんで人間に!?」


 ウィンキサンダの無表情だった顔は、急に悪魔のように歪んで、口から牙のような歯が見える。


「俺だって知るかよ!? 数年前に気付いたら、この身体にいたんだ。多分あの朝に消えた直後だ。体内に何かある事はわかっていたが……記憶はなくしていた。んでお前の血を見たら……色々記憶が交錯して思い出して、聖剣も具現化できた。だから闘った。あとは知らん、わからん聞くなボケ阿呆カス無能」


 呆気。

 なんちゅう話だよ……それ。

 まぁ、もともとループだなんだの時空を操っていたような悪魔だ。

 どういう理屈なんか聞いても無駄か。

 聖剣絡みだし、俺絡みで起きた事でもあるかもしれないしな……。


「ってかお前! 口悪すぎだろ! 記憶取り戻す前の方が紳士でカッコよかったが!?」


「俺はいつだってカッコいいに決まってるだろうが! 黙れガキ」


 クールだった男の見る影もない。


「なんだと! おっさん!」


「ガキ!」


 くっそぉ! やっぱ腹立つな! 美化しすぎてたわ、やっぱこの悪魔サイテーだ!


「じゃあ車に乗せてやんねーからなっ! 歩いて帰れよっ!?」


「そんなことが許されるか! っていうかお前、あんなオンボロに俺の名前とはどういうセンスしてんだぁ!?」


「お前の方がよっぽどオンボロだっつーの! この悪魔めっ!」


 そんなわけで、何故かおっさんになっていたウィンキサンダ。

 俺達はまた巡り合ってしまった。


 いつの間にか、また朝が来る。

 今度は二人で日の出に照らされている。


「しかし、あの召喚魔法陣を書いた人間がいるってことだよな」


「……そうだな」


 召喚魔法陣を悪魔が書く事などは、ない。

 あのクインデスパイヤは、誰かが此処に呼び寄せたのだ。


 ……何故だ? なんのために……?


「ま、腹減ったから行くぞ、祭。ラーメン、お前の奢りな」


「なんなんだよ~全くお前は!」


「ラーメン屋まで何キロだ」


「さぁな! ……じゃあ行くか、ははっ」


「何、笑ってる」


「知らねーよ」


 再会の感動など、ありゃしない。

 こんなもんだよな、俺等は。


 そして俺達はこれから悪魔を召喚した、謎の組織と闘う事になるのだが……またそれは別の話だ。



   「ループ・グッド・バイ・ハロー」

       ~完~

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
たしかにウィンキサンダの時より謎の男の時のほうが格好良かった… 二人の冒険はまだまだ続いていくんですね。前世でどんな事があったのかも気になります。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ