FILE12
異世界翌日のお話です
目を開けると知らない天上があった。
スッキリしない頭で考えて、やっとこさ、自分が異世界に来たことを思い出した。
「朝か・・・・」
つぶやくと、ドアがノックされた。
「・・・はい」
ドアからは距離があるので少し大きめの声で返事をした。
「ミーネアです」
「どうぞ」
俺が答えると、ドアが開いてミーネアさんともう一人のメイドが入ってきた。
「カガリ様、おはようございます」
ミーネアさんが挨拶をすると、もう一人のメイドが挨拶をした。
「カガリ様、お、おはようごじゃ、ざいましゅ!」
噛みながらも挨拶をしたので俺も挨拶返した。
「おはようございます・・・・ミーネアさん、ひとついいでしょうか?」
「はい、どうぞ」
俺は思ったことを素直に口に出した。
「ミーネアさんの隣に居る方はどちらで?」
すると、もう一人のメイドは一歩前に出てきた。
「初めまして!今日よりカガリ様のお世話をさせて頂きます。ジャンヌ・アリア・グリュンです。御用時の際は私にお申し付けください」
ジャンヌは容姿は可愛い部類だ。どこか小動物を連想させる。髪は、水色で綺麗だ。スタイルも抜群だと思う。見た感じ・・・・
噛まずに言えた為か少し誇らしげだ。
「あー、ジャンヌさんでいいのか?」
「どうぞ、ジャンヌとお呼びください」
「あー、うん、わかった。よろしくジャンヌ」
「お2人の紹介が終わったことですので、私はお嬢様のお世話をしますので、これにて失礼させていただきます。それでは、ジャンヌ、カガリ様のことを頼みます」
「はい!」
ジャンヌが返事をすると、ミーネアさんは、部屋を出て行く。
「カガリ様、お召し物を着替えていただきますので、そのお召し物をこちらにお渡しください。カガリ様には、こちらを着ていただきます」
そう言って渡してきたのは、見た感じ制服だった。
上はブレザーと、ワイシャツ、下はズボン。色は上のブレザーは、薄いグレーで、胸のところに、剣と杖が交差した、そんな紋章が施されていた。下は紺色一色だ。
なぜ制服かと思い尋ねた。
「なぜ、制服?」
尋ねると、ジャンヌは驚いた顔で聞いた。
「お聞きになっていませんか?」
「お聞きになっていませんか?って言われても何を?」
「今日から行く学園に行きますので、こちらをご用意させて頂いたのですが・・・」
「今日・・・学園・・・何のことだ?」
「え!?すいません!それではご説明させていただきます」
「ああ・・頼む」
「カガリ様は、こちらで過ごしていただくことになっていますよね。それで、1人では何かと寂しいだろうと国王様、お嬢様が仰っていまして、それでは、友達でも作ってもらおう。とのことでして、昨日のうちに、学園の方に、編入手続きをしまして、今日から学園に通っていただく、と言う風になっています」
「・・・・」
俺は驚きのあまり声も出なかった。
「ですのでカガリ様はこちらのお召し物にお着替えください」
そういって固まっている俺の服に手を掛けて脱がし始めた。
俺は驚きのあまりされるがままになっていたが、ズボンを脱がされたときに、とある部分を思い出した。
「・・・・ちょっ!!ストップ!ストップ!そこはまずいって!」
「すとっぷ?」
「待てってこと、とにかく、ズボンだけはまずい!」
「どうしてですか?」
「それは・・・・・」
俺が言葉に詰まっていると、ジャンヌはとにかくズボンを脱がそうとしてきた。
「だから、待て!あとは大丈夫だから、とにかく出て行ってくれ」
「いえ、そういうわけには・・・」
「いいから、俺が良いって言ってるんだからいいの!」
ジャンヌの背を押し、ジャンヌを扉の外に出した。
「ちょ、開けてください!カガリ様!」
俺はジャンヌに入ってこられる前に、服を脱いで着替えた。
着替えるまでにかかった時間20秒
ここまで早く着替えたのは何時以来か・・・・
「ジャンヌいいぞ」
そういうと、ジャンヌはドアを開けて入ってきた。
「何をなさるんですか、着替えの手伝いは、メイドの仕事です」
「ごめん、ごめん。で、時間はいいのか?」
「え!?あっ!すいません!朝食の時間でした。すいません」
頭を何度も下げて誤ってきたのですぐに許した。
そのあと、急いで食堂に向かった。
食堂といっても、主、その家族、その客が使う食堂だ。
食堂に着くと、クリスが居て、朝食を食べていた。
クリスが食堂に入ってきた俺たちに気がつき、目があったので挨拶をした。
「おはよう、クリス」
「おはよう、リュウ。だけれど、少し遅いわよ。転校早々、遅刻したいの?」
「いや、色々とあって・・・」
俺は喋りながら、椅子についた。このとき、椅子を下げたり入れたりしたのは、ジャンヌ。
「それより、学園に行くなんて聞いてないぞ」
「ごめんなさい、すっかり忘れていたわ」
「まぁ、いいや。それより腹減ったし、朝飯食べるか・・・・いただきます!」
手を合わせ食事前の挨拶をし、朝食を食べた。
「・・・うん、うまい!昨日の夕食もそうだったけど、見たこともない料理ばかりだな。まぁうまいからいいけど」
「リュウ。食べたら、行くからね」
「わかった」
やっと1日経ちました。長かったです。
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