非通知。
「私、今あなたのうちの最寄駅にいるの。」
突然かかってきた電話。
悪戯電話だろうか。
「私、今あなたが働いてたカフェの前
にいるの。」
2度目の電話。
これには何の意味があるのだろう?
「私、今あなたが通っていた学校の前にいるの。」
3度目の電話。
もしや、これは…
「私、今あなたのうちの前にいるの。」
4度目の電話。
やっぱり。
「私、今あなたの部屋の前にいるの。」
5度目の電話。
これは、俗に言うメリーさんとやらではないか?
「私、今あなたの後ろにいるの。」
6度目の電話。
ああ、もうこれで最後だ。
「ねぇ…」
そう、この言葉に反応してしまえば、
振りかえってしまえば、僕は…
「ねぇ、なんで迎えに来てくれなかったの。」
え?
「私、何度も電話したよね。」
え、あ…。
「ねえ、なんで?」
だ、だって、一言でぶった切られたから。まず誰からか分からないし。
「あー、私の声忘れちゃったんだー。毎日聞いてるのに?」
…。
「一緒にに住んでるのに忘れちゃうんだー。私って、その程度の存在なんだー、そっかぁ。」
いや違うよ。そんなことない…
「ふふ、真っ赤になった顔もかわいー。」
かすめ取ったのは僕なのに
そう言って僕の顔を見て笑う彼女。
でも、そんな彼女さえも愛しいと思う僕がいる。
なんとなく浮かんだメリーさん第一弾。
可愛らしい話に仕上がりました。