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俺は、まず、職員室に向かった。
俺が空間から出てくると、教員たちは驚いていた。
俺はそんな教員たちを無視して、担任のソフィー先生の所に向かった。
「あら?カガリ君?帰ったんじゃなかったの?」
こちらに気がついた、ソフィー先生が話しかけてきた。
「実は・・・体育館裏で生徒が何人か倒れてます。それを知らせに来たんです。それじゃぁ、俺はこれで・・・」
俺はそういって、帰ろうとした。
「ちょっと!」
ダメだった・・・すぐさまソフィー先生に呼ばれた。
俺は仕方なく、ソフィー先生に向き直り、尋ねた。
「・・・・・・なんでしょうか?」
「なんでしょうか?ってどうして、貴方が体育館裏に倒れている人がいると知っているのかってことと、どうして、そんなに急いでいるのかしら?」
ソフィー先生は前半はあきれている感じで言ったが、後半は笑みを浮かべながら言った。
俺は、ソフィー先生の笑みを見て、悪寒が走ったが、無理に逃げると、後々面倒なので、正直に答えた。
「・・・・・・実は、倒れている生徒たちに、手紙で体育館裏に来いと呼ばれたので行ったら、いきなり、魔法で攻撃されまして・・・・・・それでつい・・・・・・」
「手を出したの!?」
「い、いえ、強い光を目に浴びさせただけです・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・最悪失明してるだろうけど」
俺は、後半はソフィー先生が聞こえない程度の声で言った。
「なにか言った?」
「いえ、別に」
「光浴びせただけね・・・まぁ、そのくらいならいいわ、さて、貴方も倒れてる生徒の回収を手伝ってね」
《やっぱり、手伝いか・・・・》
俺は、そんなことを考えながら、ソフィー先生の後に続いて、体育館裏に向かった。
体育館裏で倒れてる生徒を見て、ソフィー先生はため息をついた。
「カガリ君あなた、本当に攻撃系魔法は使ってないわね?」
俺はソフィー先生の質問に答えた。
「ええ、攻撃系はさすがにいけないと思ったんで、使ってませんよ」
俺がそういうと、ソフィー先生は、少し考え込んだが、すぐに、俺に指示を出した。
「・・・・・・・・・・・・カガリ君、倒れてる子たちを一箇所に集めてもらえる?人数多いから、転送しちゃうわ」
「分かりました」
俺はソフィー先生の指示通りに倒れてる生徒を一箇所に集めた。
「先生、出来ました」
「ありがとう」
ソフィー先生は、お礼を言うと、詠唱をし始めた。
「我の意思に従え!エルフィンに転送!」
詠唱を唱えると、集めた生徒たちの少し上で光だし、生徒たちを光が包み込んだ。
しばらくすると、光が消えて、一緒に生徒たちも消えていた。
俺は、ソフィー先生に尋ねた。
「あの、生徒たちは?」
「あの子達なら、保健室よ。この学校内なら、転送ですぐに飛ばすことが出来るのよ」
転送は転送先に魔法で出入り口を作って、その出入り口はパスワードが分かれば誰でも使うことが出来る。
「それじゃ、俺は帰らせていただきますね」
俺は、すぐに帰宅を申し出た。
「そうね。まぁ、いいわ。このことに関しては、今回は貸しにしといてあげるわ」
ソフィー先生はにっこり笑って、そういった。
俺は、余計なことにはかかわりたくないので、すぐに、了承した。
「分かりました。それじゃ、俺は帰らせていただきます。お疲れさまでした」
「はい。お疲れ様。気をつけて帰りなさいね」
俺は、その言葉を聞いたあと、空間魔法を発動した。
「時を操りしものよ、我の意思に従え!空間門」
俺の詠唱後に目の前の空中で裂けていった。
1人は入れるくらいまで広がると広がりが止まる。
俺は、その中に入っていく。
後ろでその光景を見ていた、ソフィー先生は驚いて見ていた。
『このこは只者じゃないわね……魔法を覚えたてで、ここまで出来るなんて…でも、一歩間違えれば危険な存在ね、しっかり言い聞かせないと…』
ソフィー先生がそんなことを考えてるとは露知らず、俺は、クリスの家の城で借りている自室に帰った。
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