FILE20
前回までのあらすじ
食事を取っている場にて、放課後上級魔法をすることになったリュウ
今回はリュウが新たな魔法を覚えます。
放課後、俺たちは、朝と同じ訓練棟にいた。
今日も昨日と同じメンバーだ。違いと言えば、ルナが増えている程度だ。
ソフィー先生が口を開いた。
「それじゃ、今日は使い魔が居るってことで、上級をやります。そうね、カガリ君何か使いたい属性はある?」
俺は答える。
「そうですね。空属性ですかね」
「空ね・・・じゃぁ、空を飛んで、動き回れるようになりましょうか。それが早く終わったなら、空魔法を使いながら、ほかの属性の魔法を使えるようになりましょうか」
「はい」
「じゃあ、呪文を唱えて」
「『空をつかさどるものよ、我の意思に従え!』」
呪文を唱えると、体が徐々に浮かんでいく。
「おお」
しばらくすると、体が空中で止まった。俺は次の工程に進んだ。
自分の体が空に飛んだまま移動する、イメージを浮かべると、ゆっくりとだが、空に浮かびながら、動いていた。
「おお」
「じゃあ、止まって、そのまま、火球を出して、昨日と同じ的に当ててみて」
ソフィー先生に言われて、俺は火球を出した。だした次の瞬間、浮遊感が消えた。
「・・・やば!・・・ック!」
俺はすぐさまさっきと同じ呪文を唱えた。
「『空をつかさどるものよ、我の意思に従え!』・・・・ふぅ・・・」
俺は無事地面に叩きつけられるのをまのがれた。
「気をつけてね、火球に気をとられると、空に飛んでいられなくなるから、うまい具合に、すればできるはずよ」
「はい」
空を飛ぶのを意識しつつ、火球を出してみる。
すると、今度は火球を出しているのに、空に飛んだままだ。
「できました!」
「おお」
「それじゃ、今日はこれで終わります」
ソフィー先生が言った。
「え!?もう終わり?」
「ええ、カガリ君聞いてなかったの?」
「何のこと?」
俺が質問すると、フローラが答えた。
「ソフィー先生、リュウ様は、ルナさんの机取りに行っていて丁度居ませんでしたよ・・・・・リュウ様、明日は、実技のテストがあるんです。だから、早く帰って、明日に備えないといけないのですよ」
「実技って何するの?」
「実技テストは、どなたかの先生が魔法で作った、ゴーレムを倒すんです。それが実技テストです、けど、たまに、変わります」
「そうか・・・・分かった。今日は終わろう」
俺は今まで飛んでいたので、降りた。
「それじゃ、みんな明日はがんばってね」
「はい」
俺たちはソフィー先生の励ましに元気に返事をした。
「それじゃ、さよなら」
「さよなら」
そういって俺たちは、別れた。
俺たちは家に着くと、晩飯を食べた。もちろんルナも一緒にである。ルナは食事をしているときは、一層静かになる。そのあと、風呂に入ろうとすると、ルナも入ろうとしたので、何とかご遠慮いただいた。そして、俺が上がるまでルナは脱衣所の外でずっと待っていたので、俺はサッと体を洗って、あがった。そして、ルナに風呂に入ってもらい、ルナが上がってきたので、自室に戻った。当然ルナも一緒にである。
「明日は実技だ。ルナ、がんばろうな!」
「はい。ご主人様がんばりましょう」
俺は、ベットに寝転ぶ。隣にはルナが居る。
今更だが、ルナの性格、容姿共に俺の好みのタイプだった。
従順、大和撫子、ばっちり好みのタイプだ。
それで、今は2人っきりと言うことも合って、ドキドキしている。
手を伸ばせば、届く距離にルナは居る。
それに、ルナは押し倒しても、拒まないと思う。
ゆえに、手を出すのを憚れる。
俺が悩んでいると、ルナが声を掛けてきた。
「ご主人様明日、実技テストがあるのですから、今日は早く寝て、体調を万全にした方がいいと思いますので、もう寝ましょう」
「・・・あ、ああ・・だが、ルナはどこで寝るんだ?」
「私は、何か布団があればソファーで、寝ます」
「いや、ルナもベットで寝るぞ。こんなに広ければ寝れるしな」
「ですが・・・・いえ、分かりました。それでは失礼します」
そういって、ルナはベットに乗り、寝転がる。
電気を消して、暗くする。
俺は、ドキドキしていて、寝られなかった。
心臓の音が隣のルナに聞こえると思うくらい、ドキドキしていた。
俺は寝れないまま時間だけが過ぎていく。
しばらくすると、横から、寝息が聞こえてきた。
「ルナ・・・・ルナ」
俺はルナを小さな声で呼んでみた。
しかし、ルナから返事はない、聞こえるのは、ルナの息をする音だけ。
俺は、ルナの方を見た。
そこにあるのは、端整な顔立ちの横顔がある。
俺は、胸の高鳴りが早くなるのを感じた。
俺はその寝顔をずっと眺めていた。
「・・・・・」
そして、いつの間にか、ルナの顔が俺の目の前にあった。
「・・・俺は何・・・」
もう少しのところで、ルナにキスをするところだった。
「・・・はぁ〜・・寝れない」
また、ルナの寝顔を見ていると、自分からルナの方に近づいていた。
ドンドン近づいて、ついにふっくらした唇に俺の唇をあわせていた。
俺はあわてて、離れた。
「・・・ハァ、ハァハァハァ・・・俺は何をしてんだ・・・寝込みを襲うなんて・・・・」
「う・・ん・・・・」
ルナが起きてしまった。
「ご主人様どうかしたのですか?」
眠たそうな顔で聞いてくる。
「い、い、い、い、いや、な、な、な、何でもない、うん、大丈夫、大丈夫」
「・・・分かりました。ご主人様おやすみなさい」
「・・・・ああ、おやすみ」
そういって、ルナはまた眠りについた。
どうやら、ルナにはばれていないようだ。
俺は、こっそりため息をついた。
そして、俺は寝れないまま夜が明けた。
どうでしたでしょうか?
えっと、分からないと思うので本文について補足です。
上級魔法を使うときに使い魔が居ればいいのは、魔力を使い魔と召喚者でお互いに譲渡したりし合えるからです。今回、ルナが魔法を使っているときに動かなかったのは、魔力を譲渡しているからです。
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