FILE11
ついに魔法の詳細が語られます。
ミーネアさんが帰ってくると、片手に数冊の本があった。
「ミーネアありがとう」
「いえ」
ミーネアさんは手に持っていた本をクリスの前に置いた。
「えーっと、魔法のことを話すと、魔力で魔法が使えるってのは分かったわよね。次は、魔法の属性とかの話かな」
「属性か・・・多分いくつかは俺もわかると思う」
「え!?魔法ってないんじゃないの?」
俺の言葉に驚いたクリスが尋ねた。
「確かに魔法は俺の世界には実際には存在しない、だけど、空想と言うか、仮想の中にのみ存在してて、そうだな・・・たとえば小説?って分かる?」
「小説?それは何?」
「紙に文章を書き込んだ、紙を集めたものって言えばいいのかな?」
「本みたいなのね」
「そうだな、それで物語を作るんだよ、それは書く人が考えた物語、その中に、魔法って言うのは存在する、まぁそれぞれマナとか魔力とかさまざまな設定があるけど」
「マナ・・・まぁいいわ。それで、属性だけど、貴方が分かる属性は何?」
「えっと、火、水、風、雷、土、光、闇ってとこかな」
「今言ったのは全てあるわ、けれどほかにも、氷、時、無、補、空、縛そのくらいかな?」
クリスは手元の本を開き確認した。
「うん・・・あってる」
「知らなかったのかよ・・・」
俺のつぶやきにクリスは顔を真っ赤にし、怒鳴った。
「う、うるさい!!」
「で、続きは?」
「わ、分かってるわよ。えっと属性はまぁ分かるように弱点ってものも存在するのよ、けれど私が言った氷以外は弱点はないの、それに弱点といっても必ずしも負けると言うわけではないわ。たとえば、火と水なら水が勝つけれど、水を10とすると、火が10ならば水が勝って火が負ける。だけど、水が10で火が20ならこれは相殺されるわ、勝つには数字で言えば20以上の差がないと弱点を付かれて負けることになるわ。それで弱点は、火に強いのが水、水に強いのが雷、雷に強いのが土、土に強いのが風、風に強いのが火、これが弱点になってるわ」
「弱点ね・・・それで」
「それで・・・・人は魔力を持っているけれど、これは使い過ぎで魔力がそこをつくと、人は、倒れて、数日生死を彷徨うことになる」
「使い過ぎは注意か・・・・魔法ってのは便利なのか危険なのか曖昧だな」
「そうね、けれど、どんな力も悪人が使えば危険よ」
「だな」
「それで、ほかは、今言っておかないといけない事は特にないかな」
「そうか・・・・こんな時間か・・結構話していたな」
俺は腕につけていた腕時計で時間を確認した。
俺が確認をすると、クリスが首を傾げて聞いてきた。
「・・・それはなに?」
「何って腕時計」
「腕・・・時計?」
「そっ、時計は分かる?」
「分かるけれど、時計といっても、そんな小さな時計は見たことないわ」
クリスの言葉に俺は驚きを隠せなかった。
「はっ!?マジか!?」
「ええ、お父様の書斎と客間と廊下にいくつかある、振り子のついた時計よ。まして、振り子だから、腕につけると、振り子の動きが変になって、時間がばらばらになるから、置いておくしかできないもの」
クリスに言われて、廊下を思い出して見ると、振り子の置時計をいくつか見た覚えがあった。
「貴方の世界はすごいのね」
「確かにすごいけれど、魔法ってのがないから、科学が発展したんだと思う。俺にしてみたら魔法もすごいって思うからな」
「カガク?」
「そう、カガクってのは、こういった、腕時計とかを機械って言って、電気で動かす技術のことかな?今日は遅いしまた今度ってことで言いか?」
「そうなの・・・分かったわ。じゃあ今度ゆっくりとカガクについて詳しく教えてね」
「ああ」
「それじゃ、私は部屋に戻るわ、お休みなさい」
「わかった、お休み」
そういってクリスはミーネアさんを連れて部屋から出て行った。
俺はベットに腰掛けると、今日あった出来事を思い出していた。
「一日で刺激的なこと結構あったな・・・・異世界、魔法、これから楽しみだな」
今日あったことを考えているとふと舞と東条たちのことが気になった。
「あいつら心配してるだろーな、無事ってことだけでも知らせれたらな・・・・」
ベットに背を預けながら、物思いに耽っていると、徐々に思考に靄がかかっていき、瞼が閉じて、俺は意識を手放した。
どうでしたでしょうか?
魔法の存在は語られていましたが、詳細を語られたのは初めてですが、どうでしょうか?
次回は、リュウが寝て、起きたところから始まります。
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