龍の日常Ⅱ
皆が起き始めたとき、教室の扉が開いた。
【ガラガラ ガラガラ】
「キターーーー!!」秀吉が教室の入り口に向かって飛んでいった。
【ガシッ ヒュッ グチャ ドーーン】
秀吉が後ろまで飛んでいった。
教室の後ろの壁に当たると、そのまま気絶した。
「も〜、誰です〜?危ないじゃないですか〜。思わず、投げ返しちゃいましたよ〜」
教室の入り口には、身長170cmくらいのナイスバディで大人しそうな女性が立っていた。
彼女は、俺の担任である、沢城伊織先生だ。
現在独身らしい、年齢は妙齢だと思う。沢城先生の年齢は誰も知らないのだ。
この学園の七不思議になろうというくらいだ。
《投げ返したって………60キロ以上を軽々とだと………………人間じゃない》
【ヒュン】
俺の頬を何かが浅く切り後ろに飛んでいった。
「だめじゃないですか〜、そんなこと思っちゃ〜、先生悲しいです〜」
俺の頬から血が流れる。何かが飛んでいった後ろには、チョークが深く刺さっていた。
「や、やだなー………何も思ってないですよ………」
「そう〜?これからは気をつけてね〜♪それじゃ〜皆、席について〜」
沢城先生の指示で皆各自席に着き始める。
俺も席に着いた。右隣には舞、右前は東条と言う席順だ。秀吉はどこかは知らない。
沢城
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[黒の■が龍の席]
皆が座るのを見て、沢城先生が声を発した。
「それじゃ〜、HRはじめるわよ〜委員長〜号令〜」
沢城先生の合図で東条が号令をかけた。
「起立!きょうつけ!礼!着席!」
皆が座ると沢村先生が喋り始めた。
「え〜っと〜、今日の予定は〜………………特にありませんよ〜、それじゃ〜今日一日がんばってくださ〜い」
沢村先生はそれだけ言って教室から出て行った。
《ふわぁ〜〜………ねむいな………寝るか………》
「舞、俺寝るから、昼になったら起こしてくれ」
舞の返事を聞かずに机に突っ伏した。
???SIDE――――――
「え!?」
舞は、龍の声が聞こえたので返事をしようとしたが、既に机に突っ伏していたので諦めた。
それを見ていた東条凛は、舞に話しかけた。
「舞ちゃん。篝君って、変わってるよね」
「そうかな?」
「うん。ってか人間じゃないね」
舞は笑いながら言う凛に苦笑いで答えた。
「凛ちゃん。人間じゃないって失礼だよ、それに龍は変わってるって言うより人に誤解されるんだよね」
「誤解って?」
「たとえば、龍って必要以上に人を寄せ付けないだよね。殺気というか威圧感を出してるのは寄せ付けないためなの。
それは、喧嘩とかあるときに回りに迷惑がかかるからってのもある
し、過去にちょっとあったからさ………………」
凛は舞のシリアスな雰囲気に何も言葉を発することができなくなった。
「………………」
「なーんて。過去には何もなかったよ、迷惑になるから寄せ付けないってのあってるし、鬱陶しいからなんだと思うよ」
舞は笑いながら先ほどの話は冗談だと言った。
凛はあきれてものも言えないようだ。
「はぁ〜………………篝君ってよく分からない人だよね」
「確かに龍は幼馴染の私でも分からないこと多いよ」
そんな2人が話している中、龍は眠りについている。
龍SIDE―――――――――――――
誰かが俺を揺らしている。
そして別に何か声が聞こえる。
「こっちに………き………て………」
「もうすぐ………」
そんな声が聞こえると、頭に痛みがはしった。
目を開けると、丸めた教科書を持った舞の姿が見えた。
「ったいな、何すんだよ………………」
叩かれたところを抑えながら、舞に文句を言う。
「龍が昼に起こせって言ったのにおきないからでしょ!」
「じゃあ昼なんだな………………飯食うか」
俺の一言で、舞、東条、秀光が俺の周りの席に付いて、机を寄せた。
「そういえば、秀吉」
「な、なに?」
俺が名前を呼ぶとビクッと体を一瞬震わせたが、返事を返してきた。
「今日の朝の罰のことでさ、お前、悪戯できなかったから、今から飲みもの買って来い」
「はぁ………、分かったよ、適当に買ってくる。先に食べてて」
「もとよりそのつもりだ、それから、舞達の分も買って来い」
「了解」
そう言って、秀吉は教室から出て行った。
「龍って意地悪だよね、あんなに怒ってたのにこんな簡単な事で許すなんて」
「確かに、篝君って最初にほぼできない条件だして、その後に簡単な条件出してるよね」
「そうか?俺は別にそんなつもりはないが………」
2人はニヤニヤしていた。
「それよか、最近毎日同じことやって飽きたな………何か楽しいこと起きないかな?」
「何言ってるの、篝君の楽しい事が起こったら大変よ」
「大変って、俺は大変なことを面白いとは思わないぞ」
俺が反論すると、東条は笑った。
そんな他愛無い会話をしていると教室の扉が開いた。
【ガラガラ】
「龍。買って来たぞ」
秀吉が帰ってきた。
「龍は、ミルクティーで、舞ちゃんが、レモンティーで、凛ちゃんがストレートティーでいいよね」
「ありがとう秀吉君」
「ありがとう織田君」
お礼を言う二人の横で俺は当然とばかりに受け取りそれを少し飲んだ。
そんなこんなで俺たちは、昼食を取りながら、駄弁った。
なんだか現代の話長くなってすいません。