龍の日常
地球、日本の某県竜神市にある、竜神学園
今は、1学期の終わりらへんの6月
現在8時10分。俺は、手にカバンと、折りたたみ傘を持って、竜神学園に向かって歩いていた。
「よう!龍」
話しかけてきたのは、小、中と同じクラスだった、悪友の織田 秀吉だ。
こいつは………まぁ容姿は、上の下と、まぁ男の俺から見てもカッコイイ。しかし、成績は相当悪い。常に赤点ギリギリなのだ。しかもこいつは重度の女好きだった。
こいつと、遊びに行くと必ず、女をナンパする。しかし、成功したためしがない………しかもついには小学生にまで、声を掛けたが、失敗したのだ。………しかし、秀吉も1回だけ成功したことがあった。相手の後ろ姿は、綺麗な黒髪の腰までのストレートヘヤーだったので、秀吉は、ナンパをした。しかし、振り返ると、その女は、実は………【男】………いや、オカマだった。しかも、それは成功して秀吉はそのオカマに連れて行かれた。帰ってきたのは、次の日で、ゲッソリとした顔で1日過ごしていた。オカマの話をすると、いきなりガタガタ震えだす始末だ。………いったい何があったのかは、俺でさえ知らない。
「よう、秀吉」
「龍、今日も町に繰り出すぞ!お前も付き合え!」
「はぁ〜………お前も懲りないな。それに、お前片っ端から声掛けるから、町じゃお前のこと知らないやつ居ないってくらいだぞ」
俺があきれて、そういうと
「龍。まだ俺のことを知らない人は必ずいる。俺の直感がそういっている!!」
《どこから来るんだその直感は………………》
「まーた、ナンパの話?」
いきなり横から話しかけてきたのは、俺の幼馴染の九条 舞である。
舞は美人というより可愛い容姿で、成績は中の中くらい、簡単に言えば、平均点より少し上程度だ。
舞は、竜神学園のアイドル的存在なのだ。俺の近くに居ることか多いせいで、男子からさまざまな視線で見られる。
「ああ、秀吉がまたナンパに行くっていいだしてさ………」
「ハハハ、秀吉君。止めときなってどうせ無理なんだから」
舞はそういって、俺の隣について歩いている。
「舞ちゃん。そりゃないよ………………」
「だってね………」
「だよな………」
俺たちはどうしたものかと思案していると、秀吉はいきなり立ち、駆け出した。
俺は腕時計の時間を確認した。
8時25分
《なに………くそ、それであいつ走っていったのか………………後で絞めるか》
「おい!舞!時間ないから急ぐぞ!」
「え!?時間って?・・・うそ!?いこ!龍!」
俺たちは走って学園に向かった。
「つ、着いた………………」
「ハァ〜疲れた………………」
俺たちは走ってぎりぎりに教室に着いた。
「ひでよしぃ~~」
俺は光秀がいる方に笑顔を浮かべながら向かう。
呼ばれた秀吉がこちらを見て、一瞬ビクっと震えたのが見えた。
「りゅ、龍………………よ、よかったな………………ま、間に合って………………」
俺は笑顔で秀光に近づく。
俺が近づくにつれて、秀吉はガタガタと体を揺らし始めた。
俺はイラつくとどうやら殺気が出るらしい。それのせいで中学時代は上級生に眼をつけられまくって、放課後、昼休みに呼び出されたは、喧嘩になっていた。もちろん俺は無傷で勝利。
最近もたまに呼ばれるが、すぐに終わらせてしまう。
俺は、秀吉に近づくと、秀吉の肩に手をポンと置いた。再び秀吉の体がビクっと震えた。
「秀吉。許してほしいか?」
【ブンブンブン】
秀吉は激しく、頭を上下した。
「何でもやるよな?」
【ブンブンブン】
これまた頭を上下した。
「舞、秀吉何でも言うこと聞くってさ。何かやりたいこととかある?」
舞を見ると、俺が怒っている理由が分かっていない雰囲気だ。
「??」
「あー、何でもいいぞ、やりたいこと、ほしいもの何でもな」
「けど、秀吉君がかわいそうだし、私は遠慮しとくね」
「そうか、じゃあ俺は、次に教室に入ってきた人に悪戯をすれば許してやる」
【ブンブンブン】
俺の言葉に即座に頷き、教室の入り口を凝視し始めた。
「こら!篝君!」
呼ばれたほうに向くとそこに居たのは、このクラスの委員長の東条 凛だった。
「なに?委員長」
尋ねると、東条は怒っていたのか、俺をにらんでいる。
「何?じゃないわよ!貴方、周りが怯えてるの分からないの!」
東条に言われて、周りを見回すと、俺、舞、東条、秀吉を除いた教室に居た皆が倒れていた。
どうやら、恐怖から、気絶をしたようだ。
「あれま………」
「あ………………」
「どうするの!?もうすぐHR始まるのよ」
どうやら東条は、もうすぐHRなのに、皆を気絶させたことに怒っているみたいだ。
「………………分かったよ……」
俺は渋々気絶している人を叩き起こし始めた。