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異世界  作者: 壬生
2:学園生活
32/40

FILE32

俺はいつの間にか知らない場所に居た。


その場所は、真っ白で、何も無かった。


「ここは何処だ?」


ポツリとつぶやく。


しかし、そのつぶやきに声が返ってきた。


『知りたいか?』


「えっ!?だ、だれだ!?」


俺は誰も居ないと思っていたので、声が返ってきたことに驚いていた。


『俺が誰かはお前が一番よく知っているだろ…ククク』


「どういうことだ!」


『さぁな、ソレは自分で考えるんだな』


「おい!一体どういうことなんだ!それと、とっとと姿を見せろ!」


俺はたまらず、そう叫んだ。


すると、目の前に黒い影があらわれた。


『なんだ。なにか用か』


「ここはどこだ!」


俺はすぐさま、影に向かって問いただした。


『はぁ~…まだ分からないのか…』


「どういうことだよ!」


『ここは、お前の中だ』


「中?俺の中ってなんだ」


『つまり、お前の精神の中だ』


影が言ったことに俺は驚きを隠せない。


「えっ!?精神の中?」


『そう、精神の中』


「じゃぁ、なんで俺はここに居るんだ」


『お前常にここに居る。ただ、ここで目が覚めることはほとんど無い』


「どういうことだ」


『精神の中は、全ての生き物に存在する。だが、精神の中で目覚めることはまずない。目覚めるのは、ごく一部だ。そのごく一部は精神の中に入って力、知恵などを手にいれることが出来る。ただし、力におぼれた者は精神が破壊し、ただの殺戮者さつりくしゃとなる』


「じゃぁ、俺も精神の中に入れたってことは、力とかを手に入れれるってことか?」


『まぁ、簡単に言えばそうだ』


「フム…」


俺は唸り、考えていた。


『して、お前は何をどうしたい』


考えていると、唐突に影から問いかけられてた。


「どういうことだ?俺は何をどうしたいとは?」


『言葉のとおりだ。お前はここに居る。ゆえに力が手に入る。その力をお前は何に使う』


「少し、時間をくれ」


俺は、答えが出そうに無いので、時間をもらうことにした。


『いいだろう。しかし、時間は有限だ。……そうだな、次回にお前の答えを聞くとしよう。わかったか?』


「え?…ああ」


『ここでしたいことをすればいい。だが、力を身につけるのは自分自身でだ。俺は何も口出しはしない。今回はここでの過ごし方を教えてやる』


影はそういって、話し出した。


『いいか、ここはお前の中だわかるな?』


「ああ」


『ここはお前の想像で建物が出来たり何でも出来る。ソコに人が居ると思えば、ソコに人が出てくる。また、建物があると思えば建物がある。そうだな、今お前がすごしてる世界の景色を想像してみろ』


俺は、影が言うことを疑いつつも想像してみる。


≪想像・・・学園を・・・≫


俺は学園を想像した。


『よし、目を開けてみろ』


俺は、言われた通り目を開けた。


「はっ!?」


思わず、スットンキョンな声をあげてしまった。


俺が見たものは、学園だった。


「マジかよ……」


『どうだ?驚いたか? ククク』


影は少し、笑いながら俺に言ってきた。


『どうだ これでお前の中ということはわかっただろ』


「…あぁ」


俺は頷く。


『まぁ、今はこれだけ分かっていればいいだろう』


「どういうことだ?」


『ん?ああ、気にするな』


影は話をはぐらかす。


俺はそれでも訊ねようとすると、いきなり眩暈を起こし、たって居られなくなった。


「…くっ!」


『やはりな…』


唐突に影がそんなことを言った。


「お…い、くっ…ど、どうい…うこと…だ…」


眩暈を起こし倒れたあと、徐々に頭痛を起こしていた。


『龍……お前、今、頭痛がひどいだろう…』


「あ、あ……だが、なぜだ…まる…で、ず…頭痛になることを…知っている…み、みた…い…だな…」


『はっ!知ってるに決まっているだろ、ここはお前の中!そして、俺はお前の中にいるんだからな!』


≪言われて見ればそうだ。こいつは俺の精神の中だっていうが、俺個人の精神に他人が簡単に入れるわけが無いのだから。だが、そうなるとコイツはどうやってここに入ってきたんだ…くっ!…だめだ、頭痛がどんどんひどくなっていく…≫


俺は考えようとするが、頭痛がひどくまともに考えることさえできない状態だった。


『…さて、俺はソロソロ帰るわ』


俺が頭痛で苦しんでいるのに、影はそんな発言をした。


「ま…まて!…この痛み…はどうす…れば直るん…だ!」


『しばらくガマンしていろ。そうすれば、時期に収まるし、ここから出られるさ』


影はそういうと、徐々に薄くなっていく。


『それじゃぁな!また今度会おうぜ!』


最後に、一言言って、影は完全に消えた。


≪くそっ…いつになったら、この痛みは直るんだ…!…くっ…≫


俺は心の中でぼやきならが、頭痛が治まるのを待っていた。




しばらく、頭痛に苦しんでいると、今度は睡魔が襲ってきた。


しかし、俺は、頭痛がひどいためこのまま寝てしまおうと思い、寝転び、目を閉じた。

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