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俺の幼馴染達が最強すぎて俺にはどうすることもできないのだが  作者: 嵐山 紙切
第5章 ソーリッジ王国

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第36話 盾

 目の前が真っ赤に染まった。この男は殺さないといけない。

 俺は転移すると、やつの腕を切り落とした。ミスリルの剣が落ちる。

 ステイシーを抱きかかえると更に転移して、男から距離をとった。


 切り落とされたやつの腕はすぐにもとに戻ってしまう。


「あーあ、つまんない」


 男はそう言うと、両腕を上げた。まるで何も持っていないことをアピールするように。

 いつの間にかエルマとカミラが駆け出している。


「ふたりともやめろ!」

「あいつはハルを陥れた張本人だよ。殺してやる」

「魔法で灰にしてやる」


 男は動かない。カミラの魔法が発動する。

 男は塵になり、もとに戻る。

 何度も、何度も、彼の体はもとに戻る。


「あきた」

「逃げて!!」


 ステイシーが叫ぶのと同時に、クローゼットの周りに大量の大砲が出現した。

 エルマたちはまだ、男の元へたどり着いていない。

 阻止できない。

 大砲は魔法兵器だ、奇妙な高い音がして、紫色に筒の中が光る。

 俺は転移して、二人を回収した。

 直後、二人のいた場所めがけて紫色の光線が発射された。

 カミラがいた場所に向けられた光線は空を突き抜け、雲に穴を開けた。

 エルマがいた場所は、死体が溶けてなくなってしまっていた。


「その転移スキルって厄介だね」


 男はローブをバサバサと鳴らして揺り動かしながら言った。


「まあ、今日はもういいかな。帰る」


 男はクローゼットの扉を開いた。


「まて!」


 エルマは叫んだが、男は中に入り、とびらを閉めた。

 クローゼットは消えた。


 俺たちはただ呆然とその場所を見ていた。

 ステイシーが俺を見上げてボロボロと涙をこぼした。


「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい」

「ステイシーのせいじゃない」


 俺は彼女の頭をなでた。

 彼女から聞きたいことはたくさんある。

 でも今は再会を祝福しよう。

 俺たちは後ろで待つ騎士たちのもとにあるき出した。

 カミラを先頭にエルマが続く。ステイシーは俺にすがりつくようにしてずっと謝っている。


「ステイシー歩きづらい」

「ねえそれずるい、私も」


 そう言ってカミラとエルマが振り返った。


 その後ろ


 空間が歪む。


 突然、巨大な弓が2つ出現する。ソーリッジ王国の城でみたあの巨大なバリスタだ。

 地面に転がっていたオートマタの一人が声を出す。


「死ねよ」


 バリスタが発射される。巨大な矢がエルマとカミラを襲う。

 だめだ。

 転移は一度しかできない。

 俺は転移をして、盾になる。


 2つの矢が俺の体を貫く。左の胸と右の腹に巨大な矢が突き刺さっている。

 血を吐く。


「ハル!!!!!!!」


 意識が遠のく。

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― 新着の感想 ―
[一言] 更新お疲れ様 タイトル的に、幼馴染をもっと最強にしてもいいかも? 続きが気になります。
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