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【セキセイインコとスズメシリーズ】

【おいらは、スズメ。え、名前?そんなのないない。】

作者: 有馬波瑠海

こんにちは!有馬波瑠海(ありまはるか)です!

(。-人-。)


 普段は、長編連載小説【時雨の里】を書いています。今回は、初となる短編小説です!(*´-`)


 主人公は、スズメです。(笑)

ほのぼのとしてどこかほっこりするような話になるように、書かせていただきました。


是非ご覧くださいませ!(。-人-。)


【時雨の里】URL→もしよろしければ、こちらも合わせてご覧くださいませ。(。-人-。)

https://ncode.syosetu.com/n5101gr/1/

 

おいらは、スズメ。


え?名前、そんなのないない。そんなことより、今のおいらの状況を説明しよう。すずめ人生最大のビックイベント、"巣立ち"をしようと巣のはしっこにやって来たところだ。いい感じだ。適度に風が吹いていて、天気も快晴、飛び立ちやすそうな状況だ。


が、しかし目の前を見ると、先に巣だったにぃちゃん達が、オイラの巣立ちを必死にやめさせようとしている。なんでぇーぃ。オイラだって、もう十分成長したやーい。確かににぃーちゃん達に比べたら、羽は小さいし、くちばしだって、長くない。

でも、だからってここで引き返すほど、オイラはチキンじゃないぜ?だって、オイラはスズメなんだからよ!よし!今だっ!それぇーい!

バサッ

勇気を振り絞って、オイラは羽を羽ばたかせ、大空へ飛びたつ、、、、はずだった、、、。


あ、、、あれっ?



目の前ににいたはずのにぃーちゃん達、がどんどん遠くなっていく。


あかちゃんと、とおちゃんの悲鳴が聞こえる。



えっ、、、?


気がつくと、オイラはとてもとても冷たい地面の上に横たわっていた。


とても、黒くて、冷たい平らな地面に横たわりながら、たまにオイラの近くを大きな、大きな固まりが、ブーンとか、プップーとか、凄まじい音をたてて通りすぎて行く。



かぁーちゃん、、、。


とぉーちゃん、、、。


どこにいるの?



オイラ、もしかして、このまま、、、。


にぃーちゃん達の忠告聞いてたらな、、、。


オイラはないた。ピーッピーッ


そんな時だった。


 「こんな所にすずめの雛が、、、可愛そうに。こんな、道路の真ん中にいたら、車に引かれてしまうわい。」


なんだ?このでかい二足歩行の生き物は?頭と口と、目の所の所にだけしか毛がなくて、見えてる皮膚はなんだか茶色く波打っていて、へんなの。そう思った。


 「いいかい。お前の名前は「ぴーすけ」だ。これからうちの子になるんだ。よろしくな、「ぴーすけ」


 ・・・・。そいつは言った。



ぴーすけ・・・?

それがオイラに与えられた初めての名前だった。

なんて、ダッサイ名だ。


後から知ったが、こいつは人間という生き物らしい。性別は雄で、良い歳なのに、(つがい)もいないらしい。だが、この人間との暮らしは悪くない。温かい部屋、美味しいご飯。隣人は、かなりうるさくてウザいが、賑やか好きなおいらは、なんだかんだいってやつを気に入ってる。


え?隣人って誰なのかって?えーとな。セキセイインコの「ルル」って言うんだ。こいつ、マジでスゲーなって思うのは、人間の言葉をオウム返しできるんだぜ?インコなのによ。マジうらやましいぜ。


そう、なんやかんや賑やかで楽しい毎日を送らせてもらってるわけだ。


だが、ある日、、、。いつものようにカゴから出され、いつも閉まっていた家の窓という物が開いた。


・・・行きたかったらいっていいんだよ。・・・


その人間は言った。シワシワの顔に灰色の毛が口元に生えた不思議で優しいその生き物は、おいらに確かにそう言った。


窓の外には、大空と海とそして、、、。


とぉちゃん、、、。かぁちゃん、、、。それに、

にぃちゃん!!!!


みんなが外に待っている。だけど、、、。


かぁちゃん、とぉーちゃん、にぃちゃん。ごめん。おいらは、もう一緒に行けない。おいらは、ここで暮らしていく。


お前は、それでいいのか?

とぉちゃんが、おいらに聞く。


後悔はないのね?

かぁちゃんがおいらに問いかけてくる。


オゥ!おいらは、スズメのぴーすけ、我がスズメ人生にかけて、二言は無いぜ!


おいらがそう言った瞬間。みんなは笑顔で飛び去っていった。



あれから、10年おいらはこの人間とうるさい隣人と過ごした。


幸せだった。

本当に、幸せだった。


3年程度の命だと言われるスズメの寿命からしたら、オイラは大往生だったと言えるだろう。


10年の間に、オイラには、普通のスズメと変わらず嫁さんもらって、可愛い雛を何羽も巣立たせたしな。えっ?どこで嫁さん見つけたのかって?隣にいるのは、うるさいセキセイインコだけなのに?


へへへ。実はな、この人間、毎日、公園ってところに散歩に行くんだけど、オイラを肩に乗せていつも一緒に連れてってくれたんだ。


そしたらよ、ある時、水飲み場で水浴びしている、いやぁ、本当に可愛いスズメがいたもんでな、おいらもう、天にも昇る思いでピヨピヨ口説いたのさ。へへへ。そんでもって、人間の家の軒下に巣作ってオイラは人間の家と、軒下を行ったり来たりする生活を一時期送ってたわけさ。だけど、雛達巣立たせて、暫くしたら嫁さんにも先立たれてな。オイラはまた、うるさい隣人と人間との暮らしに戻ったわけだ。


ま、そんなわけだからおいらは幸せだったわけよ。スズメに生まれて来て、良かったあー!



だけど、ちょっと、、、


ほんのちょっとだけ思うんだ。


もし、来世というものがあるなら、


次は、人間に、生まれてきたいなって、、、。




        おしまい

※スズメの雛を見つけても、そっとしておくことをオススメします。雛の近くには、親鳥がいることが多いそうですよ。(o´・ω・`o)








【時雨の里】URL→【時雨の里】絶賛連載中、もしよろしければ、こちらも合わせてご覧くださいませ。(。-人-。)

https://ncode.syosetu.com/n5101gr/1/

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