★登場人物紹介★(第六部終了時点)
※第六部終了時点の情報を含むため、ネタバレ要素があります。
【旅→草原アルファティーマへ】
◆セリス(マリク)
「幸福の姫君」選んだ伴侶を世界を繁栄に導く王にする、という予言をされたた月の姫。15歳まで全く男性と触れ合うことなく離宮で育った。しかし伴侶が覇王なら自分は一体何なのか? という疑問から徐々に意志が芽生え、18歳になった頃、ついに月の国を出て開戦間近の砂漠の国に至る。ラムウィンドスと心を通わせているが、イクストゥーラ攻めを画策するサイードを説得するため、草原へと向かう。
◆アーネスト
月の国の軍人。ラムウィンドスの元部下。セリスに複雑な思慕を抱いている。傾国の美貌とうたわれ、主であるセリスより顔も名前も売れている。方言。
◆エルドゥス
幼少期を帝国で過ごした、草原の第三王子。母親は帝国人。帝国の少女皇帝アテナと深いつながりがある。本拠地である草原ではほとんど地固めができておらず、立場が弱い。兄王子たちに命を狙われている。第一王子配下であるサイードに強い関心があり、セリスの草原行に協力を申し出る。
◆ロスタム
鷲使い。ゼファードに命じられて、セリスの元に現れた。アルザイの血を分けた息子。母親は月の国の王族筋。育ての親は太陽神殿の裏の長、アルス。工作員として仕込まれている。武勇に秀で、判断力があるが、未熟。
◆ナサニエル
社殿の存在しないイクストゥーラ神殿の巫覡。アスランディア神殿で、太陽の神官たちよりも上位の存在として振る舞っているが、普段は表に出ない。銀髪の他は、印象に残りにくい容姿。アルスの背信には気づいていなかった。イクストゥーラ滅亡を阻止するため、セリスの旅への同行を申し出る。旅の途上では、一行の中で「月の姫」として振る舞い、セリスの身代わりをつとめる。
【進軍→イクストゥーラへ】
◆ラムウィンドス
「神話の時代の最後の王」滅亡した太陽王家の血を引く青年。月の国の軍部で高い地位を得ていたが、砂漠の国の王アルザイの招聘に応じて月の国を出る。隊商都市マズバルの軍部に籍を置き、武勇で名をあげる傍ら、地下水路事業に携わり、アスランディア滅亡の真相を掴んだ。セリスとは相思相愛だが、イクストゥーラへゼファード救出に向かうため、別行動となる。太陽王家の名のもとに兵を募っている。
【隊商都市 マズバル】
◆アルザイ
「予言に呪われた王」豪放磊落にして聡明な砂漠の王。自身もかなりの剣の使い手。合理的で為政者としては欠点らしい欠点が無かったが、東国からの隊商を都市に受け入れる際に手痛い失敗をする。また、早死にの予言を気にして子どもを作りたくないと言い、婚期を逃してきたが、実はロスタムという息子がいた。現在、表向きは「月の姫を娶り、覇道を行く」と喧伝し、アルファティーマを隊商都市に引きつけようとしている。
◆イグニス
「帝国の炎」帝国の少女皇帝の寵臣。筆頭宰相。エルドゥスを探しにきていたが、マズバル騒乱に巻き込まれ、「アルファティーマ勢をマズバル軍で叩く(※帝国の延命のため)」目的でアルザイの策にのり、マズバル防衛戦に引き続き参戦。字が汚い。ライアに毎日求婚している。
◆ライア
オアシスの有力都市イルハンの姫君でアルザイの婚約者であったが、祖国がアルザイの暗殺を企て微妙な立場に。アーネストのことが気になっていたものの、イグニスに口説き落とされた。利発な才女。マズバル王宮でただ一人、イグニスの悪筆を解読できる。
◆ラスカリス
イグニスの護衛官。人の良さで苦労している。アルファティーマとの戦争を何度も経験しており、その戦法に詳しい。
◆エスファンド
「反論の余地なき者」マズバル王宮の碩学。広く世界に名の知られた才人だが、本人は詩人を名乗りたがっている。アスランディア神殿のアルスとは懇意にしていたらしい。アルスが去った後、アスランディア神殿の裏側を実質取り仕切る立場だが、本人は野心を否定し権力とも距離を取っており、決してそのことを明かす気はない(アルザイは勘付いている)。東国の工作員だったリーエンを口説き落としている。
◆リーエン
エスファンドの弟子。東国の出身。青年の姿で過ごしているが、女性。騒乱の夜、都市在住の東国人とはかって隊商の調略を手引するてはずであったが、エスファンドに潰される。今はエスファンドのもとでおとなしく弟子として振る舞っている。
【月の国 イクストゥーラ】
◆ゼファード
月の国の王。重臣たちの反発にあい、砂漠の国の傘下にくだる策に失敗。この上はアルザイの築く一大帝国の礎にならんとし、穏便に月の国を明け渡すために滅亡を画策。自身は命を落とす覚悟をしており、セリスをはじめとした身近な者や優秀な者を続々と国外へ放出している。公式には「幸福の姫君」である妹姫との婚姻を発表しているが、セリスがすでに出奔しているため、遠縁の銀髪の姫アリシアに身代わりを願い出た。
◆アリシア
月の王族筋の姫。十年以上前に、アルザイの子ロスタムを産んで以来、表に出ることはなかった。現在はゼファードのかたわらで、セリスの身代わりをつとめている。
【草原 アルファティーマ】
◆サイード
「剣鬼」の異名を持つ剣士。太陽の国出身(最後の王の末弟、ラムウィンドスの叔父)。アルファティーマで頭角を現しており、第一王子の補佐として一大帝国を築くため手となり足となり剣を振るっている。しかし最近はその優秀さを煙たがられているという。イクストゥーラ攻めをすると宣言しているが、真意は知れない。
◆アルス
太陽神を奉じるアスランディア神殿、その裏側の長。特殊工作員として各地を渡り歩いている。かつて滅亡前のアスランディアで、サイードやラムウィンドス、アルザイと同じ師の元で剣の修行をしていた。年長者で剣の腕も秀でており、身分差も気にせず言いたいことを言う。アルザイの信頼を買っていたが、実はアルファティーマのサイードと通じていた。マズバル騒乱で敵対行為を取り、都市を去っている。
【旧き帝国 ローレンシア】
◆アテナ
少女皇帝。
※2022.1月 「姫の花道」よりタイトルを変更し、章立てを見直して改稿・加筆しています。ストーリーに変更はありません。