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俺の幼馴染達が最強すぎて俺にはどうすることもできないのだが  作者: 嵐山 紙切
第6章 一斉攻撃

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第41話 戦略

 騎士たちのもとに戻ると騎士団長からいたく感謝された。

「もう死ぬんだと思った瞬間、家族の顔が思い浮かんで……」


 団長はそんなことを言って泣いた。

 彼らに撤退を伝え、エルマ、カミラとともに会議室戻ると、ステイシーが宰相らとともに地図をみおろしていた。


「おかえり。皆のことは救えた?」

「当たり前でしょ、七光」


 エルマは鼻を鳴らして目を細め彼女のことを睨んだ。


「その呼び方止めて」


 ステイシーはそう言って続けた。


「伝令係から聞いた。石があったんだってね。それあと2つあるの」


 彼女は地図を指差した。その地図は国内だけではない、ソーリッジ、竜族の島国、そして魔族の領域にまで達するものだった。


「伝令によると、一つはソーリッジのここ、ハルたちがいた場所ね。後の2つは推測でしか無いんだけど、魔族の領域と、ドラゴン族の島国にあると思う」

「なぜわかる」

「それは私から説明しましょう」

「誰だ?」


 俺はエルマにこっそり尋ねたのだが聞かれていたようだ。咳払いしたメガネの女は名乗った。


「ドロシー。王立魔術研究所の所長を務めています」


 ドロシーは地図に触れた。魔力を流したのだろう、表面が波打って、立体的な山が形成される。山というのは少しおかしな表現かもしれない。3つの場所、すなわち、石があるであろう場所だけ他の部分より飛び抜けて高く表示されていたからだ。


「これはこの世界の魔力の分布図です。魔族のいる場所は全体的に高めですし、今私達がいるこの場所も少し高くなっています」


 ドロシーはカミラを見てそういった。


「ただ、問題なのはこの3つの場所です。こんな魔力は見たことがありません。この魔力測定は一年に一度行うのですが……」


 ドロシーは言い渋った。


「なぜ気づかなかった?」


 国王が尋ねた。


「結界が張られていたのです。私達はそれに気づくことができませんでした。これでは魔力測定の意味がない。先程なにかの理由で結界が外れ、緊急アラートが研究所内に鳴り響きました。そこでようやく気付いたのです」


 彼女は申し訳無さそうに頭を下げた。


「カマエルが死にそうになったからか?」


 俺はカミラに訪ねた。


「たぶん。結界はかなり魔力が必要だから、自分の体に集中しすぎて外れたんだろう。一度外れるともとに戻すのには時間がかかる」


 ステイシーが引き継いで話しだした。


「私はそれを聞いて少し伝承を調べたの、そしたらあることがわかった。ねえ、なんでそんな石が必要なんだと思う?」


 俺は首をかしげて言った。


「魔力を増幅したいからじゃないのか」

「ええ、ええたしかにそう。でも目的はもっと先にある」


 ステイシーは本を一冊テーブルの上においた。

『不老不死の法』


「あの石は一人の人物を不死にさせるために存在する。誰かわかるでしょ?」

「じゃあ、破壊すれば」

「あの男を倒せるかもしれない」



 石はすぐに発見された。

 ステイシーの言う通り、一つは竜族の国の最南端、一つは魔族の国の最北端に位置した。

 そしてそこには大量のオートマタが配備されていた。

 問題はもう一つ、どこにユキハルが現れるかわからないということ。


「だから、」


 ステイシーは言った。


「石の破壊は一斉に行います」

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